解説書 Vol.1

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12.2.3 Querierの決定

<この項の構成>
(1) マルチキャストをPIM-DMで動作させた場合
(2) マルチキャストをDVMRPおよびPIM-SMで動作させた場合

(1) マルチキャストをPIM-DMで動作させた場合

IGMPルータはQuerierかNon-Querierのどちらか一方の役割を果たします。同一ネットワーク上に複数のルータが存在する場合,定期的なMembership Queryメッセージを送信するQuerierを決定します。Querierの決定は,同一ネットワーク上に存在するPIM-DMルータから受信したPIM-Helloの送信元IPアドレスと自インタフェースのIPアドレスを比較し,自インタフェースの方が小さければQuerierとして動作します。自インタフェースの方が大きければNon-QuerierとなりMembership Queryは送信しません。この動作によって同一ネットワーク上にQuerierは一つだけ存在することになります。QuerierとNon-Querierの決定を次の図に示します。

図12-5 QuerierとNon-Querierの決定(マルチキャストをPIM-DMで動作させた場合)

[図データ]

[図データ]

Querierになった場合,送信元IPアドレスが自インタフェースより小さいPIM-Helloを受信するまでQuerierとして動作し,Membership Queryを125秒ごとに定期的に送信します。Non-QuerierはQuerierのPIM-Helloを受信することによって監視し,30秒ごとに定期的に送信するPIM-Helloを一定時間(デフォルト値は105秒)受信しなかった場合にQuerierとして動作します。

(2) マルチキャストをDVMRPおよびPIM-SMで動作させた場合

IGMPルータはQuerierかNon-Querierのどちらか一方の役割を果たします。同一ネットワーク上に複数のルータが存在する場合,定期的なMembership Queryメッセージを送信するQuerierを決定します。Querierの決定は,同一ネットワーク上に存在するIGMPルータから受信したMembership Queryの送信元IPアドレスと自インタフェースのIPアドレスを比較し自インタフェースの方が小さければQuerierとして動作します。自インタフェースの方が大きければNon-Querierとなり,Membership Queryは送信しません。この動作によって同一ネットワーク上にはQuerierは一つだけ存在することになります。QuerierとNon-Querierの決定を次の図に示します。

図12-6 QuerierとNon-Querierの決定(マルチキャストをDVMRPおよびPIM-SMで動作させた場合)

[図データ]

[図データ]

Querierになった場合,送信元IPアドレスが自インタフェースより小さいMembership Queryを受信するまでQuerierとして動作し,Membership Queryを定期的(デフォルト値 125秒)に送信します。Non-QuerierはQuerierのMembership Queryを受信することによって監視し,Membership Query受信時Membership Queryの送信元IPアドレスが自インタフェースよりも大きい場合,またはMembership Queryを一定時間(デフォルト値 255秒)受信しなかった場合,Querierとして動作します。

IGMPv3ルータはIGMPv2ルータと同じ方法でQuerierを決定します。

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