解説書 Vol.1
- <この項の構成>
- (1) 同一AS番号を持つVPNサイト間の接続
- (2) ローカル・サイトの経路とリモート・サイトの経路の優先度
VPNサイトとの接続にBGP4を使用する場合,エッジルータとサイト内ルータは外部ピアだけで接続できます。このため,リモートのVPNサイトにBGP4で広告するVPN経路のASPATH属性にはVPNサイトのAS番号が追加されます。リモートのVPNサイトで同一のAS番号を使用している場合,該当する経路はASループになり有効な経路として取り扱われません。本装置では,VPNサイトに広告するVPN経路のASPATH属性上の先頭AS番号を自装置のAS番号で上書きする(bgpコマンドのas-overrideパラメータ)ことができます。同一のAS番号を持つVPNサイトとの接続にBGP4を使用する場合は,AS番号の上書き指定を定義してください。
(2) ローカル・サイトの経路とリモート・サイトの経路の優先度
ローカル・サイトとリモート・サイトを収容するエッジルータより同一宛先のBGP経路を学習した場合,デフォルトではローカル・サイトより学習した経路が優先されます。両経路の優先度制御は第2プリファレンス(preference2)によって行われ,第2プリファレンスの値が小さいBGP経路が優先されます。
第2プリファレンスは経路を学習するサイトとのBGPピアパラメータ(コンフィグレーション)で変更できます。ただし,リモート・サイトから学習したBGP経路の第2プリファレンスは,BGPピアパラメータで設定された第2プリファレンス+1の値となります。
リモート・サイトから学習したBGP経路を優先したい場合は,ローカル・サイトとのBGPピアパラメータの第2プリファレンスがリモート・サイトとのBGPピアパラメータの第2プリファレンス+1より大きい値になるように設定してください。
両経路の優先度制御をBGPの経路選択基準に基づいて行いたい場合は,ローカル・サイトとのBGPピアパラメータの第2プリファレンスがリモート・サイトとのBGPピアパラメータの第2プリファレンス+1の値になるように設定してください。
BGPピアパラメータの第2プリファレンスによるBGP経路の優先度制御を次の表に示します。
表18-5 BGPピアパラメータの第2プリファレンスによるBGP経路の優先度制御
BGPピアパラメータの第2プリファレンスの設定値 優先するBGP経路 リモート・サイトから
学習するBGPピアローカル・サイトから
学習するBGPピア省略 省略 ローカル・サイトから学習した経路 省略 2〜255 リモート・サイトから学習した経路 2〜255 省略 ローカル・サイトから学習した経路 3〜255 左記より小さい値(2〜254) ローカル・サイトから学習した経路 2〜255 左記と同じ値(2〜255) ローカル・サイトから学習した経路 2〜254 左記の値+1の値(3〜255) BGPの経路選択基準によって経路選択される 2〜253 左記の値+1より大きい値(4〜255) リモート・サイトから学習した経路
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