解説書 Vol.1

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18.9.3 BGP4使用時の注意事項

<この項の構成>
(1) 同一AS番号を持つVPNサイト間の接続
(2) ローカル・サイトの経路とリモート・サイトの経路の優先度

(1) 同一AS番号を持つVPNサイト間の接続

VPNサイトとの接続にBGP4を使用する場合,エッジルータとサイト内ルータは外部ピアだけで接続できます。このため,リモートのVPNサイトにBGP4で広告するVPN経路のASPATH属性にはVPNサイトのAS番号が追加されます。リモートのVPNサイトで同一のAS番号を使用している場合,該当する経路はASループになり有効な経路として取り扱われません。本装置では,VPNサイトに広告するVPN経路のASPATH属性上の先頭AS番号を自装置のAS番号で上書きする(bgpコマンドのas-overrideパラメータ)ことができます。同一のAS番号を持つVPNサイトとの接続にBGP4を使用する場合は,AS番号の上書き指定を定義してください。

(2) ローカル・サイトの経路とリモート・サイトの経路の優先度

ローカル・サイトとリモート・サイトを収容するエッジルータより同一宛先のBGP経路を学習した場合,デフォルトではローカル・サイトより学習した経路が優先されます。両経路の優先度制御は第2プリファレンス(preference2)によって行われ,第2プリファレンスの値が小さいBGP経路が優先されます。

第2プリファレンスは経路を学習するサイトとのBGPピアパラメータ(コンフィグレーション)で変更できます。ただし,リモート・サイトから学習したBGP経路の第2プリファレンスは,BGPピアパラメータで設定された第2プリファレンス+1の値となります。

リモート・サイトから学習したBGP経路を優先したい場合は,ローカル・サイトとのBGPピアパラメータの第2プリファレンスがリモート・サイトとのBGPピアパラメータの第2プリファレンス+1より大きい値になるように設定してください。

両経路の優先度制御をBGPの経路選択基準に基づいて行いたい場合は,ローカル・サイトとのBGPピアパラメータの第2プリファレンスがリモート・サイトとのBGPピアパラメータの第2プリファレンス+1の値になるように設定してください。

BGPピアパラメータの第2プリファレンスによるBGP経路の優先度制御を次の表に示します。

表18-5 BGPピアパラメータの第2プリファレンスによるBGP経路の優先度制御

BGPピアパラメータの第2プリファレンスの設定値 優先するBGP経路
リモート・サイトから
学習するBGPピア
ローカル・サイトから
学習するBGPピア
省略 省略 ローカル・サイトから学習した経路
省略 2〜255 リモート・サイトから学習した経路
2〜255 省略 ローカル・サイトから学習した経路
3〜255 左記より小さい値(2〜254) ローカル・サイトから学習した経路
2〜255 左記と同じ値(2〜255) ローカル・サイトから学習した経路
2〜254 左記の値+1の値(3〜255) BGPの経路選択基準によって経路選択される
2〜253 左記の値+1より大きい値(4〜255) リモート・サイトから学習した経路

 

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