コンフィグレーションガイド
- <この項の構成>
- (1) 設定内容の概要
- (2) 構成図と設定条件
- (3) コンフィグレーション例
(1) 設定内容の概要
片線切れ等によりループが発生する場合でも,ループの発生を回避するループガードの設定例を示します。
(2) 構成図と設定条件
- [構成図]
図7-13 構成図
- [設定条件]
- 本装置A,本装置B,本装置CにポートVLANを設定します。
- 各装置にシングルスパニングツリーをIEEE802.1wで動作するように設定します。
- 本装置Aをルートブリッジにするために,本装置Aのブリッジ優先度を高く設定します。
- 本装置A,本装置B,本装置Cに関してエッジポート(サーバやPCに接続したポート)以外のすべてのポートにループガード機能を設定します。
- [注意事項]
- ループガード設定後,装置起動,系切替,ポートのUP(リンクアグリゲーションのUPも含む),スパニングツリープログラムの再起動,またはスパニングツリープロトコルの種別変更(STP/高速STP,PVST+/高速PVST+)が発生すると,一度ループガード動作状態となりポートをブロックします。その後,BPDUを受信することでループガード動作状態が解除されます。
- 指定ポートだけにループガードを設定して運用しないでください。1.に列挙したイベント発生時に,指定ポートはBPDUを受信しない場合があります。その場合,ループガード動作状態の解除に時間がかかります。解除するためには,対向装置のポートでBPDU受信タイムアウトを検出したことによるBPDUの送信を待つ必要があります。このような状態とならないように,本装置と対向装置の両ポートでループガードを設定してください。
また,両ポートにループガードを設定した場合でも,指定ポートでBPDUを一度も受信しないで,ループガードの解除に時間がかかることがあります。具体的には,対向ポートが指定ポートとなるようにブリッジやポートの優先度,パスコストを変更した場合です。対向ポートでBPDUタイムアウトを検出し,ループガードが動作します。このポートが指定ポートになった場合,BPDUを受信しないことがあり,ループガードの解除に時間がかかることがあります。
- 運用中にループガードを設定したタイミングではループガードは動作しません。運用中に設定したループガードは,BPDUの受信タイムアウトが発生した時に動作します。
- 本装置と対向装置のポート間にBPDUを中継しない装置が存在し,かつポートの両端にループガードを設定した状態でポートがリンクアップした場合,両端のポートはループガードが動作したままとなります。復旧するには,ポート間に存在する装置のBPDU中継機能を有効にし,再度ポートをリンクアップさせる必要があります。
(3) コンフィグレーション例
- [コマンドによる設定]
- <本装置A>
1 (config)# spanning-tree-system [spanning-tree-system] 2 (config)# link-type point-to-point 0/0,1/0 [spanning-tree-system] 3 (config)# loop-guard 0/0,1/0 [spanning-tree-system] 4 (config)# exit 5 (config)# spanning-tree single [spanning-tree single] 6 (config)# protocol rstp [spanning-tree single] 7 (config)# bridge-priority 16384 [spanning-tree single] 8 (config)# exit表7-18 本装置Aのコンフィグレーション解説
解説番号 解説 1,2 IEEE802.1wベースで運用するために,スパニングツリーシステム情報として,回線(ポート0/0と1/0)のリンクタイプをPoint-to-pointに設定します。 3 ポート0/0,1/0に関してループガード機能を設定します。 4 spanning-tree-systemモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 5 シングルスパニングツリーを定義します。 6 当該ツリーはIEEE802.1wプロトコルで動作するように設定します。 7 ブリッジ優先度(値が小さいほど高優先度)を32768(デフォルト値)から16384に変更します。その結果,本装置Aがルートブリッジとなります。 8 spanning-treeモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
- <本装置B>
1 (config)# spanning-tree-system [spanning-tree-system] 2 (config)# link-type point-to-point 0/0,1/0 [spanning-tree-system] 3 (config)# loop-guard 0/0,1/0 [spanning-tree-system] 4 (config)# exit 5 (config)# spanning-tree single [spanning-tree single] 6 (config)# protocol rstp [spanning-tree single] 7 (config)# exit表7-19 本装置Bのコンフィグレーション解説
解説番号 解説 1,2 IEEE802.1wベースで運用するために,スパニングツリーシステム情報として,回線(ポート0/0と1/0)のリンクタイプをPoint-to-pointに設定します。 3 ポート0/0,1/0に関してループガード機能を設定します。 4 spanning-tree-systemモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 5 シングルスパニングツリーを定義します。 6 当該ツリーはIEEE802.1wプロトコルで動作するように設定します。 7 spanning-treeモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
- <本装置C>
1 (config)# spanning-tree-system [spanning-tree-system] 2 (config)# link-type point-to-point 0/0-1 [spanning-tree-system] 3 (config)# loop-guard 0/0-1 [spanning-tree-system] 4 (config)# exit 5 (config)# spanning-tree single [spanning-tree single] 6 (config)# protocol rstp [spanning-tree single] 7 (config)# exit表7-20 本装置Cのコンフィグレーション解説
解説番号 解説 1,2 IEEE802.1wベースで運用するために,スパニングツリーシステム情報として,回線(ポート0/0と0/1)のリンクタイプをPoint-to-pointに設定します。 3 ポート0/0,0/1に関してループガード機能を設定します。 4 spanning-tree-systemモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 5 シングルスパニングツリーを定義します。 6 当該ツリーはIEEE802.1wプロトコルで動作するように設定します。 7 spanning-treeモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
- [コンフィグレーションの表示]
- <本装置A>
spanning-tree-system link-type point-to-point 0/0 link-type point-to-point 1/0 loop-guard 0/0 loop-guard 1/0 ! spanning-tree single protocol rstp bridge-priority 16384
- <本装置B>
spanning-tree-system link-type point-to-point 0/0 link-type point-to-point 1/0 loop-guard 0/0 loop-guard 1/0 ! spanning-tree single protocol rstp
- <本装置C>
spanning-tree-system link-type point-to-point 0/0-1 loop-guard 0/0-1 ! spanning-tree single protocol rstp
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