解説書 Vol.1
- <この項の構成>
- (1) OSPF経路のOSPF AS外経路への変換
- (2) VPN経路のコスト値の引き継ぎ
- (3) 同一ルータIDの使用
ローカルのVPNサイトからOSPFで学習したOSPF経路は,MPLS網内ではBGP経路として広告されるため,リモートのVPNサイトではOSPFのAS外経路として広告されます。OSPFネットワークをMPLS-VPN経由で接続する場合は,OSPFネットワークが分断されることに注意してください。
ローカルのVPNサイトからOSPFで学習したVPN経路のコスト値は,メトリックの引き継ぎを指定すると,リモートのVPNサイトに引き継ぐことができます。具体的な設定方法は,「コンフィグレーションガイド 14.4.4 VPNサイト内プロトコル(OSPF:マルチホーム)」を参照してください。
なお,リモートサイトのエッジルータに引き継がれるメトリック値は,OSPF経路では該当する経路のコスト値(経路の生成元からローカルのエッジルータまでのコスト値),OSPF AS外経路(タイプ1)では,該当する経路のコスト値(AS境界ルータからローカルのエッジルータまでのコスト値)+メトリック値(経路の生成元からAS境界ルータまでのメトリック値),OSPF AS外経路(タイプ2)では該当する経路のメトリック値(経路の生成元からAS境界ルータまでのメトリック値)になります。
また,リモートのVPNサイトでは,リモートのエッジルータからサイト内ルータ間の回線コスト値が加算されるので注意してください。
OSPFではOSPFネットワーク内の異なるルータで同一のルータIDを使用した場合,正しい経路が生成されないことがあります。本装置では,VPNサイトごとにローカルのルータIDを付与できます。VPNサイトとの接続にOSPFを使用する場合,ルータIDが重複しないように注意してください。
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