コンフィグレーションガイド Vol.2

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21.5.3 レイヤ3冗長切替機能での上流ネットワーク障害による切り替え

上流ネットワーク側はGSRPの制御対象から外し,IPルーティングを設定します。レイヤ3冗長切替機能を使用する場合,上流ネットワーク側の障害はIPルーティング機能によって検出して経路を切り替えます。

上流ネットワーク側は,2台のGSRPスイッチがどちらも上流ネットワークへ接続し,また一方のポートなどに障害が発生した場合はもう一方のGSRPスイッチを経由して通信を継続できるようにGSRPスイッチ間の通信経路も確保します。

上流ネットワークの障害に対応した設定の概要と,障害時の通信経路の例を,次の図に示します。

図21-13 上流ネットワークの障害に対応した設定

[図データ]

図21-14 上流ネットワークの障害発生時の通信経路

[図データ]

<この項の構成>
(1) 上流ネットワーク側の設定
(2) GSRPスイッチ間の設定

(1) 上流ネットワーク側の設定

次に示す方法で,上流ネットワーク側のポートまたはVLANをマスタ/バックアップどちらの状態でも通信可能とします。

そこにIPアドレスおよびIPルーティングを設定することで上流ネットワークと接続します。

IPルーティングは,2台のGSRPスイッチがどちらも上流ネットワークと通信できるように設定します。また,上流ネットワーク向けの障害を検出できるように,ダイナミックルーティングまたはスタティックルーティングの動的監視機能を設定します。

通常は,上流ネットワークとの通信を各GSRPスイッチが直接行うようにします。上流ネットワーク側で障害が発生した場合に,隣接のGSRPスイッチを経由して上流ネットワークとの通信が継続できるようにします。そのために,上流ネットワークへの経路が隣接するGSRPスイッチを経由する場合の方が優先度が低くなるようにIPルーティングを設定します。また,スタティックルーティングの場合は障害を検出するために動的監視機能を設定して,到達確認を定期的に行うようにします。

(2) GSRPスイッチ間の設定

上流ネットワークとは2台のGSRPスイッチ両方を通信可能な状態とするため,バックアップ側のGSRPスイッチに上流ネットワークからパケットが届く場合があります。そのようなパケットをマスタ側のGSRPスイッチに中継するために,GSRPスイッチ間にレイヤ3での通信経路を設定します。

GSRPスイッチ間はダイレクトリンクを接続し,GSRP管理VLAN上でGSRP Advertiseフレームのやり取りをします。このダイレクトリンク上にGSRP管理VLAN以外のVLANとIPルーティングを設定することで,GSRPスイッチ間の中継ができます。ただし,下流からのトラフィックを直接上流ネットワークに中継するために,GSRPスイッチ間を中継する経路は優先度の低い経路となるようにIPルーティングを設定してください。

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