コンフィグレーションガイド Vol.2
- <この項の構成>
- (1) 帯域監視機能とほかの機能を同時に使用したときに優先する動作
- (2) 帯域監視と送信イーサネットインタフェース・送信キューの関係
- (3) プロトコル制御パケットの帯域監視
- (4) TCPフレームに対する最大帯域制御の使用
- (5) バーストサイズの設定
- (6) マルチキャストフレーム・ブロードキャストフレームに対する帯域監視
- (7) 帯域監視機能と指定可能なインタフェース【AX6700S】
- (8) 帯域監視機能に制限のある送信インタフェース【AX6600S】【AX6300S】
- (9) 送信側VLANインタフェースの帯域監視対象パケットおよびフレーム【AX6600S】【AX6300S】
(1) 帯域監視機能とほかの機能を同時に使用したときに優先する動作
帯域監視機能とマーカー,優先度決定およびデフォルトユーザ優先度書き換えを同時に使用した場合は,次の順で動作を優先しフレームを送信します。デフォルトユーザ優先度書き換えについては,「6.4.5 デフォルトユーザ優先度書き換え」を参照してください。
- デフォルトユーザ優先度書き換え(ユーザ優先度だけ)
- 送信インタフェースに設定した,最低帯域監視に違反したフレームに対するペナルティ
- 送信インタフェースに設定した,優先度決定またはマーカー
- 受信インタフェースに設定した,最低帯域監視に違反したフレームに対するペナルティ
- 受信インタフェースに設定した,優先度決定またはマーカー
(2) 帯域監視と送信イーサネットインタフェース・送信キューの関係
次のような場合に,送信イーサネットインタフェースまたは送信キューで遵守フレームを廃棄するおそれがあります。
- 帯域監視で指定する監視帯域値を,該当フローの送信イーサネットインタフェースまたは送信キューの帯域値より大きい値とした場合
- 帯域監視を使用しないフローと使用するフローを,同じ送信イーサネットインタフェースまたは送信キューに送信した場合
特に,複数のフローで複数の帯域監視を使用する場合は,各帯域監視の監視帯域値の合計に注意してください。
(3) プロトコル制御パケットの帯域監視
本装置では,本装置宛てのプロトコル制御フレームも帯域監視対象になります。したがって,本装置宛てのプロトコル制御フレームも最大帯域制御違反として廃棄される場合があります。そのため,本装置宛てのプロトコル制御フレームを考慮した最大帯域を確保する必要があります。
(4) TCPフレームに対する最大帯域制御の使用
最大帯域制御を使用した場合は,TCPのスロースタートが繰り返されデータ転送速度が極端に遅くなる場合があります。
上記動作を防ぐために,最低帯域監視を使用して,「フレームが廃棄されやすくなるようにキューイング優先度を下げる」の動作を実施するようにしてください。本設定によって,契約帯域を超えてもすぐに廃棄されないで,出力回線が混んできたときだけに廃棄されるようになります。
(5) バーストサイズの設定
最大帯域制御および最低帯域監視のどちらか,または両方を使用している場合,装置内での帯域揺らぎの影響で,遵守パケットを違反パケットとして扱うことがあります。
この場合,最大帯域制御および最低帯域監視のバーストサイズを12000バイト以上に設定することで,装置内での帯域揺らぎによる影響をなくせます。
(6) マルチキャストフレーム・ブロードキャストフレームに対する帯域監視
マルチキャストフレーム・ブロードキャストフレームは,レイヤ2中継・レイヤ3中継ともに実施されます。そのため,Advance条件でレイヤ2中継およびレイヤ3中継両方指定のQoSフローリストを適用した場合,帯域監視でのマルチキャストフレーム・ブロードキャストフレームは1フレームで2フレーム分となります。
(7) 帯域監視機能と指定可能なインタフェース【AX6700S】
帯域監視を使用したフローは,受信側のイーサネットインタフェースに指定できます。
(8) 帯域監視機能に制限のある送信インタフェース【AX6600S】【AX6300S】
- ポート1/1のイーサネットインタフェースでは,送信側のレイヤ2中継フレームに対して帯域監視機能を動作させないでください。該当フレームに対して帯域監視機能を動作させた場合,実際に指定した帯域より小さい値で帯域監視機能が動作します。
- uRPFのStrictモードが動作しているVLANインタフェースでは,送信側のレイヤ3中継パケットに対して帯域監視機能を動作させないでください。該当パケットに対して帯域監視機能を動作させた場合,実際に指定した帯域より小さい値で帯域監視機能が動作します。
(9) 送信側VLANインタフェースの帯域監視対象パケットおよびフレーム【AX6600S】【AX6300S】
VLANインタフェースの送信側で帯域監視機能を動作させた場合,本装置でレイヤ3中継するパケットおよびレイヤ2中継するフレームのうち,次に示すパケット/フレームも帯域監視対象とします。
- 次に示す状態ではなかったために廃棄されるパケット/フレーム
- 運用コマンドshow portで,ポート状態が運用中(正常動作中)
- 運用コマンドshow channel-groupで,チャネルグループ状態がデータパケット送受信可能状態
- 運用コマンドshow spanning-treeで,ポート状態が転送状態
- 運用コマンドshow axrpで,リングポート状態がフォワーディング状態
- 本装置でフラグメントする前のパケット※
- ARP/NDPの未解決によって本装置に一時的に滞留するパケット※
注※ 違反パケット/フレームに対してペナルティを科しません。
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