コンフィグレーションガイド

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11.5.5　6to4トンネル（ネイティブIPv6間トンネル）

＜この項の構成＞
(1)　設定内容の概要
(2)　構成図と設定条件
(3)　コンフィグレーション例

(1)　設定内容の概要

一つのIPv4グローバルアドレスを持つサイトから，6to4トンネル機能を使ってIPv4ネットワーク(The Internet)を介したネイティブIPv6内端末と通信を行う場合の例を示します。

(2)　構成図と設定条件

［構成図］

図11-27　6to4トンネル（ネイティブIPv6間）構成図

[図データ]

［設定条件］
  1. 本装置AとBにIPv4グローバルアドレスを持ったIPv4ネットワークに接続インタフェースの設定を行います。
  2. 本装置AとB間はIPv4ネットワーク(The Internet)上での通信経路が保証されています。
  3. 本装置BにネイティブIPv6ネットワークに接続するインタフェースの設定を行います。
  4. 本装置AとBに6to4トンネルの設定を行います。
  5. 本装置Aに各サイト固有の6to4アドレスを持つネットワークの設定を行います。
  6. 本装置AにIPv6デフォルト経路のゲートウェイを本装置Bの6to4トンネルインタフェースへと設定します。
  7. 本装置Bに2002::/16の経路をネイティブIPv6ネットワークへ広告するよう設定を行います。

(3)　コンフィグレーション例

［コマンドによる設定］

＜本装置A＞
 1    (config)# line ISPline1 gigabit_ethernet 0/0
      [line ISPline1]
 2    (config)# ip 192.1.2.3 mask 255.255.0.0
      [line ISPline1]
 3    (config)# exit
 4    (config)# tunnel TokyoSTF 6to4
      [tunnel TokyoSTF]
 5    (config)# ip 2002:c001:0203::1/16
      [tunnel TokyoSTF]
 6    (config)# exit
 7    (config)# line Department1 ethernet 1/0
      [line Department1]
 8    (config)# ip 2002:c001:0203:1::1/64
      [line Department1]
 9    (config)# exit
10    (config)# static
      [static]
11    (config)# ip6-default gateway 2002:09fe:fdfc::1
      [static]
12    (config)# exit

表11-36　本装置Aのコンフィグレーション解説

解説番号 解説
1 NIF番号0，Line番号0にLine名ISPline1の1000BASE-X回線を定義します。
lineモードに移行します。
2 回線名ISPline1にIPアドレス192.1.2.3，サブネット255.255.0.0を定義します。
3 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
4 6to4トンネルインタフェースTokyoSTFを定義します。
tunnelモードに移行します。
5 6to4トンネルインタフェースTokyoSTFにIPv6アドレス2002:c001:0203::1，プレフィックス長16を定義します。
6 tunnelモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
7 NIF番号1，Line番号0にLine名Department1の10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T回線を定義します。
lineモードに移行します。
8 インタフェース名Department1にIPv6アドレス2002:c001:0203:1::1/64を定義します。
9 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
10 スタティック経路を使用します。
staticモードに移行します。
11 2002:09fe:fdfc::1をゲートウェイとして，IPv6デフォルト経路をスタティック定義します。
12 staticモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。

＜本装置B＞
 1    (config)# line ISPline2 ethernet 0/0
      [line ISPline2]
 2    (config)# ip 9.254.253.252 mask 255.255.0.0
      [line ISPline2]
 3    (config)# exit
 4    (config)# tunnel OsakaSTF 6to4
      [tunnel OsakaSTF]
 5    (config)# ip 2002:09fe:fdfc::1/16
      [tunnel OsakaSTF]
 6    (config)# exit
 7    (config)# line Department2 ethernet 1/0
      [line Department2]
 8    (config)# ip 2002:09fe:fdfc:1::1/64
      [line Department2]
 9    (config)# exit
10    (config)# autonomoussystem 100
11    (config)# routerid 9.254.253.252
12    (config)# bgp4+ yes
      [bgp4+]
13    (config)# externalpeeras 200
      [bgp4+ externalpeeras 200]
14    (config)# peer 2001:0600:1::100
      [bgp4+ externalpeeras 200 peer 2001:0600:1::100]
15    (config)# exit
      [bgp4+ externalpeeras 200]
16    (config)# exit
      [bgp4+]
17    (config)# exit
18    (config)# export proto bgp4+ as 200
      [export proto bgp4+ as 200]
19    (config)# proto direct
      [export proto bgp4+ as 200 proto direct]
20    (config)# 2002::/16 exact
      [export proto bgp4+ as 200 proto direct]
21    (config)# exit
      [export proto bgp4+ as 200]
22    (config)# exit

表11-37　本装置Bのコンフィグレーション解説

解説番号 解説
1 NIF番号0，Line番号0にLine名ISPline2の10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T回線を定義します。
lineモードに移行します。
2 回線名ISPline2にIPアドレス9.254.253.252，サブネット255.255.0.0を定義します。
3 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
4 6to4トンネルインタフェースOsakaSTFを定義します。
tunnelモードに移行します。
5 6to4トンネルインタフェースOsakaSTFにIPv6アドレス2002:09fe:fdfc::1，プレフィックス長16を定義します。
6 tunnelモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
7 NIF番号1，Line番号1にLine名ISP6line1の10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T回線を定義します。
lineモードに移行します。
8 インタフェース名ISP6line1にIPv6アドレス2001:0600::1/64を定義します。
9 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
10 自装置の属するAS 番号を定義します。
11 自装置のルータID を定義します。
12 BGP4+プロトコルを動作されることを定義します。
bgp4+モードに移行します。
13，14 AS200に対する外部ピアを定義します。
bgp4+ externalpeerasモードに移行します。
bgp4+ externalpeeras peerモードに移行します。
15 bgp4+ externalpeeras peerモードからbgp4+ externalpeerasモードに戻ります。
16 bgp4+ externalpeerasモードからbgp4+モードに戻ります。
17 bgp4+モードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
18〜20 2002::/16のダイレクト経路をAS200との外部ピアに広告するように定義します。
export proto bgp4+モードに移行します。
export proto bgp4+ proto directモードに移行します。
21 export proto bgp4+ proto directモードからexport proto bgp4+モードに戻ります。
22 export proto bgp4+モードからグローバルコンフィグモードに戻ります。

［コンフィグレーションの表示］

＜本装置A＞
line ISPline1 gigabit_ethernet 0/0
  ip 192.1.2.3 mask 255.255.0.0
!
line Department1 ethernet 1/0
  ip 2002:c001:0203:1::1/64
!
tunnel TokyoSTF 6to4
  ip 2002:c001:0203::1/16
!
static
  ip6-default gateway 2002:09fe:fdfc::1

＜本装置B＞
line ISPline2 ethernet 0/0
  ip 9.254.253.252 mask 255.255.0.0
!
line Department2 ethernet 1/0
  ip 2002:09fe:fdfc:1::1/64
!
tunnel OsakaSTF 6to4
  ip 2002:09fe:fdfc::1/16
!
autonomoussystem 100
!
routerid 172.16.2.1
!
bgp4+ yes
  externalpeeras 200
    peer 2001:0600:1::100
!
export proto bgp4+ as 200
  proto direct
    2002::/16 exact

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