解説書 Vol.2

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1.4 帯域監視機能(UPC機能)

帯域監視機能(UPC機能)は,フロー検出機能で検出したフローの帯域を監視する機能です。この節で説明する帯域監視の位置づけを次の図に示します。

図1-7 帯域監視機能の位置づけ

[図データ]

この機能は,フロー検出機能が検出したフローの帯域をパケット長(次の表を参照してください)を用いて監視し,あらかじめ設定した監視帯域以上のパケットにペナルティを科す機能です。

表1-10 回線種別ごとでの帯域監視の対象とするパケット長

回線種別 帯域監視の対象とするパケット長
イーサネット MACアドレスからFCSまで
POS【AX7800S】 PPPヘッダからFCSまで

監視帯域内として中継するパケットを「遵守パケット」,監視帯域以上としてペナルティを科すパケットを「違反パケット」といいます。

違反パケットに科されるペナルティは,最大帯域制御を用いた場合には,パケットを廃棄します。最低帯域監視を用いた場合には,キューイング優先度の変更,パケットのユーザ優先度の変更,またはパケットのDSCP値の変更をして,次に説明するマーカーへ指示を出します。

帯域監視機能は,設定される監視帯域値とバーストサイズに基づいて,各フローの帯域監視を行います。監視帯域値とは,そのフローの中継を許可する,一定時間の平均帯域です。バーストサイズとは,監視トラフィックの一時的な揺らぎを許容するための値で,平均帯域を超過して遵守パケットと判定される最大バイト数です。

フロー検出で検出したパケットが監視帯域を遵守しているか違反しているかの判定には,次の図に示すように水の入った穴の開いたバケツをモデルとする,Leaky Bucketアルゴリズムを用いています。

バケツからは監視帯域分の水が漏れ,パケット送受信時にはパケット長分の水が注ぎ込まれます。例えば,最大帯域制御の場合,バケツからは,指定した監視帯域分の水が漏れ,パケット送受信時にはパケット長の水が注ぎ込まれます(図の左側の例)。水が注ぎ込まれる際にバケツがあふれていると,受信パケットを廃棄する違反パケットのペナルティを科します(図の右側の例)。あふれていない場合には中継します。水が一時的に多量に注ぎ込まれたときに許容できる量,すなわちバケツの深さがバーストサイズに対応します。

図1-8 Leaky Bucketアルゴリズムのモデル

[図データ]

バーストサイズのデフォルトは3000バイトですが,より帯域の揺らぎが大きいトラフィックの遵守パケットを中継する際には,回線のMTU長以上のバイト数で使用してください。

<この節の構成>
1.4.1 重要パケット保護機能
1.4.2 UPC-RED

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