解説書 Vol.1
- <この項の構成>
- (1) LDP
- (2) スタティックLSP
(1) LDP
LDPでは,各LSRが学習したMPLS網内の経路エントリのそれぞれをFECとしてラベルを付与して配布します。これを受信したLSRは,バインディング情報としてすべてのFEC,ラベル,および送信元LSRの情報をいったん内部テーブルに格納します。その後,各FECに対して送信元LSRが経路情報でNext Hopとなっているエントリを取り出して,アクティブなラベル情報としてMPLS転送テーブルに格納し,これを基にMPLS転送を行います。各LSRでこの処理が行われることで,MPLS網の出入口エッジルータ間にLSPが確立します。
これらのことから,LDPの場合のLSP設定契機はMPLS網内経路情報生成時のTopology Drivenだけです。
なお,出口エッジルータは受信したパケットにMPLS網内転送用のラベルを参照する必要はないため,出口エッジルータ直前のLSRで外側Shimヘッダを省略します。これをPHP(Penultimate Hop Popping)と呼びます。具体的にはラベル配布時に,ダイレクト経路にはラベル値としてImplicit Nullを意味する3を割り当てて配布します。PHPとMPLSパケットフォーマットを次の図に示します。
(2) スタティックLSP
スタティックLSPでは,入口エッジルータで特定のFECを指定して,出力ラベルと出力インタフェースをコンフィグレーションで設定します。LSPに沿った各LSRでは,入力ラベルを指定して,出力ラベルと出力インタフェースをコンフィグレーションで設定します。各LSRでこれら設定が行われることで,アクティブなラベル情報としてMPLS転送テーブルに格納し,これを基にMPLS転送を行います。
これらのことから,スタティックLSPの場合のLSP設定契機はコンフィグレーションによるProvisioningだけです。
なお,パケット転送に関しては,LDPと同様です。
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