解説書 Vol.2

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1.3 フロー検出

フロー検出は,パケットの一連の流れであるフローをIPヘッダやTCPヘッダなどの条件に基づいて検出する機能です。この節で説明するフロー検出の位置づけを次の図に示します。

図1-4 フロー検出の位置づけ

[図データ]

本装置がサポートするフロー検出条件を次の表に示します。

表1-3 フローの検出条件

ヘッダ
種別
設定項目 レイヤ2スイッチ中継パケット IPv4中継パケット IPv6中継パケット 項目設定
右記以外 IPv4 IPv6
MAC 送信元MACアドレス ※1 ※1 MACアドレスを単一指定,またはマスク指定できます。
宛先MACアドレス ※1 ※1 MACアドレスを単一指定,またはマスク指定できます。
イーサネットタイプ
(0x0800,0x86dd以外)

(0x0800)

(0x86dd)
※1
(0x0800)
※1
(0x86dd)
IPv4,IPv6,IPXなどのプロトコル種別を指定します。
ユニキャストフラッディングフレーム識別子 ※1 ※1 フラッディングされたフレームのうち,宛先MACアドレスがユニキャストアドレスのフレームを検出します。出力側だけ指定できます。
Tag-VLAN VLAN ID ※1 ※1 VLAN番号
ユーザ優先度 優先度情報。ソフトウェア中継2時入力側で書き換えたユーザ優先度を出力側で検出できません。
IP IPユーザデータ長 IPユーザデータの上限値または下限値
上位プロトコル TCP,UDPなどを示す番号
送信元IPアドレス アドレスを単一指定,範囲指定,またはサブネット指定できます。3
宛先IPアドレス アドレスを単一指定,範囲指定,またはサブネット指定できます。3
DSCP TOSフィールドまたはトラフィッククラスフィールドの上位6ビット
プレシデンス TOSフィールドまたはトラフィッククラスフィールドの上位3ビット
フラグメント識別子 2番目以降のフラグメントパケットを検出します。
TCP 送信元ポート番号 送信元ポート番号を単一指定,または範囲指定できます。
宛先ポート番号 宛先ポート番号を単一指定,または範囲指定できます。
ACKフラグ ACKフラグが1のパケットを検出します。
SYNフラグ SYNフラグが1のパケットを検出します。
UDP 送信元ポート番号 送信元ポート番号を単一指定,または範囲指定できます。
宛先ポート番号 宛先ポート番号を単一指定,または範囲指定できます。
ICMP ICMPタイプ Echo Request/Echo Reply/Destination Unreachableなどを示す番号
ICMPコード Net UnreachableなどのICMPタイプに対する詳細コードを示す番号
ICMPv6 ICMPv6タイプ Echo Request/Echo Reply/Destination Unreachableなどを示す番号
ICMPv6コード 不明なIPv6オプションなどのICMPv6タイプに対する詳細コードを示す番号
IGMP IGMPタイプ Membership Queryなどを示す番号

(凡例) ○:該当する −:該当しない

注※1
出力側のインタフェースで,送信元MACアドレス,宛先MACアドレス,イーサネットタイプ,およびVLAN IDでIPv4,IPv6中継パケットを検出することはできません。

注※2
ARP未解決,NDP未解決,IPオプション付き,MTUオーバ検出のパケットです。

注※3
コンフィグレーションコマンドflow qosのpd_prefix指定時は,IPv6 DHCPサーバ機能によって,指定したインタフェースで配布するプレフィックスアドレスでのフロー検出ができます。なお,プレフィックスの配布・未配布とは連携しないで,コンフィグレーションに設定したプレフィックスアドレスを該当フローリスト情報に自動設定します。

本装置は,イーサネットタイプとしてイーサネットV2形式と,IEEE802.3のSNAP/RFC1042形式のイーサネットフレームのイーサネットタイプを検出できます。イーサネットタイプの位置を次の図に示します。

図1-5 イーサネットタイプの位置

[図データ]

ユニキャストフラッディングフレーム識別子(unicast_flood)は,本装置がフラッディングしたフレームのうち,宛先MACアドレスがユニキャストアドレスのフレームを検出するための条件です。フラッディングとは,フレームを受信した物理ポートを除く同一VLAN内の全ポートへ,フレームを転送する動作です。このフラッディングが頻繁に発生すると,フラッディングフレームが回線帯域を消費するため,通常通信の帯域が圧迫されるという問題が出てきます。そこでフロー検出機能と帯域監視機能を連携させて,検出したフラッディングフレームの出力量を制限することで,この問題を回避できます。

<この節の構成>
1.3.1 フロー検出機能の運用について

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