コンフィグレーションガイド Vol.2
- <この項の構成>
- (1) 本装置が自発的に送信するパケット/フレームに対するQoSフロー検出
- (2) IPv4オプション付きパケットに対するQoSフロー検出
- (3) 拡張ヘッダのあるIPv6パケットに対するQoSフロー検出
- (4) IPv4フラグメントパケットに対するQoSフロー検出
- (5) IPv6フラグメントパケットに対するQoSフロー検出
- (6) マルチキャストフレーム・ブロードキャストフレームに対するQoSフロー検出
- (7) VLAN Tag付きフレームに対するQoSフロー検出
- (8) QoSエントリ適用時の動作
- (9) QoSエントリ変更時の動作
- (10) VLANインタフェースの送信側での統計情報
(1) 本装置が自発的に送信するパケット/フレームに対するQoSフロー検出
本装置が自発的に送信するフレームは,QoSフロー検出できません。
(2) IPv4オプション付きパケットに対するQoSフロー検出
レイヤ2中継するIPv4オプション付きパケットをQoSフロー検出する場合は,フロー検出条件にMACヘッダ,IPv4ヘッダを指定してください。TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダをフロー検出条件に指定しても,指定したフロー検出条件に従ったQoSフロー検出をしません。
また,レイヤ3中継するIPv4オプション付きパケットはQoSフロー検出しません。
(3) 拡張ヘッダのあるIPv6パケットに対するQoSフロー検出
拡張ヘッダのあるIPv6パケットをQoSフロー検出する場合は,フロー検出条件にMACヘッダ,IPv6ヘッダを指定してください。TCP/UDP/ICMPヘッダをフロー検出条件に指定しても,QoSフロー検出しません。
(4) IPv4フラグメントパケットに対するQoSフロー検出
IPv4フラグメントパケットに対して2番目以降のフラグメントパケットはTCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダがフレーム内にありません。フラグメントパケットを受信した際のQoSフロー検出を次の表に示します。
表5-6 IPv4フラグメントパケットとQoSフロー検出の関係
フロー検出条件 フロー検出条件とパケットの一致/不一致 先頭パケット 2番目以降のパケット IPv4ヘッダだけ IPv4ヘッダ一致※ 一致したエントリの動作 一致したエントリの動作 IPv4ヘッダ不一致 次のエントリを検索 次のエントリを検索 IPv4ヘッダ+TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダ IPv4ヘッダ一致,TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダ一致 一致したエントリの動作 − IPv4ヘッダ一致,TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダ不一致 次のエントリを検索 次のエントリを検索 IPv4ヘッダ不一致,TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダ不一致 次のエントリを検索 次のエントリを検索
- (凡例)
- −:TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダがパケットに無いため,常にTCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダ不一致として扱うので該当しない
- 注※
- QoSフローリストのパラメータであるfragmentsパラメータを指定することで,2番目以降のフラグメントパケットだけを検出できます。
(5) IPv6フラグメントパケットに対するQoSフロー検出
IPv6フラグメントパケットの2番目以降のフラグメントパケットはTCP/UDP/ICMPヘッダがパケット内にありません。IPv6フラグメントパケットを受信した際のQoSフロー検出を次の表に示します。
表5-7 IPv6フラグメントパケットとQoSフロー検出の関係
フロー検出条件 フロー検出条件とパケットの一致/不一致 先頭パケット 2番目以降のパケット IPv6ヘッダだけ※ IPv6ヘッダ一致 一致したエントリの動作 一致したエントリの動作 IPv6ヘッダ不一致 次のエントリを検索 次のエントリを検索 IPv6ヘッダ+TCP/UDP/ICMPヘッダ IPv6ヘッダ一致,TCP/UDP/ICMPヘッダ一致 次のエントリを検出 − IPv6ヘッダ一致,TCP/UDP/ICMPヘッダ不一致 次のエントリを検索 次のエントリを検出 IPv6ヘッダ不一致,TCP/UDP/ICMPヘッダ不一致 次のエントリを検索 次のエントリを検索 (凡例)−:TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダがパケットに無いため該当しない
- 注※
- QoSフローリストのパラメータであるipv6パラメータを指定した場合だけ,有効なQoSエントリです。
(6) マルチキャストフレーム・ブロードキャストフレームに対するQoSフロー検出
マルチキャストフレーム・ブロードキャストフレームは,レイヤ2中継・レイヤ3中継ともに実施されます。マルチキャストフレーム・ブロードキャストフレームをQoSフロー検出する場合は,該当するインタフェースに対して次のどちらかを適用してください。
- レイヤ2中継指定のQoSフローリストおよびレイヤ3中継指定のQoSフローリスト
- Advance条件で,レイヤ2中継およびレイヤ3中継両方指定のQoSフローリスト
この場合,統計情報は2回カウントされます。
(7) VLAN Tag付きフレームに対するQoSフロー検出
本装置では,2段までのVLAN Tagがあるフレームについて,IPv4ヘッダ・IPv6ヘッダをフロー検出条件としたQoSフロー検出ができます。3段以上のVLAN TagがあるフレームをQoSフロー検出する場合は,MACヘッダをフロー検出条件としたQoSフローリストを適用してください。
(8) QoSエントリ適用時の動作
本装置では,インタフェースに対してQoSエントリを適用する※と,設定したQoSエントリが適用されるまでの間,ほかのQoSエントリで検出される場合があります。その場合,検出したQoSエントリの統計情報が採られます。
- 注※
- 1エントリ以上を設定したQoSフローリストを,QoSフローグループコマンドによってインタフェースに適用する場合
- QoSフローリストをQoSフローグループコマンドによって適用し,エントリを追加する場合
- 装置またはBSU起動時,運用コマンドcopyまたはrestart vlan実行時にQoSエントリを適用する場合
(9) QoSエントリ変更時の動作
本装置では,インタフェースに適用済みのQoSエントリを変更すると,変更が反映されるまでの間,検出の対象となるフレームが検出されなくなります。そのため,一時的にほかのQoSエントリで検出される場合があります。
(10) VLANインタフェースの送信側での統計情報
本装置でフラッディングされるパケットまたは宛先MACアドレスがマルチキャストアドレスのパケットをレイヤ2中継する場合,次に示す三つの条件をすべて満たすと,VLANインタフェースの送信側に設定したQoSフローリストの統計情報が実際の値より65536の倍数分少なくなることがあります。この統計情報とは,運用コマンドshow qos-flowおよびMIBの統計情報の両方を指します。
なお,フロー検出動作には影響ありません。
- イーサネットインタフェースまたはVLANインタフェースの受信側に設定したQoSフローリストに,レイヤ2中継パケットが一致した場合
- VLANインタフェースの送信側に設定したQoSフローリストにレイヤ2中継パケットが一致し,一致する前の統計情報が「(65536の倍数)−2」の場合
- パケットをレイヤ2中継するVLANインタフェースに,三つ以上のイーサネットインタフェースが所属している場合
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