解説書 Vol.1

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17.3 トラフィックエンジニアリング

通常のIP経路情報に従った経路選択では,基本的に最短経路を選択するため,特定経路にトラフィックが集中しやすくなる問題があります。ルーティングのメトリック設定によってある程度回避できますが,大規模なネットワークの場合はあらゆる宛先に対してメトリックの整合性を保つことは非常に困難です。

MPLSでは,IP経路情報に従ったLSP設定のほかに,指定ルータを経由するLSPを強制的に設定できます。これを明示的ルーティングまたはExplicit Routeといいます。これによって,多量の特定宛先トラフィックによって特定経路が輻輳するような場合は,該当するトラフィックを強制的に迂回路に経由させるようにして,輻輳を回避できます。このようにトラフィックの分散を図ることで,トラフィックエンジニアリングを実現します。

トラフィックエンジニアリングは,RSVP拡張によって実現できますが,LSP設定をネットワーク運用者が決定するスタティックLSPでも実現できます。

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