解説書 Vol.1
ハードウェアの構成要素について説明します。
- <この項の構成>
- (1) 装置の概略
- (2) ネットワーク間接続装置筐体
- (3) 基本制御機構(BCU)
- (4) パケットルーティング機構(PRU)
- (5) ネットワークインタフェース機構(NIF)
- (6) 電源機構(PS)
- (7) 主記憶機構(MS)
- (8) 記憶カード機構(MC)
装置の概略を次の図に示します。
図2-13 装置の概略
筐体の構成要素と搭載できる最大モジュール数を次の表に示します。なお,本装置にはファンなども含まれます。
構成要素 装置筐体 AX7702R-AC BCU 1 PRU 1 NIF 2 PS(AC100V/AC200V) 2※ 注※ 2式搭載して二重化できます。
BCU(Basic management Control module)はルーティングマネージャ(RM),マルチレイヤコントロールプロセッサ(CP),およびクロスバースイッチ(CSW)から構成されます。
装置のBCU型名略称と構成を次の表に示します。
装置筐体 BCU型名略称 構成 AX7702R BCU-RS8MS
- AX7702R用BCUボード
BCU-RS8MS2※
- AX7702R用BCUボード
性能向上版
注※ このタイプのBCUをBCU-2と呼びます。
BCUには,二つのRS232Cコンソールポートと,二つの記憶カード機構(MC)スロットと,一つの10BASE-T/100BASE-TXポートがあります。
RM(Routing Manager)は装置全体の管理およびルーティングプロトコル処理を行います。また,ルーティングテーブルを作成・更新し,ルーティングテーブルをPRUに配布します。
RMにはPentiumIII(850MHz)プロセッサと四つの主記憶機構(MS)スロットがあります。主記憶機構の容量は256MB(MS256)なので,最大で1GBのメモリを実装できます。
(b) マルチレイヤコントロールプロセッサ(CP)
CP(Multi layer Control Processor)は,IPパケットのソフトウェア中継処理やネットワークインタフェースのプロトコル処理を行います。
CSW(Crossbar Switch)は,RMとPRU,PRUとPRU間のパケット送受信を,独立して高速に行います。
PRU(Packet Routing Module)にはルーティング・QoSテーブル検索エンジン(Routing/QoS-table lookup ASIC)が搭載されています。本装置はハードウェアでルーティングテーブル,フィルタリング・テーブルおよびQoS(Quality of Service)テーブルを検索し,パケットの送受信を行います。これによって高速な処理を実現しています。
PRUの概要を次の表に示します。
また,PRUの代わりに,PRU内蔵型高密度ポートNIFを使用できます。
PRUの種類 機能 PRU-E2 パケットルーティングプロセッサE2
- IPv4ユニキャスト:1M
- IPv6ユニキャスト:64k
- Filter/QoS:16k
PRU-D2 パケットルーティングプロセッサD2
- フローエントリ数拡張
- MPLS機能
NIF(Network Interface board)は各種メディア対応のインタフェース制御部で,複数の種類があり,物理レイヤの処理を行います。
NIFには,高密度実装によって多ポートの収容を可能にした高密度ポートNIFと,通常のNIF(標準ポートNIF)があります。さらに,高密度ポートNIFはPRUを内蔵するNIF(PRU内蔵型高密度ポートNIF)とPRUを内蔵しないNIF(PRU分離型高密度ポートNIF)に分かれます。NIFの種別を「図2-14 NIFの種別」に示します。
また,標準ポートNIFはPRU当たり最大2枚搭載可能,PRU分離型高密度ポートNIFはPRU当たり最大1枚搭載可能となっています。本装置のPRUは標準で標準ポートNIFを搭載できる構造になっています。PRU分離型高密度ポートNIFを搭載する場合には,PRUのガイドを外して搭載します。NIFの搭載方法を「図2-15 標準ポートNIFの搭載方法」〜「図2-17 PRU内蔵型高密度ポートNIFの搭載方法」に示します。
図2-14 NIFの種別
図2-15 標準ポートNIFの搭載方法
図2-16 PRU分離型高密度ポートNIFの搭載方法
図2-17 PRU内蔵型高密度ポートNIFの搭載方法
本装置に搭載できるNIFの種類を次の表に示します。
分類 NIF略称 インタフェース NIF種別 イーサネット NE1GSHP-4S 1000BASE-X,SFP,4回線,階層化シェーパ機能付き(1023ユーザ×4QoS/ポート) 標準 NE1GSHP-8S 1000BASE-X,SFP,8回線,階層化シェーパ機能付き(1023ユーザ×4QoS/ポート) 標準 NE10G-1ER 10GBASE-ER (2m〜40km),1回線 標準 NE10G-1RX 10GBASE-R,XFP,1回線 標準 NE10G-1RXA 10GBASE-R,XFP,1回線 標準 NE10G-1LW 10GBASE-LW (2m〜10km),1回線 標準 NE10G-1EW 10GBASE-EW (2m〜40km),1回線 標準 NE1G-12SA 1000BASE-X,SFP,12回線,VRRP機能拡張 標準 NE1G-12TA 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T,12回線,VRRP機能拡張 標準 NE1G-6GA 1000BASE-X,GBIC,6回線,VRRP機能拡張 標準 NEMX-12 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T,8回線+1000BASE-X,SFP,4回線 標準 NE1G-48T 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T,48回線 高密度
(PRU分離型)RE1-10G4RX 10GBASE-R,XFP,4回線,PRU-E1内蔵※ 高密度
(PRU内蔵型)POS NP192-1S OC-192c/STM-64 POS(2km),1回線,G.652シングルモード 標準 NP192-1S4 OC-192c/STM-64 POS(40km),1回線,G.652シングルモード 標準 NP48-4S OC-48c/STM-16 POS,SFP,4回線,シングルモード 標準 注※ PRU-E1はPRU単独では存在しません。RE1-10G4RXに内蔵する形でだけ存在します。
ネットワークインタフェース機構に搭載して使用する光モジュール(GBIC,SFP,XFP)を合わせてトランシーバと呼びます。
本装置に搭載できるトランシーバの種類を次の表に示します。
分類 トランシーバ
種別トランシーバ
略称機能 上位ネットワーク
インタフェース
機構イーサネット GBIC GBIC-SX 1000BASE-SX用GBIC NE1G-6GA GBIC-LX 1000BASE-LX用GBIC GBIC-LH 1000BASE-LH用GBIC SFP SFP-SX 1000BASE-SX用SFP NE1G-12SA
NE1GSHP-4S
NE1GSHP-8S
NEMX-12SFP-LX 1000BASE-LX用SFP SFP-LH 1000BASE-LH用SFP SFP-LHB 1000BASE-LHB用SFP POS SFP-P48SR OC-48c/STM-16 POS用SFP 2km NP48-4S SFP-P48LR OC-48c/STM-16 POS用SFP 40km イーサネット XFP XFP-SR 10GBASE-SR用XFP NE10G-1RX
NE10G-1RXA
RE1-10G4RXXFP-LR 10GBASE-LR用XFP XFP-ER 10GBASE-ER用XFP XFP-ZR 10GBASE-ZR用XFP
PS(Power Supply)は,外部供給電源から装置内で使用する各種直流電源(5V,3.3Vほか)を生成します。本装置のPS型名略称と構成を次の表に示します。
装置筐体 PS型名略称 構成 AX7702R-AC POW-SSACE AX7702R-AC用PS(AC100V/AC200V) 本装置では同一種の電源を2式搭載して電源部を冗長化できます。また,本装置はPSへの外部供給電源をそれぞれ独立に接続できるので,外部電源系統を2系統化にできます。外部電源系統を2系統化にすれば,一方の電源系統が電源工事などで停電した場合でも本装置を継続して使用できます。ただし,異なる配電盤から電源を供給する必要があります。
(7) 主記憶機構(MS)
MS(Main Storage)には256MBのMS256があります。
(8) 記憶カード機構(MC)
MC(Memory Card)は256MB(MC256/MC256A1)のフラッシュメモリカードです。ソフトウェア,コンフィグレーション,ログ情報格納などに使用します。ファイルのバックアップのためフラッシュメモリカードはBCUごとに2枚搭載することをお勧めします。
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