解説書 Vol.1

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7.4.3 ARP

<この項の構成>
(1) ARPフレームフォーマット
(2) ARPフレーム有効性チェック
(3) ProxyARP
(4) エージングタイマ
(5) ARP情報の設定
(6) ARP情報の参照

(1) ARPフレームフォーマット

本装置が送信するARPフレームのフォーマット,および設定値はRFC826に従います。

(2) ARPフレーム有効性チェック

本装置は,受信したARPフレームの有効性をチェックします。ARPフレームのチェック内容を次の表に示します。

表7-4 ARPフレームのチェック内容

ARPフレームフィールド チェック内容 フレーム廃棄
ハードウェアタイプ (イーサネットの場合)
ハードウェアタイプ=1(Ethernet)または6(IEEE 802 Networks)であること
プロトコルタイプ プロトコル=0800H(IP)であること
1000H(Trailer packet)であること
ハードウェアアドレス長 チェックしない
プロトコルアドレス長 チェックしない
オペレーションコード オペレーションコード=1(REQUEST),1以外は2(REPLY)と扱う
送信元ハードウェアアドレス 以下の値ではないこと
  • マルチキャストアドレス
  • ブロードキャストアドレス
  • 自装置ハードウェアアドレスと同じ
送信元プロトコルアドレス 以下の値ではないこと
  • マルチキャストアドレス
  • 自装置プロトコルアドレスと同じ
  • 0.0.0.0
宛先ハードウェアアドレス チェックしない
宛先プロトコルアドレス
  • 自装置のプロトコルアドレスであること

(凡例) ○:チェックNGのときフレームを廃棄する −:該当しない

注※
「Trailer packet」の自発送信は行いませんが,要求のあった場合は応答を返して学習をします。

(3) ProxyARP

本装置はイーサネットに接続するすべてのインタフェースでProxyARPを動作させることができます。動作の有無はコンフィグレーションで設定します。本装置は次の条件をすべて満たすARP要求パケットを受信した場合に,宛先プロトコルアドレスの代理としてARP応答パケットを送信します。

(4) エージングタイマ

ARP情報のエージング時間はインタフェースごとに分単位で指定できます。指定値は最小1分で最大65535分です。また,デフォルト値は30分です。

ARPエントリを多数登録する場合は,ARPキャッシュテーブルエージング時間を極端に短くしないでください。

ARPエントリ数と,ARPキャッシュテーブルエージング時間の最短時間の目安を次の表に示します。

表7-5 ARPエントリ数と,ARPキャッシュテーブルエージング時間の最短時間の目安

ARPエントリ数 0〜
5,000
5,001〜
25,000
25,001〜
55,000
55,001〜
75,000
75,001〜
100,000
100,001〜
131,072
(最大値)
最短エージング
時間(分)
1 3 5 7 10 15

注 最初の5,000エントリまでは最短1分とし,それ以降は1万エントリを目処に1分延ばしてください。


(5) ARP情報の設定

ARPプロトコルを持たない製品を接続するために,イーサネットの場合MACアドレスとIPアドレスの対応(ARP情報)をコンフィグレーションで設定できます。

(6) ARP情報の参照

運用端末からコマンドでARP情報が参照できます。ARP情報から該当インタフェースのIPアドレスとMACアドレスの対応がわかります。

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