コンフィグレーションガイド Vol.2

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5.1.4 フロー検出使用時の注意事項

<この項の構成>
(1) 本装置が自発的に送信するパケット/フレームに対するQoSフロー検出
(2) IPv4オプション付きパケットに対するQoSフロー検出
(3) 拡張ヘッダのあるIPv6パケットに対するQoSフロー検出
(4) IPv4フラグメントパケットに対するQoSフロー検出
(5) IPv6フラグメントパケットに対するQoSフロー検出
(6) マルチキャストフレーム・ブロードキャストフレームに対するQoSフロー検出
(7) VLAN Tag付きフレームに対するQoSフロー検出
(8) QoSエントリ適用時の動作
(9) QoSエントリ変更時の動作
(10) VLANインタフェースの送信側での統計情報

(1) 本装置が自発的に送信するパケット/フレームに対するQoSフロー検出

本装置が自発的に送信するフレームは,QoSフロー検出できません。

(2) IPv4オプション付きパケットに対するQoSフロー検出

レイヤ2中継するIPv4オプション付きパケットをQoSフロー検出する場合は,フロー検出条件にMACヘッダ,IPv4ヘッダを指定してください。TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダをフロー検出条件に指定しても,指定したフロー検出条件に従ったQoSフロー検出をしません。

また,レイヤ3中継するIPv4オプション付きパケットはQoSフロー検出しません。

(3) 拡張ヘッダのあるIPv6パケットに対するQoSフロー検出

拡張ヘッダのあるIPv6パケットをQoSフロー検出する場合は,フロー検出条件にMACヘッダ,IPv6ヘッダを指定してください。TCP/UDP/ICMPヘッダをフロー検出条件に指定しても,QoSフロー検出しません。

(4) IPv4フラグメントパケットに対するQoSフロー検出

IPv4フラグメントパケットに対して2番目以降のフラグメントパケットはTCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダがフレーム内にありません。フラグメントパケットを受信した際のQoSフロー検出を次の表に示します。

表5-6 IPv4フラグメントパケットとQoSフロー検出の関係

フロー検出条件 フロー検出条件とパケットの一致/不一致 先頭パケット 2番目以降のパケット
IPv4ヘッダだけ IPv4ヘッダ一致 一致したエントリの動作 一致したエントリの動作
IPv4ヘッダ不一致 次のエントリを検索 次のエントリを検索
IPv4ヘッダ+TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダ IPv4ヘッダ一致,TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダ一致 一致したエントリの動作
IPv4ヘッダ一致,TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダ不一致 次のエントリを検索 次のエントリを検索
IPv4ヘッダ不一致,TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダ不一致 次のエントリを検索 次のエントリを検索

(凡例)
−:TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダがパケットに無いため,常にTCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダ不一致として扱うので該当しない

注※
QoSフローリストのパラメータであるfragmentsパラメータを指定することで,2番目以降のフラグメントパケットだけを検出できます。

(5) IPv6フラグメントパケットに対するQoSフロー検出

IPv6フラグメントパケットの2番目以降のフラグメントパケットはTCP/UDP/ICMPヘッダがパケット内にありません。IPv6フラグメントパケットを受信した際のQoSフロー検出を次の表に示します。

表5-7 IPv6フラグメントパケットとQoSフロー検出の関係

フロー検出条件 フロー検出条件とパケットの一致/不一致 先頭パケット 2番目以降のパケット
IPv6ヘッダだけ IPv6ヘッダ一致 一致したエントリの動作 一致したエントリの動作
IPv6ヘッダ不一致 次のエントリを検索 次のエントリを検索
IPv6ヘッダ+TCP/UDP/ICMPヘッダ IPv6ヘッダ一致,TCP/UDP/ICMPヘッダ一致 次のエントリを検出
IPv6ヘッダ一致,TCP/UDP/ICMPヘッダ不一致 次のエントリを検索 次のエントリを検出
IPv6ヘッダ不一致,TCP/UDP/ICMPヘッダ不一致 次のエントリを検索 次のエントリを検索

(凡例)−:TCP/UDP/ICMP/IGMPヘッダがパケットに無いため該当しない

注※
QoSフローリストのパラメータであるipv6パラメータを指定した場合だけ,有効なQoSエントリです。

(6) マルチキャストフレーム・ブロードキャストフレームに対するQoSフロー検出

マルチキャストフレーム・ブロードキャストフレームは,レイヤ2中継・レイヤ3中継ともに実施されます。マルチキャストフレーム・ブロードキャストフレームをQoSフロー検出する場合は,該当するインタフェースに対して次のどちらかを適用してください。

(7) VLAN Tag付きフレームに対するQoSフロー検出

本装置では,2段までのVLAN Tagがあるフレームについて,IPv4ヘッダ・IPv6ヘッダをフロー検出条件としたQoSフロー検出ができます。3段以上のVLAN TagがあるフレームをQoSフロー検出する場合は,MACヘッダをフロー検出条件としたQoSフローリストを適用してください。

(8) QoSエントリ適用時の動作

本装置では,インタフェースに対してQoSエントリを適用すると,設定したQoSエントリが適用されるまでの間,ほかのQoSエントリで検出される場合があります。その場合,検出したQoSエントリの統計情報が採られます。

注※
  • 1エントリ以上を設定したQoSフローリストを,QoSフローグループコマンドによってインタフェースに適用する場合
  • QoSフローリストをQoSフローグループコマンドによって適用し,エントリを追加する場合
  • 装置またはBSU起動時,運用コマンドcopyまたはrestart vlan実行時にQoSエントリを適用する場合

(9) QoSエントリ変更時の動作

本装置では,インタフェースに適用済みのQoSエントリを変更すると,変更が反映されるまでの間,検出の対象となるフレームが検出されなくなります。そのため,一時的にほかのQoSエントリで検出される場合があります。

(10) VLANインタフェースの送信側での統計情報

本装置でフラッディングされるパケットまたは宛先MACアドレスがマルチキャストアドレスのパケットをレイヤ2中継する場合,次に示す三つの条件をすべて満たすと,VLANインタフェースの送信側に設定したQoSフローリストの統計情報が実際の値より65536の倍数分少なくなることがあります。この統計情報とは,運用コマンドshow qos-flowおよびMIBの統計情報の両方を指します。

なお,フロー検出動作には影響ありません。

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