コンフィグレーションガイド

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15.4.1 EFサービスを用いたストリーム系データの完全優先制御

<この項の構成>
(1) 設定内容の概要
(2) 構成図と設定条件
(3) コンフィグレーション例

(1) 設定内容の概要

QoSのコンフィグレーションコマンドを使用してDiff-servのEFサービスに相当するネットワーク構成の例を示します(本装置A側から本装置B方向へ流れるトラフィックに対する例)。

バウンダリノード(Boundaryノード)が送信元IPアドレスに基づきトラフィックを検出します。検出した各トラフィックに適切なDSCP値を与えて,優先度が高いトラフィックから先に転送します。

(2) 構成図と設定条件

[構成図]

図15-11 構成図

[図データ]

[設定条件]

<本装置A>
パケット受信時に送信元IPアドレスによりフローを検出し,DSCP値を決定します。

表15-26 本装置Aの設定条件

インタ
フェース名
inbound
/outbound
送信元
IPアドレス
DSCP
書換え値
契約帯域 違反時 出力優先度 キューイング優先度
routerA1 inbound 128.0.1.10/16 46 30M フレーム廃棄 6 1
その他 0 1 4
routerA2 inbound すべて 0 1 4
パケット送信時にDSCP値によりフローを検出し,出力優先度,キューイング優先度を決定します。

<本装置B>
パケット受信時にDSCP値によりEFの推奨値に従い,出力優先度,キューイング優先度を決定します。

表15-27 本装置Bの設定条件

インタフェース名 inbound/outbound DSCP値 出力優先度 キューイング優先度
routerB1 inbound 46 6 1
0 1 4

(3) コンフィグレーション例

[コマンドによる設定]
 1    (config)# flow qos routerA1 in
      [flow qos routerA1 in]
 2    (config)# list 10 ip 128.0.1.10 any action replace_dscp 46
                priority 6 discard 1 max_rate 30000
      [flow qos routerA1 in]
 3    (config)# list 20 ip any any action replace_dscp 0 priority 1
                discard 4
      [flow qos routerA1 in]
 4    (config)# exit
 5    (config)# flow qos routerA2 in
      [flow qos routerA2 in]
 6    (config)# list 10 ip any any action replace_dscp 0 priority 1
                discard 4
      [flow qos routerA2 in]
 7    (config)# exit
 8    (config)# flow yes

表15-28 本装置Aのコンフィグレーション解説

解説番号 解説
1 インタフェース名称routerA1のinbound(受信側)にQoSフロー情報を設定します。
flow qos inモードに移行します。
2 128.0.1.10のIPアドレスを送信元とするパケットのDSCP書き換え値=46に設定しつつ(EFサービスのMF ClassifierとMarkerとして定義します),契約帯域=30M,出力優先度=6,キューイング優先度=1によりQoS制御をします(BA Classifierとして定義します)。
3 リストに当てはまらなかったすべてのパケットをDSCP書き換え値=0に設定しつつ(MF ClassifierとMarkerとして定義します),出力優先度=1,キューイング優先度=4によりQoS制御をします(BA Classifierとして定義します)。
4 flow qos inモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
5 インタフェース名称routerA2のinbound(受信側)にQoSフロー情報を設定します。
flow qos inモードに移行します。
6 受信するすべてのパケットをDSCP書き換え値=0に設定しつつ(MF ClassifierとMarkerとして定義します),出力優先度=1,キューイング優先度=4によりQoS制御をします(BA Classifierとして定義します)。
7 flow qos inモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
8 フロー制御機能を使用する設定にします。

[コンフィグレーションの表示]
flow yes
flow qos routerA1 in
  list 10 ip 128.0.1.10 any action replace_dscp 46 priority 6 discard 1 max_rate 30000
  list 20 ip any any action replace_dscp 0 priority 1 discard 4
flow qos routerA2 in
  list 10 ip any any action replace_dscp 0 priority 1 discard 4

[コマンドによる設定]
 1    (config)# flow qos routerB1 in
      [flow qos routerB1 in]
 2    (config)# list 1 ip any any dscp 46 action priority 6 discard 1
      [flow qos routerB1 in]
 3    (config)# list 2 ip any any dscp 0 action priority 1 discard 4
      [flow qos routerB1 in]
 4    (config)# exit
 5    (config)# flow yes

表15-29 本装置Bのコンフィグレーション解説

解説番号 解説
1 インタフェース名称routerB1のinbound(受信側)にQoSフロー情報を設定します。
flow qos inモードに移行します。
2 DSCP値=46のパケットを出力優先度=6,キューイング優先度=1によりQoS制御をします(EFサービスのMF ClassifierとBA Classifierとして定義します)。
3 DSCP値=0のパケットを出力優先度=1,キューイング優先度=4によりQoS制御をします(BA Classifierとして定義します)。
4 flow qos inモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
5 フロー制御機能を使用する設定にします。

[コンフィグレーションの表示]
flow yes
flow qos routerB1 in
  list 1 ip any any dscp 46 action priority 6 discard 1
  list 2 ip any any dscp 0 action priority 1 discard 4

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