解説書 Vol.2

[目次][用語][索引][前へ][次へ]


5.2 動作概要

<この節の構成>
(1) 制御手順
(2) サポート項目一覧

(1) 制御手順

CP輻輳制御の動作概要手順を次に示します。

  1. コンフィグレーションでCP輻輳制御の動作可否,制御時間,閉塞対象外ポートを設定できます。動作可能に設定すると,CP輻輳制御を開始します。
  2. CP部のフレーム受信キューのあふれを1秒周期で監視します。あふれを検出すると,たまっているキューがどこのポートから受信したものが多いかをチェックし,閉塞対象外ポート※1以外の最大16ポート※2を制御対象に選びます。
  3. 制御対象となったポートは制御時間の間,通信を停止します。制御時間経過後に通信を再開※3し,次の1秒後に該当するポートからの受信で輻輳が発生していなければそのポートを制御対象から外します。輻輳が続いていれば,該当するポートを引き続き制御対象として再度制御時間の間,通信を停止します。
  4. 輻輳が継続する間,上記を繰り返し,断続的に輻輳しているポートの通信停止,通信停止解除を繰り返します※4

注※1
たまっているキューのチェックで受信数の多いポートが閉塞対象外ポートの場合,CP輻輳制御閉塞対象外ポートによる輻輳メッセージ(“CP congestion detected on exception-port.”)を出力します。ただし,メッセージ量が増えないように出力タイミング,出力回数を次のように制限します。
  • 出力タイミング
    CP輻輳メッセージ(“Congestion detected on CP.”)出力からCP輻輳回復メッセージ(“CP recovered from congestion.”)出力までの間
  • 出力タイミング1回当たりの出力回数
    1ポートにつき1回

注※2
閉塞中もCP部のフレーム受信キューあふれを監視して,最大16ポートまで通信を停止します。同時に通信を停止する処理の流れを次の図に示します。

図5-1 同時に通信を停止する処理の流れの例(CP輻輳制御時間が30秒の場合)

[図データ]

注※3
制御時間が経過しなくても,次のイベントが発生した契機で通信を再開します。
  • 運用コマンドno cp congestion-controlを実行した
    コマンドで指定したポートだけ通信を再開します。
  • 回線状態が運用中(正常動作中)から,ほかの状態に変化した
    回線状態が変化したポートだけ通信を再開します。
  • コンフィグレーションコマンドcongestion-controlのcontrol-time(制御時間)パラメータについて設定,変更,または削除した
    通信停止中のすべてのポートで通信を再開します。
  • コンフィグレーションコマンドcongestion-controlのexception-port(閉塞対象外ポート)パラメータについて設定した
    コマンドで指定したポートだけ通信を再開します。
  • コンフィグレーションコマンドcongestion-controlを削除した
    通信停止中のすべてのポートで通信を再開します。
  • 系切替をした
    通信停止中のすべてのポートで通信を再開します。

注※4
断続的に輻輳しているポートの通信停止,通信停止解除を繰り返す場合,CP輻輳制御閉塞メッセージ(“cp congestion-control start.”)およびCP輻輳制御閉塞解除メッセージ(“cp congestion-control end.”)は次の図に示すタイミングで出力します。

図5-2 CP輻輳制御メッセージ出力タイミングの例(CP輻輳制御時間が30秒の場合)

[図データ]

(2) サポート項目一覧

CP輻輳制御のサポート項目一覧を次に示します。

表5-1 CP輻輳制御のサポート項目一覧

項目 サポート内容
制御対象となるポート
  • 装置で動作中の全ポート対象
    ただし,同時に制御対象となるのは最大16ポートまでです。
閉塞対象外となるポート
  • コンフィグレーションコマンドcongestion-controlのexception-portパラメータで指定したポート
通信停止する単位
  • 物理ポート単位
    Tag-VLAN連携の場合は,多重している全VLANの通信が停止します。
    リンクアグリゲーションの場合も通信停止する単位は物理ポート単位です。
通信停止するフレーム
  • 該当ポートの全通信
    ただし,レイヤ2プロトコル制御フレームは対象外です(LACP,LLDPなど)。
  • PPP制御フレームを含む全フレーム(POS回線の場合)
通信停止する時間
  • 10秒〜86400秒,または無限(コンフィグレーションコマンドcongestion-controlのcontrol-timeの時間)
輻輳チェック対象フレーム
  • 制御系ブロードキャスト
  • 制御系マルチキャスト
  • 制御系ユニキャスト
  • 自宛ユニキャスト
    上記を一括で監視します。

[目次][前へ][次へ]


[他社商品名称に関する表示]

Copyright (c)2005, 2011, ALAXALA Networks Corporation. All rights reserved.