トラブルシューティングガイド
BFDセッションが確立しない,または確立してもセッション状態が不安定な場合は,次の表に示す障害解析方法に従って原因を切り分けてください。
表6-15 BFDセッションが確立できない場合の障害解析方法
項番 確認内容・コマンド 対応 1 送信レートが収容条件を超えていないことを確認してください。
- show logging
該当するシステムメッセージ(メッセージ種別:BFD,メッセージ識別子:47010102)が出力されている場合は,不要なBFD監視を削除するか,BFD監視の送受信間隔を見直したあと,restart bfdコマンドを実行してください。
BFDプログラムの再起動後に,同様のシステムメッセージが出力されないことを確認してください。2 BFDセッションの設定に失敗していないか確認してください。
- show logging
該当するシステムメッセージ(メッセージ種別:BFD,メッセージ識別子:47010103)が出力されている場合は,BFDプログラムが正しく動作していません。restart bfdコマンドを実行してください。
BFDプログラムの再起動後に,同様のシステムメッセージが出力されないことを確認してください。3 マルチホップ監視の場合は,ループバックインタフェースのIPアドレスを確認してください。
- show logging
- show running-config
該当するシステムメッセージ(メッセージ種別:BFD,メッセージ識別子:47010201)が出力されている場合は,ループバックインタフェースにIPアドレスが設定されていないため,BFDパケットを送信しません。送信を開始するには,ループバックインタフェースにIPアドレスを設定してください。
対向装置への経路にVRFを使用している場合は,ループバックインタフェースにもVRFの設定が必要です。4 BFD監視対象のアドレスに対して通信できることを確認してください。
- ping
マルチホップ監視の場合は,sourceパラメータを使用して送信元アドレスにループバックアドレスを指定してください。
通信できない場合は,「5.1 IPv4ネットワークの通信障害」または「5.2 IPv6ネットワークの通信障害」を参照してください。 5 BFDパケットが廃棄されていないことを確認してください。
- show bfd discard-packets
有効なBFDパケットを受信するまで,BFDセッションは確立できません。廃棄パケットの数を確認してください。
- Unknown Sessionが増加
対応するBFDセッションが本装置に設定されていません。本装置の設定を見直してください。
- Invalid TTL/HopLimitが増加
意図しないパケットを中継していないことを確認してください。マルチホップ監視のBFDセッションを確立させるには,コンフィグレーションコマンドtype bfdでmultihopパラメータを指定してください。
- Authentication Failureが増加
対向装置から,サポートしていない認証方式の使用を要求されています。対向装置の設定を見直してください。
- Other Errorsが増加
対向装置から,障害検出時間が300秒を超えるような設定を要求されている可能性があります。対向装置の設定を見直してください。
- その他
不正な値のBFDパケットです。設定およびネットワークの状態を見直してください。
6 フィルタ,QoS,またはuRPFによってパケットが廃棄されていないか確認してください。 確認方法と対応については,「8.1 パケット廃棄の確認」を参照してください。 7 セッション状態が不安定な場合は,BFDセッションのダウン要因を確認してください。
- show bfd session
DiagnosticがControl Detection Time Expiredの場合は,対向装置からのBFDパケットを一定時間受信できていません。
- 通信障害が発生している可能性があります。経路および対向装置を確認してください。
- 検出乗数(Multiplier)が3未満の場合,パケットの遅延を障害として検出しやすくなります。BFDセッションを安定させたいときは,検出乗数を3以上に設定してください。
DiagnosticがNeighbor Signaled Session Downの場合は,対向装置がBFDセッションをダウンさせています。
- 対向装置で,BFD監視の設定を変更および削除していないことを確認してください。
- 対向装置で,BFDセッションを切断していないことを確認してください。
- 本装置からのBFDパケットを,対向装置が受信できていない可能性があります。経路およびBFDの設定を確認してください。
DiagnosticがPath Downの場合は,有効な経路が存在しない,またはダウンしています。
- 送信元インタフェースがマネージメントポートではないことを確認してください。
- 送信元インタフェースの状態を確認してください。確認方法は,「3. ネットワークインタフェースのトラブルシュート」を参照してください。
DiagnosticがForwarding Plane Resetの場合は,転送機構がリセットされています。
- clear bfd sessionコマンドが実行されています。BFDセッションが再確立しないときは,restart bfdコマンドを実行してください。
DiagnosticがAdministratively Downの場合は,本装置の運用状態による意図的なBFDセッションの抑止です。
- 本装置または対向装置で,BFD監視の設定を変更したり削除したりしていないことを確認してください。
- この表の項番1〜3に従って,収容条件およびコンフィグレーションを確認してください。
- 上記のどちらにも該当しないときは,clear bfd sessionコマンドを実行してください。復旧しないときや頻発するときは,restart bfdコマンドを実行してください。
8 本装置で,対向装置に対してBFD監視が正しく設定されていることを,コンフィグレーションで確認してください。
- show running-config
BFD監視が正しく設定されていない場合は,コンフィグレーションを修正してください。 9 対向装置の設定を確認してください。 BFDは双方向で設定する必要があります。対向装置でも,BFDを正しく設定してください。
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