解説書 Vol.2

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6.1 VRRP概説

VRRPを使用すると,同一イーサネット上の複数のルータから構成される仮想的なルータを定義できます。デフォルトゲートウェイとしてこの仮想ルータを設定しておくことによって,ルータに障害が発生したときの別ルータへの切り替えを意識することなく,通信を継続できます。

<この節の構成>
(1) VRRPでサポートしている項目

(1) VRRPでサポートしている項目

VRRPでサポートしている項目を次の表に示します。

表6-1 VRRPでサポートしている項目

項目 内容
対象インタフェース イーサネット,VLAN
対象プロトコル IPv4,IPv6
装置当たりの仮想ルータ最大数 255※1
インタフェース当たりの仮想ルータ最大数 255※2※3
仮想ルータ当たりのIPアドレス数 1
パケット認証方式 なし
テキストパスワード
IP認証ヘッダ
優先度制御
自動切り戻し(Preempt Mode) ○ (on/offで設定する)
アクセプトモード(Accept Mode) ○ (on/offで設定する)
制御パケット送信間隔 1〜255秒の範囲で指定できます。
装置切り替え時間 4秒※4

(凡例) ○:サポートしている −:サポートしていない

注※1 
スタティック経路の動的監視機能で監視対象の隣接ルータを200以上設定する場合,最大数は2分の1となります。

注※2 
仮想ルータが使用するMACアドレスは仮想ルータごとに自動的に割り当てられます。

注※3 
AX7800Sの場合,搭載されているNIF種別については,最大数の255まで登録できません。定義不可能なNIFについては,「6.12 VRRP使用時の注意事項 (13) 仮想ルータID(VRID)」を参照してください。
AX5400Sの場合,搭載されているBSU種別については,最大数の255まで登録できません。定義不可能なBSUについては,「6.12 VRRP使用時の注意事項 (13) 仮想ルータID(VRID)」を参照してください。

注※4 
制御パケットの送信間隔が1秒(デフォルト)の場合の装置切り替え時間。
IPv4およびvirtual-routerのパラメータで「ietf-ipv6-spec-01-mode」を指定したときの装置の切り替え時間は(パケット送信間隔×3+1)秒になります。virtual-routerのパラメータで「ietf-ipv6-spec-07-mode」を指定した場合,装置切り替え時間の計算方法は(パケット送信間隔×3 + (((256 - 優先度)×パケット送信間隔)÷256))に変更になります。エンド−エンド間の通信再開には,通信経路上のルータ装置で経路情報の再計算時間を含める必要があります。

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