解説書 Vol.1

[目次][用語][索引][前へ][次へ]


10.3.2 エキスポート・フィルタ(IS-IS)

エキスポート機能はルータ上で同時に動作しているルーティングプロトコル間で経路情報を再配布します。つまり,学習元プロトコルで学習した経路情報を,配布先プロトコルを使用してそのほかのシステム(ルータ)に広告します。

エキスポート・フィルタでは配布先プロトコルのフィルタリング条件(送出先)と学習元プロトコルのフィルタリング条件(送出経路情報)によって,特定の宛先に特定の経路情報を送出できます。また,配布先プロトコルに依存する付加情報を配布先のフィルタリング条件ごとに指定できます。指定していない場合は,その配布先プロトコルのデフォルトの値になります。

IS-ISでは,配布先のレベルを指定することができます。また,付加情報としてメトリックとメトリック種別を指定できます。詳細は,「10.2.6 IS-IS詳細 (3) 経路広告」を参照ください。なお,複数の配布先フィルタ条件を指定した場合,コンフィグレーションの定義順に検索して最初に一致したフィルタに従います。

なお,配布先プロトコルが,RIPまたはOSPFASEの場合は,「8.6.2 エキスポート・フィルタ(RIP/OSPF)」を参照してください。配布先プロトコルが,BGP4の場合は,「9.4.2 エキスポート・フィルタ(BGP4)」を参照してください。配布先プロトコルが,RIPng,またはOSPFv3の場合は,「14.6.2 エキスポート・フィルタ(RIPng/OSPFv3)」を参照してください。配布先プロトコルが,BGP4+の場合は,「15.4.2 エキスポート・フィルタ(BGP4+)」を参照してください。

指定できる学習元のフィルタリング条件を次の表に示します。

表10-13 学習元プロトコルのフィルタリング条件

学習元プロトコル フィルタリング条件(送出経路情報) 備考
RIP/RIPng 受信インタフェース
送信元ゲートウェイ
経路情報のタグ値
経路情報の宛先ネットワーク
RIP/RIPngで学習された経路情報
OSPF/OSPF6 OSPFドメイン番号
経路情報の宛先ネットワーク
OSPF/OSPFv3で学習された経路情報
OSPFASE/OSPF6ASE OSPFドメイン番号
経路情報のタグ値
経路情報の宛先ネットワーク
OSPF/OSPFv3のAS外経路情報
BGP4/BGP4+ 送信元ピアアドレス
送信元AS番号
送信元ポリシーグループ番号
経路情報のAS_PATH属性
経路情報のORIGIN属性
経路情報のCommunity属性
経路情報の宛先ネットワーク
BGP4/BGP4+で学習された経路情報
IS-IS 学習元レベル
経路情報の経路種別
経路情報のメトリック種別
経路情報の宛先ネットワーク
IS-ISで学習された経路情報
DIRECT インタフェース
経路情報の宛先ネットワーク
直結インタフェースの経路情報
STATIC 送出元インタフェース
経路情報の宛先ネットワーク
スタティックの経路情報
DEFAULT 経路情報の宛先ネットワーク BGP4/BGP4+のDEFAULT経路情報
AGGREGATE 経路情報の宛先ネットワーク 経路集約によって生成された経路情報

[目次][前へ][次へ]


[他社商品名称に関する表示]

Copyright (c)2005, 2011, ALAXALA Networks Corporation. All rights reserved.