運用コマンドレファレンス Vol.1
[機能]
イーサネット回線を利用した通信に異常が発生した場合の障害発生部位切り分けと,障害部品(ケーブルなど)交換後のフレーム単位の動作確認(回線テスト)をします。回線テストの種別を「表17-33 回線テスト種別」に示します。なお,回線テストを実行するには,当該回線を設定しておく必要があります。
回線テストは,closeコマンドで回線を閉塞してから実行してください。なお,回線テストの詳細は,「運用ガイド 9.7 回線をテストする」を参照してください。
表17-33 回線テスト種別
テスト対象回線種別 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T 1000BASE-X 10GBASE-R 10GBASE-W モジュール内部ループバックテスト ○ ○ ○ ○ ループコネクタループバックテスト ○ ○ ○ ○ ネットワークラインループバックテスト × × × ○ ○:実行可,×:実行不可
[入力モード]
一般ユーザモードおよび装置管理者モード
[入力形式]
test interfaces nif <NIF No.> line <Line No.> {internal | connector} [auto_negotiation {10base-t | 100base-tx | 1000base-t}] [interval <Interval Time>] [pattern <Test Pattern No.>] [length <Data Length>] test interfaces nif <NIF No.> line <Line No.> network-line
[パラメータ]
- nif <NIF No.>
- NIF番号を指定します。指定できるNIF番号の値の範囲は,「パラメータに指定できる値」を参照してください。
- line <Line No.>
- Line番号を指定します。指定できるLine番号の値の範囲は,「パラメータに指定できる値」を参照してください。
- internal
- モジュール内部ループバックテストを指定します。
- モジュール内部ループバックテスト実行中はトランシーバの抜き差しを行わないでください。
- connector
- ループコネクタループバックテストを指定します。
- ループコネクタループバックテストを実行する場合は,ループコネクタの接続または接続相手が10GBASE-Wの場合は,接続相手側でネットワークラインループバックテストを実施してください。
- 後述の[注意事項]4.を参照してください。
- network-line
- ネットワークラインループバックテストを指定します。
- 受信データの折り返し指定だけをするためテスト結果表示はありません。接続相手側でループコネクタループバックテストを実行すると,回線テストが開始されます。
- auto_negotiation {10base-t | 100base-tx | 1000base-t}
- コンフィグレーションのLine情報にtypeサブコマンドの自動認識を指定し,回線テストを行う場合のセグメント規格を指定します。省略時は100base-txとなります。
- typeサブコマンドに自動認識以外を指定した場合は,本パラメータは指定できません。Line種別が10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tの場合だけ指定できます。
- また,NIF略称ごとに指定できるauto_negotiationパラメータ指定値を次の表に示します。
表17-34 NIF略称ごとに指定できるauto_negotiationパラメータ指定値
NIF略称 auto_negotiationパラメータ値 10base-t 100base-tx 1000base-t NE1G-12TA ○ ○ ○ NE1G-48T ○ ○ ○ NE1G-12SA − − − NE1G-6GA − − − NEMX-12 ○※ ○※ ○※ NE1GSHP-4S − − − NE1GSHP-8S − − − NE10G-1ER − − − NE10G-1RX − − − NE10G-1RXA − − − NE10G-1LW − − − NE10G-1EW − − − RB2-10G4RX − − − RE1-10G4RX − − − (凡例) ○:指定可,−:指定不可
注※ 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tの回線だけauto_negotiationパラメータが指定できます。
- interval <Interval Time>
- 指定した秒数だけ送信間隔を空けます。指定値の範囲は1〜30の10進数です。省略時の送信間隔は1秒です。
- pattern <Test Pattern No.>
- テストのパターン番号を指定します。省略時のテストパターン番号は3です。指定値の範囲は0〜4です。
- 0:テストパターン1から4までを順に繰り返す。
- 1:all 0xff
- 2:all 0x00
- 3:
- ”** THE QUICK BROWN FOX JUMPS OVER THE LAZY DOG.0123456789 **”パターン繰り返し
- 4:NIFデータ化け検出パターン
- length <Data Length>
- テストで使用するフレームのデータ長(MACヘッダ,LLCヘッダ,FCSを除いたもの)をオクテットで指定します。指定値の範囲は次の表のとおりです。
表17-35 テスト種別ごとの指定値の範囲
テスト種別 データ長(オクテット) 省略時(オクテット) モジュール内部ループバックテスト 43〜1497 500 ループコネクタループバックテスト 43〜9575※ 500 注※ auto_negotiationパラメータに10base-tを指定した場合は43〜1497となります。
[実行例]
イーサネットのNIFボードでの回線テストの開始画面を次の図に示します。NIF番号1,Line番号2に,テストパターンがオール0xffでデータ長が100オクテットのフレームを5秒間隔で送信するモジュール内部ループバックテストを開始します。
図17-15 回線テスト開始画面
> test interfaces nif 1 line 2 internal interval 5 pattern 1 length 100
[ユーザ通信への影響]
あり
[応答メッセージ]
表17-36 test interfacesコマンドのメッセージ一覧
メッセージ 内容・対策 Can't execute this command in standby BCU. このコマンドは待機系BCU上では実行できません。 Illegal NIF -- <NIF No.>. NIF番号が範囲外です。<NIF No.> Nif番号 Illegal Line -- <Line No.>. Line番号が範囲外です。<Line No.> Line番号 Illegal data length -- <DataLength>. テストデータ長が範囲外です。<DataLength> テストデータ長 No support test type -- <Test type>. 指定NIFで指定テスト種別はサポートしていません。<Test type> テスト種別名 Not auto negotiation Line <Line No.>. 指定Lineはオートネゴシエーションではありません。<Line No.> Line番号 No support auto negotiation parameter. 指定NIFまたは指定Lineでオートネゴシエーションパラメータはサポートしていません。 No support auto negotiation type -- <Autonego Type> 指定NIFで指定オートネゴシエーションタイプはサポートしていません。<Autonego Type> オートネゴシエーションタイプ Test already executing. 回線テスト中です。 Not start condition. テストを開始できる状態ではありません。 Not operational NIF <NIF No.>. 指定NIFは運用状態ではありません。<NIF No.> NIF番号 Disconnected NIF <NIF No.>. 指定NIFは実装されていません。<NIF No.> NIF番号 Disconnected or no configuration Line <Line No.>. 指定Lineは未実装か未設定です。<Line No.> Line番号 Not operational Line <Line No.>. 指定Lineは運用状態ではありません。<Line No.> Line番号 Socket open error. ソケット生成に失敗しました。 Can't execute. コマンドを実行できません。
[注意事項]
- ループコネクタの抜き差しは回線の閉塞中に行ってください。
- 回線テストスタート後は,回線テストストップが発行されるまで回線テストを繰返し実行します。
- auto_negotiationパラメータの1000base-tを指定し,ループコネクタループバックテストを行う場合にはカテゴリ5以上で8芯4対のループコネクタが必要です。
- 以下の回線種別でループコネクタループバックテストを行う場合には,光アッテネータ(光減衰器)が必要です。光アッテネータを使用するときの光の減衰については「表17-37 光の減衰」を参照してください。
- 1000BASE-LH
- 1000BASE-LHB
- 10GBASE-ER
- 10GBASE-EW
- 10GBASE-ZR
表17-37 光の減衰
No 回線種別 減衰値(db) 1 1000BASE-LH 5〜22 2 1000BASE-LHB 17〜36 3 10GBASE-ER 5〜11 4 10GBASE-EW 5〜11 5 10GBASE-ZR 15〜24 - シェーパ付きSFP(NE1GSHP-4S,NE1GSHP-8S)の場合,データ長を1980オクテット以上指定しても1979オクテットで回線テストを実施します。
- 回線テストは1回線ずつ実施してください。
- 回線テストスタート前に下記コマンドを実行して,Priority(Queue)=1の情報を確認してください。
show qos queueing cp from-nif
show qos queueing nif <NIF No.> to-pru inbound
show qos queueing nif <NIF No.> to-cp
また,NIF種別がNE1GSHP-8Sの場合には,以下のコマンドも実行してください。
show qos queueing nif <NIF No.> from-csw
Priority(Queue)=1において,
Qlenの値 > Limit_Qlenの値−10
となっているコマンドが一つでもある状態で回線テストを実行すると,回線テストストップ時にIn monitor time outがカウントされる場合があります。
また,NIF種別がNE1G-48Tの場合には,下記コマンドを実行して,discard_pktが0となっていることを確認してください。
show qos queueing nif <NIF No.> line <Line No.> common
discard_pktが0以外の値の状態で回線テストを実行すると,回線テストストップ時にIn monitor time outがカウントされる場合があります。
なお,show qos queueingコマンドについては,「運用コマンドレファレンス Vol.2 show qos queueing」を参照してください。
- network-lineパラメータを指定した場合は,以下のパラメータは指定できません。
・auto_negotiation
・interval
・pattern
・length
- シェーパ付きSFP(NE1GSHP-4S,NE1GSHP-8S)で回線テストを実施する場合,当該回線に対し,デフォルトのアグリゲートキューを設定してから実施してください。
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