コンフィグレーションガイド

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8.4.5 DHCP/BOOTPクライアントへマルチホームインタフェースで接続し,IPアドレスを変更する

<この項の構成>
(1) 設定内容の概要
(2) 構成図と設定条件

(1) 設定内容の概要

マルチホームでのDHCP/BOOTPクライアント接続インタフェースにおいて,relay_agent_addressパラメータを省略した場合,そのインタフェースでのIPアドレス変更を行うと本装置で適用されるリレーエージェントアドレスが変更されます。relay_agent_addressパラメータを省略した場合,マルチホーム設定でのインタフェースにおけるIPアドレス変更時にはDHCP/BOOTPクライアントが接続されているIPアドレスを最後に再設定しなければなりません。

次に示す四つのIPアドレス変更パターンの場合,<変更例1>に従ってIPアドレスの再設定を行ってください。

  1. DHCP/BOOTPクライアント接続IPアドレスを変更した場合
  2. DHCP/BOOTPクライアント接続IPアドレス以外のIPアドレスを変更した場合
  3. DHCP/BOOTPクライアント接続IPアドレス以外のIPアドレスを追加した場合
  4. DHCP/BOOTPクライアント接続IPアドレス以外のIPアドレスを削除した場合

なお,<変更例1>の設定では,DHCP/BOOTPクライアントの運用を一時的に停止することになります。

(2) 構成図と設定条件

[構成図]

図8-18 構成図

[図データ]

[設定条件]
  1. DHCP/BOOTPクライアント,その他のPCはイーサネットにて接続されていること。
  2. DHCP/BOOTPクライアントが本装置に接続されているインタフェースはマルチホームとする。
  3. DHCP/BOOTPクライアントが接続されているIPアドレスは170.1.1.1,PC AとPC Bが接続されているIPアドレスはそれぞれ,170.2.2.1,170.3.3.1とする。
  4. DHCP/BOOTPサーバのIPアドレスを170.10.10.10とする。
  5. DHCP/BOOTPサーバにDHCP/BOOTPクライアントゲートウェイIPアドレス(ルータオプション)を170.1.1.1と設定する。
  6. 上記3.で設定されたIPアドレス変更を行う。

<変更例1>
上記1.,2.,3.,4.のどれかのIPアドレス変更を行った場合,本装置で適用されるリレーエージェントアドレスは170.1.1.1ではなくなる可能性があります。そのようになった場合は,DHCP/BOOTPクライアントにDHCP/BOOTPサーバからIPアドレスの貸し出しが行われない場合があります。そこで<変更例1>では,DHCP/BOOTPクライアントが接続されているIPアドレス定義を一度削除し,再定義することにより本装置で適用されるリレーエージェントアドレスを170.1.1.1とする方法を示しています。なお,この変更を実施するとDHCP/BOOTPクライアントの運用を一時的に停止することになります。

[コマンドによる設定]

<本装置A>
 1    (config)# line Department1 ethernet 0/0
      [line Department1]
 2    (config)# delete ip-address 170.1.1.1/24
      [line Department1]
 3    (config)# ip-address 170.1.1.1/24
      [line Department1]
 4    (config)# exit

表8-20 本装置Aのコンフィグレーション解説

解説番号 解説
1 NIF番号0,Line番号0にインタフェース名Department1のイーサネットインタフェースを定義します。
lineモードに移行します。
2 インタフェース名Department1のIPアドレス170.1.1.1を削除します。
relay_agent_addressパラメータを省略した場合,本装置で適用されているリレーエージェントアドレスを再設定するためには必ず削除しなければなりません。
3 インタフェース名Department1にIPアドレス170.1.1.1をマルチホーム設定します。
relay_agent_addressパラメータを省略した場合,本装置リレーエージェント機能は最後に登録したこのIPアドレスをリレーエージェントアドレスとして適用します。(注1)
4 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。

(注1)
変更後,show dhcp giaddrコマンド実行時,表示されるIPアドレスが170.1.1.1となっていることを確認してください。

入力コマンド:show dhcp giaddr Department1
(「運用コマンドレファレンス Vol.2 show dhcp giaddr」参照)
表示されるIPアドレスが170.1.1.1となっていない場合は,<変更例2>に従ってコンフィグレーション変更を行ってください。

<変更例2>
<変更例2>では,DHCP/BOOTPクライアントが接続されているインタフェースのIP定義を一度すべて削除し,DHCP/BOOTPクライアントが接続されているIPアドレス以外のIPアドレスを定義後,DHCP/BOOTPクライアントが接続されているIPアドレスを最後に定義することにより本装置で適用されるリレーエージェントアドレスを170.1.1.1とする方法を示しています。なお,この変更を実施するとDHCP/BOOTPクライアント接続インタフェースの運用を一時的に停止することになります。

[コマンドによる設定]

<本装置A>
 1    (config)# delete relay-interface Department1
 2    (config)# line Department1 ethernet 0/0
      [line Department1]
 3    (config)# delete ip
      [line Department1]
 4    (config)# ip 170.2.2.1/24
      [line Department1]
 5    (config)# ip-address 170.3.3.1/24
      [line Department1]
 6    (config)# ip-address 170.1.1.1/24
      [line Department1]
 7    (config)# exit
 8    (config)# relay-interface Department1 relay_group RedGroup

表8-21 本装置Aのコンフィグレーション解説

解説番号 解説
1 インタフェース名Department1に設定しているリレーインタフェースを削除します。
2 NIF番号0,Line番号0にインタフェース名Department1のイーサネットインタフェースを定義します。
lineモードに移行します。
3 インタフェース名Department1に設定しているIPアドレスをすべて削除します。
4 インタフェース名Department1にIPアドレス170.2.2.1/24を設定します。
5 インタフェース名Department1にIPアドレス170.3.3.1/24をマルチホーム設定します。
6 インタフェース名Department1にIPアドレス170.1.1.1/24をマルチホーム設定します。
relay_agent_addressパラメータを省略した場合,本装置リレーエージェント機能は最後に登録したこのIPアドレスをリレーエージェントアドレスとして適用します。
7 lineモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
8 リレーグループ名RedGroupをインタフェース名Department1に設定します。

[コンフィグレーションの表示]

<本装置A>
line Department1 ethernet 0/0
  ip 170.2.2.1/24
  ip-address 170.1.1.1/24
  ip-address 170.3.3.1/24
!
relay-list 1 170.10.10.10
relay-group RedGroup 1
relay-interface Department1 relay_group RedGroup

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