コンフィグレーションガイド Vol.3

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34.1.3 ネットワーク構築例

ネットワーク・パーティションでは様々なネットワークを構築できます。本項では,代表的なネットワーク・パーティションの適用事例を基にネットワークの構築方法を説明します。

<この項の構成>
(1) Ring Protocolを使用したネットワーク・パーティション
(2) レイヤ3集約装置の増設
(3) レイヤ2プロトコルを使用しない構築
(4) エクストラネットの実現
(5) GSRPを使用したネットワーク・パーティション

(1) Ring Protocolを使用したネットワーク・パーティション

ネットワーク・パーティションに最も適した構築方法の一つとして,Ring Protocolを使用した構成があります。Ring Protocolを使用することで,障害発生に伴う経路切り替えを高速に行うことができ,信頼性の高いネットワークを構築できます。また,レイヤ3機能を一つの拠点に集中させることでネットワーク運用が容易になる利点もあります。

Ring Protocolを使用したネットワーク・パーティションの構築例を次の図に示します。図中のユーザAとユーザBは異なるVPNで,互いに通信できないようにする例です。

図34-3 Ring Protocolを使用したネットワーク・パーティション

[図データ]

(2) レイヤ3集約装置の増設

ネットワーク全体で扱うVRF数や拠点数が多くなった場合,レイヤ3機能を持つ装置を増設することで分散して収容できます。また,信頼性が要求される装置ではVRRPを動作させることで,さらに信頼性を向上できます。

レイヤ3集約装置を増設する構築例を次の図に示します。

図34-4 レイヤ3集約装置の増設

[図データ]

(3) レイヤ2プロトコルを使用しない構築

レイヤ2プロトコルを使用しないネットワークでも,VRF機能は使用できます。Ring Protocolを使用する場合と比較すると,多くのVRFを同時に動作させられます。

レイヤ2プロトコルを使用しない構築例を次の図に示します。

図34-5 レイヤ2プロトコルを使用しない構築

[図データ]

(4) エクストラネットの実現

エクストラネットでは,VRF間の通信を遮断しながら,特定のVRF間だけ通信できるようにします。これによって,ユーザ間のセキュリティを保った状態で共通サーバへのアクセスを許可するネットワークが構築できます。

エクストラネットの実現には,次に示すVRF間中継技術のどれかを使います。

エクストラネットの構築例を次の図に示します。

図34-6 経路交換によるエクストラネット

[図データ]

上記の場合,本装置で持つ経路情報と情報交換の流れについて,次の図に示します。

図34-7 本装置の経路情報

[図データ]

(5) GSRPを使用したネットワーク・パーティション

VRFでは冗長化機能としてGSRPを使用できます。GSRPを使用すると,障害発生に伴う装置切り替えを高速に行うことができ,信頼性の高いネットワークを構築できます。また,レイヤ2とレイヤ3の冗長化を一つの機能で実現できる利点もあります。

GSRPを使用したネットワーク・パーティションの構築例を次の図に示します。図中のユーザAとユーザBは異なるVPNで,互いに通信できないようにする例です。

図34-8 GSRPを使用したネットワーク・パーティション

[図データ]

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