コンフィグレーションガイド Vol.2

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26.1.4 L2ループ検知使用時の注意事項

<この項の構成>
(1) L2ループ検知運用時の物理ポート数
(2) L2ループ検知機能のID設定について
(3) 二重化構成での自動active状態設定について
(4) プロトコルVLANやMAC VLANでの動作について
(5) Tag変換使用時の動作について
(6) L2ループ検知機能の動作環境について
(7) inactive状態にしたポートを自動的にactive状態にする機能(自動復旧機能)について

(1) L2ループ検知運用時の物理ポート数

収容条件を超える物理ポートを使用した場合,常時または一時的に高負荷のトラフィックが流れると,L2ループ検知フレームが廃棄されるおそれがあります。廃棄されることでループ障害の検知が遅れる場合があります。詳細については,マニュアル「コンフィグレーションガイド Vol.1 3. 収容条件」を参照してください。

(2) L2ループ検知機能のID設定について

同一ネットワーク内の複数の本装置でL2ループ検知機能を動作させる場合,IDには各装置でユニークな値を設定してください。同一の値を設定すると,ループ障害が発生しても検知できません。

(3) 二重化構成での自動active状態設定について

自動的にactive状態にする設定をしていても,ループ障害検知でポートがinactive状態のときに系切替が発生すると,新運用系システムではそのポートはinactive状態のままです。その場合は,運用コマンドactivateでそのポートをactive状態にしてください。

(4) プロトコルVLANやMAC VLANでの動作について

L2ループ検知フレームは,独自フォーマットのUntaggedフレームです。プロトコルポートやMACポートではネイティブVLANとして転送されるため,次に示す条件をどちらも満たしている場合,装置間にわたるループ障害が検知できないおそれがあります。

この場合は,アップリンクポートとして設定しているコアネットワーク側のポートを検知送信ポートに設定すると,ループ障害を検知できます。具体的な構成例を次に示します。

(a) ループ検知の制限となる構成例

次の図に示す構成で本装置配下のHUB間を誤接続すると,装置間にわたるループが発生します。

本装置AはHUB側の検知送信閉塞ポートからL2ループ検知フレームを送信し,コアスイッチ側のアップリンクポートからは送信しません。本装置BはMACポートで受信したL2ループ検知フレームをネイティブVLANとして転送しようとするため,L2ループ検知フレームはコアスイッチ側へ中継されません。この場合,L2ループ検知フレームは本装置Aへ戻ってこないため,ループ障害を検知できません。

図26-3 ループ検知の制限となる構成

[図データ]

(b) ループ検知可能な構成例

本装置Aのコアスイッチ側のポートを検知送信ポートに設定した場合,本装置Bはコアスイッチ側のポートから受信したL2ループ検知フレームをMACポートへ中継するため,本装置Aでループ障害が検知できます。

図26-4 ループ検知可能な構成

[図データ]

(5) Tag変換使用時の動作について

次のような場合に,ループ障害を検知します。

意図的に自装置に折り返すようなネットワーク構成にする場合は,対象ポートを検知対象外ポートに設定して,ループ障害を回避してください。

(6) L2ループ検知機能の動作環境について

本機能を使用する場合に,同一ネットワーク内にL2ループ検知未サポートのAX6700S,AX6300S装置(Ver.10.7より前)を配置したとき,その装置でループ検知フレームを受信するとフレームを廃棄します。そのため,その装置を含む経路でループ障害が発生しても検知できません。

(7) inactive状態にしたポートを自動的にactive状態にする機能(自動復旧機能)について

スタティックリンクアグリゲーション上で自動復旧機能を使用する場合は,次の点に注意してください。

自動復旧機能が動作しない場合は,ループ原因を解消したあと,運用コマンドactivateでポートをactive状態にしてください。

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