コンフィグレーションガイド Vol.2
- <この項の構成>
- (1) RGQによる帯域制御
- (2) LLPQによる帯域制御
(1) RGQによる帯域制御
RGQによる帯域制御の注意事項を次に示します。
- 各ユーザに保証される帯域は,最低帯域と重みに従って分配される余剰帯域の和になります。各ユーザに対して保証する必要がある帯域を考慮した上で,各ユーザの最低帯域や重みを決定してください。
- 各ユーザへ分配される帯域は,最低帯域と重みに従って分配される余剰帯域の和で決まるため,各ユーザの最大帯域に,回線帯域より小さい値を設定しないでください。小さい値を設定すると,回線帯域の利用効率が低下することがあります。
例えば,ポート帯域制御によって回線帯域を600Mbit/sにシェーピングし,ユーザ1〜3で輻輳時に3:2:1で帯域を分配する例を示します。
各ユーザの最大帯域を回線帯域と同じ値に設定した場合の例を次の表に示します。この例では,ユーザの保証帯域内で未使用帯域が存在した場合(ユーザ2)に,その未使用帯域をほかのユーザ(ユーザ1およびユーザ3)が有効活用できるため,各ユーザの送信帯域の合計(600Mbit/s)は回線帯域と同じになります。
表6-23 RGQの設定例および送信帯域(回線帯域=600Mbit/s,最大帯域=回線帯域の場合)
ユーザ 実際の
入力帯域
(Mbit/s)最低帯域
(Mbit/s)最大帯域
(Mbit/s)重み 余剰帯域
(Mbit/s)保証帯域
(Mbit/s)実際の
送信帯域
(Mbit/s)ユーザ1 500 300 600 3 0 300 380※ ユーザ2 100 200 600 2 0 200 100 ユーザ3 150 100 600 1 0 100 120※
- 注※
- 保証帯域を超えた送信帯域は,入力トラフィック条件などによって変化します。本帯域を保証するものではありません。各ユーザで保証される帯域は,保証帯域までです。
一部ユーザの最大帯域を回線帯域より小さい値に設定した場合の例を次の表に示します。この例では,ユーザ3の最大帯域が回線帯域より小さい値に設定され,ユーザ3で最大帯域を超える帯域のトラフィックが入力されています。このとき,ユーザの保証帯域内で未使用帯域が存在した場合(ユーザ2)に,その未使用帯域をほかのユーザ(ユーザ1)が有効活用できないで,各ユーザの送信帯域の合計(530Mbit/s)が回線帯域を下回ることがあります。
表6-24 RGQの設定例および送信帯域(回線帯域=600Mbit/s,最大帯域<回線帯域の場合)
ユーザ 実際の
入力帯域
(Mbit/s)最低帯域
(Mbit/s)最大帯域
(Mbit/s)重み 余剰帯域
(Mbit/s)保証帯域
(Mbit/s)実際の
送信帯域
(Mbit/s)ユーザ1 500 300 600 3 0 300 330※2 ユーザ2 100 200 600 2 0 200 100 ユーザ3 150 100 100 0※1 0 100 100
- 注※1
- 最低帯域と最大帯域が同じユーザは,重みが0になります。
- 注※2
- 保証帯域を超えた送信帯域は,入力トラフィック条件などによって変化します。本帯域を保証するものではありません。各ユーザで保証される帯域は,保証帯域までです。
(2) LLPQによる帯域制御
LLPQ帯域に最低帯域より大きな帯域を設定した場合の注意事項を次に示します。
- 最低帯域を超える入力帯域が低遅延キューにある環境では,ユーザに割り当てる帯域の合計がポート帯域を超えることがあります。この場合,一部のユーザの最低帯域が保証されません。
- 回線帯域以上の負荷が掛かっている環境では,各ユーザのLLPQ帯域制御の出力帯域は,LLPQ帯域制御値の比率よりも差が小さくなり,フレーム長が長いトラフィックを送信しているユーザが大きくなります。
All Rights Reserved, Copyright(C), 2006, 2018, ALAXALA Networks, Corp.