解説書 Vol.1

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9.3.3 コミュニティ

本装置では経路情報に付加されたCommunity属性を使用して,経路情報の広告範囲を制限できます。

<この項の構成>
(1) Community属性の種類
(2) インポート・フィルタとCommunity属性の使用例

(1) Community属性の種類

本装置で取り扱うCommunity属性の値は,次の2種類に分けられます。

また,インポート・フィルタ,およびエキスポート・フィルタによって本装置が通知する経路情報に任意のCommunity属性を付加できます。

RFC1997で定義され,本装置で使用できるCommunity属性を「表9-10 本装置で使用できるCommunity属性」に示します。また,Community属性を持つ経路情報の広告範囲を「図9-12 Community属性を持つ経路情報の広告範囲」に示します。

表9-10 本装置で使用できるCommunity属性

Community属性 内容
no-export この経路情報をAS外に広告しません。
no-advertise この経路情報をほかのピアに広告しません。
no-export-subconfed
  • 「通常構成(非コンフィデレーション構成)時」
    この経路情報を外部ピアに広告しません。
  • 「コンフィデレーション構成時」
    この経路情報を他ASを含めたメンバーAS外に広告しません。

注 通常構成ではCommunity属性no-exportとno-export-subconfedは同じ意味を持ちます。コンフィデレーション構成でのcommunity属性の取り扱いは「9.3.6 コンフィデレーション」を参照してください。


図9-12 Community属性を持つ経路情報の広告範囲

[図データ]

(2) インポート・フィルタとCommunity属性の使用例

インポート・フィルタとCommunity属性の使用例を次の図に示します。

図9-13 インポート・フィルタとCommunity属性の使用例

[図データ]

この図で,一つの外部ASに2台のルータ(本装置Aと本装置B)が接続されているものとします。AS外へのトラフィックの負荷分散を考慮し,本装置Cからのトラフィックは本装置Aを経由しAS外に,本装置Dからのトラフィックは本装置Bを経由しAS外に優先して中継するものとします。このような場合,各ルータに次のような設定をすると,負荷分散できるようになります。

  1. 本装置Aから内部ピアに通知する経路情報にCommunity属性aを付加します。
    (エキスポート・フィルタで指定できます)
  2. 本装置Bから内部ピアに通知する経路情報にCommunity属性bを付加します。
    (エキスポート・フィルタで指定できます)
  3. 本装置Cで,受信した経路情報がCommunity属性aを持つ場合,該当する経路情報のプリファレンス値をx(x<y)に設定し,受信した経路情報がCommunity属性bを持つ場合,該当する経路情報のプリファレンス値をy(x<y)に設定します。つまり,本装置Aから通知された経路情報を優先します。
    (インポート・フィルタで指定できます)
  4. 本装置Dで,受信した経路情報がCommunity属性aを持つ場合,該当する経路情報のプリファレンス値をy(x<y)に設定し,受信した経路情報がCommunity属性bを持つ場合,該当する経路情報のプリファレンス値をx(x<y)に設定します。つまり,本装置Bから通知された経路情報を優先します。
    (インポート・フィルタで指定できます)

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