コンフィグレーションガイド Vol.3

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31.6.4 ネットワーク構成での注意事項

IPv6マルチキャストはサーバ(送信者)から各グループ(受信者)にデータを配信する1(送信者):N(受信者)の片方向通信に適します。IPv6マルチキャストの推奨ネットワーク構成,注意事項を次に示します。

<この項の構成>
(1) IPv6 PIM-SMおよびIPv6 PIM-SSM共通
(2) IPv6 PIM-SM
(3) IPv6 PIM-SSM
(4) PIM-SM VRFゲートウェイ【OP-NPAR】

(1) IPv6 PIM-SMおよびIPv6 PIM-SSM共通

(a) 適用構成

IPv6 PIM-SMまたはIPv6 PIM-SSM(以下,PIMと略す)では送信者から受信者に至る経路上のすべてのルータでPIMの設定が必要となります。そのため,途中でPIMを設定していないルータがあると,マルチキャストパケットの中継が行えません。隣接ルータがPIMを設定していない場合には,コンフィグレーションコマンドipv6 pim directを設定するとパケットの中継ができるようになります。

図31-27 コンフィグレーションコマンドipv6 pim directを設定する場合の適応例」はコンフィグレーションコマンドipv6 pim directを設定する場合の適用例です。ルータAと本装置は異なるマルチキャストドメインに属しているため,これらの間にはPIMが設定されていません。一方,ドメインXにいる送信元からドメインYにいる受信者にマルチキャストデータを送信したいという要求があります。ルータAと本装置の間でPIMが動作していないので,送信者Sから送られたマルチキャストデータは本装置にて廃棄されます。ここで本装置のインタフェースαにコンフィグレーションコマンドipv6 pim directで送信者Sを設定すると,ドメインY内へのマルチキャストパケットの転送が行われるようになります。

図31-27 コンフィグレーションコマンドipv6 pim directを設定する場合の適応例

[図データ]

コンフィグレーションコマンドipv6 pim directの設定は上図のような構成に適用されますので,これ以外の構成ではマルチキャストパケットを中継できなくなるおそれがあります。

(b) 注意が必要な構成

次に示す構成でIPv6 PIM-SMまたはIPv6 PIM-SSMを使用する場合,注意が必要です。

(2) IPv6 PIM-SM

(a) 推奨構成

IPv6 PIM-SMによるネットワーク構成に当たっては,ツリー型ネットワーク構成および冗長経路が存在するネットワーク構成をお勧めします。ただし,ランデブーポイントの配置には十分注意してください。IPv6 PIM-SMのモード切り替えによるIPv6マルチキャスト送信パス変化処理の負荷を軽減するため,ランデブーポイントは送信者の直近に置くことをお勧めします。

IPv6 PIM-SM推奨ネットワーク構成を次の図に示します。

図31-28 IPv6 PIM-SM推奨ネットワーク構成

[図データ]

(b) 不適応な構成

次に示す構成でIPv6 PIM-SMは使用しないでください。

(3) IPv6 PIM-SSM

(a) 注意が必要な構成

次に示す構成でIPv6 PIM-SSMを使用する場合注意が必要です。

(b) 端末側に複数のアドレスを設定したときの注意事項

SSM通信時,データ送信を行う端末に複数のIPv6アドレスを付与して運用する場合,送信されるデータの送信元アドレスが本装置にコンフィグレーションコマンドipv6 mld ssm-map staticで設定した送信元アドレス情報と一致するようにしてください。特に,RAなどのアドレス自動設定機能を使用した場合は,端末側が自動設定されたアドレスを使用して通信を行う場合があります。

(4) PIM-SM VRFゲートウェイ【OP-NPAR】

(a) 注意が必要な構成

次に示す構成は注意が必要です。

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