解説書 Vol.2
レイヤ3冗長切替機能は,2台のスイッチが同一のIPアドレスとMACアドレスを引き継いで切り替えることでPCなどからのデフォルトゲートウェイを経由した通信を継続できるようにします。
GSRPレイヤ3冗長切替機能の概要を次に示します。なお,ここではPCなどを接続するネットワークを下流ネットワークと呼び,そこからIP中継する先のネットワークを上流ネットワークと呼びます。GSRPのマスタ/バックアップ切り替えは下流ネットワーク側に反映します。
- <この項の構成>
- (1) デフォルトゲートウェイのIPアドレス
- (2) デフォルトゲートウェイのMACアドレス
GSRPで冗長化するデフォルトゲートウェイのIPアドレスは,2台のGSRPスイッチで同じVLANに同じアドレスを設定します。マスタ状態のGSRPスイッチはVLANがアップ状態となり,デフォルトゲートウェイとしてIP中継を行います。バックアップ状態のGSRPスイッチのVLANはダウン状態となりIP中継を行いません。
GSRPで冗長化するデフォルトゲートウェイのMACアドレスはGSRPのプロトコル専用の仮想MACアドレスを使用します。仮想MACアドレスは,VLANグループ番号ごとに異なるアドレスを使用します。
マスタ状態の装置は,下流のLANスイッチに仮想MACアドレスを学習させるために,仮想MACアドレスを送信元MACアドレスとしたGSRP制御フレームを定期的に送信します。
GSRPで使用する仮想MACアドレスを以下に示します。
VLANグループ番号が8以下の場合は,次に示す方法で仮想MACアドレスを生成します。
図5-9 GSRPレイヤ3冗長切替機能の仮想MACアドレスの生成方法(VLANグループ番号が8以下)
表5-5 GSRPレイヤ3冗長切替機能の仮想MACアドレスの生成方法(VLANグループ番号が8以下)
項目 値 GSRP ID GSRP ID 1〜4に対し,0〜3の値を設定します。レイヤ3冗長切替機能では,GSRP IDは1〜4の値である必要があります。 VLANグループ番号 VLANグループ番号1〜8に対し,0〜7の値を設定します。 固定(3ビット) 最下位3ビットは7固定とします。 VLANグループ番号が9以上の場合は,00:00:87:58:13:11〜00:00:87:58:13:99の範囲の仮想MACアドレスを,VLANグループ番号 9〜128に順番に割り当てます。
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