解説書 Vol.1
- <この項の構成>
- (1) ARPフレームフォーマット
- (2) ARPフレーム有効性チェック
- (3) ProxyARP
- (4) エージングタイマ
- (5) ARP情報の設定
- (6) ARP情報の参照
本装置が送信するARPフレームのフォーマット,および設定値はRFC826に従います。
本装置は,受信したARPフレームの有効性をチェックします。ARPフレームのチェック内容を次の表に示します。
ARPフレームフィールド チェック内容 フレーム廃棄 ハードウェアタイプ (イーサネットの場合)
ハードウェアタイプ=1(Ethernet)または6(IEEE 802 Networks)であること○ プロトコルタイプ プロトコル=0800H(IP)であること
1000H(Trailer packet)であること※○ ハードウェアアドレス長 チェックしない − プロトコルアドレス長 チェックしない − オペレーションコード オペレーションコード=1(REQUEST),1以外は2(REPLY)と扱う − 送信元ハードウェアアドレス 以下の値ではないこと
- マルチキャストアドレス
- ブロードキャストアドレス
- 自装置ハードウェアアドレスと同じ
○ 送信元プロトコルアドレス 以下の値ではないこと
- マルチキャストアドレス
- 自装置プロトコルアドレスと同じ
- 0.0.0.0
○ 宛先ハードウェアアドレス チェックしない − 宛先プロトコルアドレス
- 自装置のプロトコルアドレスであること
○ (凡例) ○:チェックNGのときフレームを廃棄する −:該当しない
- 注※
- 「Trailer packet」の自発送信は行いませんが,要求のあった場合は応答を返して学習をします。
本装置はイーサネットに接続するすべてのインタフェースでProxyARPを動作させることができます。動作の有無はコンフィグレーションで設定します。本装置は次の条件をすべて満たすARP要求パケットを受信した場合に,宛先プロトコルアドレスの代理としてARP応答パケットを送信します。
- ARP要求パケットの宛先プロトコルアドレスがブロードキャストアドレスではない
- ARP要求パケットの送信元プロトコルアドレスと宛先プロトコルアドレスのネットワーク番号が等しい
- ARP要求パケットの送信元プロトコルアドレスと宛先プロトコルアドレスのサブネットワーク番号が異なる
- ARP要求パケットの宛先プロトコルアドレスがルーティングテーブルにあり到達できる
ARP情報のエージング時間はインタフェースごとに分単位で指定できます。指定値は最小1分で最大65535分です。また,デフォルト値は30分です。
ARPエントリを多数登録する場合は,ARPキャッシュテーブルエージング時間を極端に短くしないでください。
ARPエントリ数と,ARPキャッシュテーブルエージング時間の最短時間の目安を次の表に示します。
表7-5 ARPエントリ数と,ARPキャッシュテーブルエージング時間の最短時間の目安
ARPエントリ数 0〜
5,0005,001〜
25,00025,001〜
55,00055,001〜
75,00075,001〜
100,000100,001〜
131,072
(最大値)最短エージング
時間(分)1 3 5 7 10 15 注 最初の5,000エントリまでは最短1分とし,それ以降は1万エントリを目処に1分延ばしてください。
ARPプロトコルを持たない製品を接続するために,イーサネットの場合MACアドレスとIPアドレスの対応(ARP情報)をコンフィグレーションで設定できます。
運用端末からコマンドでARP情報が参照できます。ARP情報から該当インタフェースのIPアドレスとMACアドレスの対応がわかります。
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