解説書 Vol.2

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1.5 マーカー

マーカーは,Tag-VLANヘッダ内のユーザ優先度およびIPヘッダ内のDSCPを書き換える機能です。この節で説明するマーカーの位置づけを次の図に示します。

図1-12 マーカーの位置づけ

[図データ]

<この節の構成>
(1) DSCP書き換え
(2) ユーザ優先度書き換え

(1) DSCP書き換え

検出したフローのTOSフィールド(IPv4ヘッダ)またはトラフィッククラスフィールド(IPv6ヘッダ)の上位6ビットを書き換えます。ユニキャスト,およびマルチキャストパケットに対して,入力側と出力側でDSCP値の書き換えができます。

この機能を利用することによって,検出したフローのユーザ優先度をDSCP値に対応づけることができます。例えば,ユーザ優先度が7のフローに対してDSCPを63に設定できます。

また,帯域監視機能ブロックからの指示によって,最低帯域を超えたフローのDSCPを書き換えることができます。例えば最低帯域を超えたフローに対して,DSCPを0に設定できます。

なお,DSCPへの書き換えは,レイヤ3中継の送受信側およびレイヤ2中継の受信側で動作します。

DSCP書き換えを行わない場合,レイヤ2中継およびレイヤ3中継では受信時のDSCPで送信します。

(2) ユーザ優先度書き換え

検出したフローのTag-VLANヘッダ内にあるユーザ優先度を書き換えます。ユニキャスト,およびマルチキャストフレームに対して,入力側と出力側でユーザ優先度の書き換えができます。ユーザ優先度は次の図に示すように,VLANタグ情報フィールドの先頭の3ビットを指します。

図1-13 Tag-VLANのヘッダフォーマット

[図データ]

この機能を利用することによって,検出したフローのDSCP値をユーザ優先度に対応付けることができます。例えば,DSCPが63のフローに対してユーザ優先度を7に設定できます。

なお,ユーザ優先度の書き換えを使用することなく,受信したTag-VLANパケットを別のVLAN IDを持つTag-VLANへ中継すると,出力するパケットのユーザ優先度はデフォルトの0となります。

また,ユーザ優先度の書き換えを使用せずにレイヤ2中継を行った場合,受信時のユーザ優先度で送信します。レイヤ3中継を行った場合,ユーザ優先度はデフォルトの0に書き換えます。

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