解説書 Vol.1
- <この節の構成>
- (1) 概要
- (2) サポート仕様
- (3) ネットワーク構成例
- (4) Tag-VLAN連携使用時の注意事項
(1) 概要
Tag-VLAN連携機能は,本装置でVLAN Tagを使用するための機能です。
Tag-VLAN連携機能を設定したポートは,VLAN Tagごとに異なるインタフェースとして動作します。Tag-VLAN連携機能によって,VLAN-Tagを使用するLANスイッチなどと接続できます。また,イーサネットインタフェースのポート数を超えた数のレイヤ3インタフェースを設定できます。
Tag-VLAN連携機能は,他のポートのTag-VLAN連携機能の設定に依存せず自由にVLAN Tagの値を決めることができます。
Tag-VLAN連携のサポート仕様を次の表に示します。
表6-3 Tag-VLAN連携サポート仕様
機能 項目 サポート 備考 IPv4 IPv6 中継 レイヤ3中継 ○ ○ − レイヤ2中継 × × − ネットワークインタフェース イーサネット※ ○ ○ − リンクアグリゲーション ○ ○ − POS × × − VLAN数 ポートまたはリンクアグリゲーション当たりのVLAN数 4,096 4,096 左記の数値は,Tagなしインタフェースを1個含みます。 PRU当たりのVLAN数 16,368 16,368 − 装置当たりのVLAN数 16,368 16,368 − Tagの値 1〜4,095 ○ ○ − Untagged ○ ○ 同一のポートにTaggedとUntaggedを混在できます。 自動設定プロトコル GVRP × × − TPID値 0x8100 ○ ○ − 0x9100 ○ ○ − (凡例) ○:サポートする ×:サポートしない −:該当しない
注※ Tag-VLAN連携の設定はRMイーサネットポートには設定できません。
Tag-VLAN連携を設定することで,一つの物理ポートまたはリンクアグリゲーションに最大4,096のVLANを収容できます。Tag-VLAN連携のネットワーク構成を次の図に示します。この図の構成では,ネットワークA(VLAN ID=1)とネットワークB(VLAN ID=2)を接続しているインタフェースには二つのVLANを設定します。
図6-1 Tag-VLANのネットワーク構成
ネットワークAからネットワークB(またはその逆)へフレームを送る場合,ネットワークBからネットワークCへフレームを送る場合,本装置による中継はレイヤ3中継(異なるサブネット間の中継)になります。
Tag-VLAN連携がサポートするレイヤ3中継の流れを次に示します(番号は「図6-1 Tag-VLANのネットワーク構成」に対応しています)。
- Tag付きフレームの受信(VLAN ID=1)→Tag付きフレームの送信(VLAN ID=2)
- Tag付きフレームの受信(VLAN ID=2)→Tagの削除→Tagなしフレームの送信
- Tagなしフレームの受信→Tagの付加→Tagありフレームの送信(VLAN ID=2)
- コンフィグレーションで設定した内容(VLAN ID指定,またはuntagged指定)と異なるパケットを受信した場合,本装置はそのパケットをハードウェアで廃棄します。Tag-VLAN連携設定と受信パケット種別を次の表に示します。
表6-4 Tag-VLAN連携設定と受信パケット種別
受信パケット Tag-VLAN連携設定 VLAN ID指定 untagged指定 設定なし Tagged 設定したVLAN ID 中継 廃棄 廃棄 設定していないVLAN ID 廃棄 廃棄 廃棄 Untagged 廃棄 中継 中継 - 異なる物理ポートまたはリンクアグリゲーションにはTag-VLAN連携の設定と非設定は混在できます。Tag-VLAN連携のVLAN IDとして「untagged」を指定するとUntaggedのインタフェース,1〜4,095の値を指定するとTaggedのインタフェースを設定できます。
ネットワークインタフェースにTag-VLAN連携が設定されているかどうかは,ポート単位の場合はshow interfacesコマンドで,リンクアグリゲーション単位の場合はshow link-aggregationコマンドで確認できます。各コマンドの詳細は,マニュアル「運用コマンドレファレンス Vol.1」を参照してください。
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