コンフィグレーションガイド Vol.1
本装置のシリアル接続ポート(AUX)にダイアルアップIP接続でリモート運用端末を接続する手順を次に示します。
- <この項の構成>
- (1) 本装置の設定
- (2) リモート運用端末の設定
- (3) 回線接続とログイン
- (4) 回線切断
(1) 本装置の設定
(a) モデムの準備
あらかじめモデムが自動着信するように設定します。モデムやモデムとAT互換機を接続するためのストレートケーブルを用意してください。また,本装置ではモデムを設定できないので,PCなどに接続して設定してください。
モデムに付属の説明書を参照して,ATコマンドを使用して次の表に示す設定をしてください。拡張ATコマンドを持つモデムでは,例で示したコマンドと異なるコマンドを使用する場合があります。
表7-2 モデムの設定
設定項目 設定内容 指定例
(Hayes互換ATコマンドの場合)CD信号状態 CD信号は通常オフで,相手モデムのキャリアを受信するとオンにします。 AT&C1 DTR信号状態 DTR信号がオンからオフに変わるとモデムを初期化します。 AT&D3 コマンドエコー 入力したコマンドをDTEに出力しません。 ATE0 フロー制御 DTEとDCE間のフロー制御を設定します。
- RTS/CTSフロー制御有効
- XON/XOFFフロー制御無効
AT&K3 リザルトコード リザルトコードをDTEに出力しません。 ATQ1 自動着信 自動着信するまでの呼び出し回数を設定します。 ATS0=2 リセット時の設定 モデム内の不揮発性メモリから設定を読み出します。 AT&Y0 設定の保存 設定をモデム内の不揮発性メモリに保存します。 AT&W0 コマンドをDTEに出力しないようにコマンドエコーを設定すると,コマンドを入力しても文字は表示されません。設定が完了したらモデムに設定内容を保存します。設定保存後に設定内容を表示して確認します。
- (例)Hayes互換ATコマンドでモデムを自動着信に設定する場合
- AT&F&C1&D3E0&K3Q1S0=2&W0&Y0&V
シリアル接続(モデム)の場合は,通信ソフトウェアのダイアル機能を使用してダイアルします。ダイアル機能については通信ソフトウェアの説明を参照してください。端末からATコマンドを使用してダイアル接続できます。ダイアル機能を持たない通信ソフトウェアを使用する場合などはATコマンドでダイアルしてください。ATコマンドのダイアル方法についてはモデムのマニュアルを参照してください。
- (例)Hayes互換ATコマンドでダイアルする場合
- 公衆回線を使用してトーンで123-4567へダイアルする。
AT&FE0&S1S0=0S2=255TD123-4567
- 構内交換機を使用してトーンで123-4567へダイアルする。
AT&FX3E0&S1S0=0S2=255TD123-4567
- 構内交換機を使用してトーンで0をダイアルして,数秒待ってから123-4567へダイアルする。
AT&FX3E0&S1S0=0S2=255TD0,123-4567
設定したモデムを本装置のAUXポートに接続します。
(b) コンフィグレーション設定
本装置で使用するIPアドレスと,リモート運用端末で使用するIPアドレスを設定します。設定するインタフェースはasyncです。
本装置で使用するIPアドレスが10.0.0.1,リモート運用端末で使用するIPアドレスが10.0.0.2の場合,次の図のようにコマンドを実行します。
図7-2 asyncに関するコンフィグレーション設定例
(config)# interface async 1 (config-if)# ip address 10.0.0.1 255.255.255.0 (config-if)# peer default ip address 10.0.0.2
(2) リモート運用端末の設定
(a) モデムの準備
本装置にダイアルアップIP接続する運用端末でモデムを使用するための設定方法は,モデムのマニュアルを参照してください。
(b) 接続ソフトの設定
本装置にダイアルアップIP接続する運用端末にダイアルアップIP接続用のソフトをインストールして,次の表のように設定します。
表7-3 ダイアルアップIP接続設定内容
設定項目 設定内容 サーバの種類 PPP インターネットプロトコル(TCP/IP) TCP/IP IPアドレス IPアドレスを自動的に取得する DNSサーバのアドレス DNSサーバのアドレスを自動的に取得する 認証方式 PAP/パスワードを暗号化しない 電話番号 本装置に接続するモデムで使用する電話番号 (c) 認証に使用するユーザ名とパスワード
ダイアルアップIP接続の認証に使用するユーザ名とパスワードは,本装置のログインに使用するユーザ名とパスワードを使用します。なお,パスワードなしのユーザ名で認証を行うと,入力したパスワードは無視されます。
(3) 回線接続とログイン
(a) 回線接続
接続ソフトからダイアルします。
(b) 接続確認
ダイアルアップIP接続を行うとIPアドレスが割り当てられます。pingコマンドなどで宛先アドレスへの通信可否を確認できます。
ダイアルアップIP接続が正しく行われている場合に本装置上でshow sessionsコマンドを使用すると,ユーザがauxポートからログインしているように表示され,運用端末で使用しているIPアドレスも表示されます。
図7-3 show sessionsコマンド実行例
> show sessions Date 20XX/01/07 12:00:00 UTC gilbert console ----- 0 Jan 6 14:16 john aux ----- 1 Jan 6 14:16 (ppp0:10.0.0.1) <-1
- 「aux」であることを確認します。また,運用端末に割り当てられたIPアドレス(10.0.0.1)が表示されます。
(c) ログイン
リモート運用端末(リモートログイン)が使用できます。
(4) 回線切断
ダイアルアップIP接続は次の要因で切断されます。
- 運用端末からの切断要求
- 他ログインユーザからのkilluserコマンドによるユーザ※の強制ログアウト
- 回線障害
- コンフィグレーションコマンドinterface asyncの関連コマンドの変更および削除
- 注※
- ここではAUXポートからログインしているユーザを指します。
- [注意事項]
- ダイアルアップIP接続が切断された場合,すぐには再接続できないことがあります。その場合,300秒程度の間隔を空けてから再接続してください。
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