コンフィグレーションガイド Vol.2
- <この項の構成>
- (1) L2ループ検知運用時の物理ポート数
- (2) L2ループ検知機能のID設定について
- (3) 二重化構成での自動active状態設定について
- (4) プロトコルVLANやMAC VLANでの動作について
- (5) Tag変換使用時の動作について
- (6) L2ループ検知機能の動作環境について
- (7) inactive状態にしたポートを自動的にactive状態にする機能(自動復旧機能)について
(1) L2ループ検知運用時の物理ポート数
収容条件を超える物理ポートを使用した場合,常時または一時的に高負荷のトラフィックが流れると,L2ループ検知フレームが廃棄されるおそれがあります。廃棄されることでループ障害の検知が遅れる場合があります。詳細については,マニュアル「コンフィグレーションガイド Vol.1 3. 収容条件」を参照してください。
(2) L2ループ検知機能のID設定について
同一ネットワーク内の複数の本装置でL2ループ検知機能を動作させる場合,IDには各装置でユニークな値を設定してください。同一の値を設定すると,ループ障害が発生しても検知できません。
(3) 二重化構成での自動active状態設定について
自動的にactive状態にする設定をしていても,ループ障害検知でポートがinactive状態のときに系切替が発生すると,新運用系システムではそのポートはinactive状態のままです。その場合は,運用コマンドactivateでそのポートをactive状態にしてください。
(4) プロトコルVLANやMAC VLANでの動作について
L2ループ検知フレームは,独自フォーマットのUntaggedフレームです。プロトコルポートやMACポートではネイティブVLANとして転送されるため,次に示す条件をどちらも満たしている場合,装置間にわたるループ障害が検知できないおそれがあります。
- コアネットワーク側のポートをアップリンクポートとして設定している
- コアネットワーク側にネイティブVLANを設定していない
この場合は,アップリンクポートとして設定しているコアネットワーク側のポートを検知送信ポートに設定すると,ループ障害を検知できます。具体的な構成例を次に示します。
(a) ループ検知の制限となる構成例
次の図に示す構成で本装置配下のHUB間を誤接続すると,装置間にわたるループが発生します。
本装置AはHUB側の検知送信閉塞ポートからL2ループ検知フレームを送信し,コアスイッチ側のアップリンクポートからは送信しません。本装置BはMACポートで受信したL2ループ検知フレームをネイティブVLANとして転送しようとするため,L2ループ検知フレームはコアスイッチ側へ中継されません。この場合,L2ループ検知フレームは本装置Aへ戻ってこないため,ループ障害を検知できません。
図26-3 ループ検知の制限となる構成
(b) ループ検知可能な構成例
本装置Aのコアスイッチ側のポートを検知送信ポートに設定した場合,本装置Bはコアスイッチ側のポートから受信したL2ループ検知フレームをMACポートへ中継するため,本装置Aでループ障害が検知できます。
図26-4 ループ検知可能な構成
(5) Tag変換使用時の動作について
次のような場合に,ループ障害を検知します。
- 自装置のTag変換ポートから送信したTag変換されたL2ループ検知フレームが,ネットワーク内で折り返り,自装置で受信した場合
- 他装置でTag変換されたL2ループ検知フレームを自装置で受信した場合
意図的に自装置に折り返すようなネットワーク構成にする場合は,対象ポートを検知対象外ポートに設定して,ループ障害を回避してください。
(6) L2ループ検知機能の動作環境について
本機能を使用する場合に,同一ネットワーク内にL2ループ検知未サポートのAX6700S,AX6300S装置(Ver.10.7より前)を配置したとき,その装置でループ検知フレームを受信するとフレームを廃棄します。そのため,その装置を含む経路でループ障害が発生しても検知できません。
(7) inactive状態にしたポートを自動的にactive状態にする機能(自動復旧機能)について
スタティックリンクアグリゲーション上で自動復旧機能を使用する場合は,次の点に注意してください。
- 回線速度を変更(ネットワーク構成の変更)する場合は,該当チャネルグループに異速度混在モードを設定してください。異速度混在モードを設定しないで回線速度を変更中にループを検知した場合,該当チャネルグループで自動復旧機能が動作しないおそれがあります。
- オートネゴシエーションで接続する場合は回線速度を指定してください。指定しないと,回線品質の劣化などによって一時的に回線速度が異なる状態になり,低速回線が該当チャネルグループから離脱することがあります。この状態でループを検知した場合,該当チャネルグループで自動復旧機能が動作しないおそれがあります。
自動復旧機能が動作しない場合は,ループ原因を解消したあと,運用コマンドactivateでポートをactive状態にしてください。
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