コンフィグレーションガイド Vol.1
MLD snoopingが設定されたVLANでMLDメッセージを受信することによってマルチキャストMACアドレスをダイナミックに学習します。学習したマルチキャストMACアドレスはMACアドレステーブルに登録します。
- <この項の構成>
- (1) エントリの登録
- (2) エントリの削除
(1) エントリの登録
MLDv1 Reportメッセージおよび,MLDv2 Report(加入要求)メッセージを受信すると,メッセージに含まれるマルチキャストグループアドレスからマルチキャストMACアドレスを学習し,MLDv1/MLDv2 Reportメッセージを受信したポートにだけマルチキャストグループ宛てのトラフィックを転送するエントリを作成します。IPv6マルチキャストデータの宛先MACアドレスはIPアドレスの下位32ビットをMACアドレスにコピーして生成します。
IPv6マルチキャストアドレスはマルチキャストグループを識別するグループIDフィールドが112ビット長のフォーマットと32ビット長のフォーマットの2種類が規定されています。グループIDフィールドが112ビット長のアドレスフォーマットを使用する場合は,IPv4マルチキャストアドレスと同様にMACアドレスの重複が発生します。IPv6マルチキャストアドレスとMACアドレスの対応を次の図に示します。
図27-4 IPv6マルチキャストアドレスとMACアドレスの対応
(2) エントリの削除
学習したマルチキャストMACアドレスは次のどれかの場合に,すべてのポートにグループメンバーが存在しなくなった時点で削除されます。
- MLDv1 Doneメッセージを受信した場合
MLDv1 Doneメッセージを受信したポートに対して,本装置からGroup-Specific Queryメッセージを1秒間隔で2回送信します(Group-Specific Queryメッセージの送信は,クエリア設定時だけです。未設定時は代表クエリアから送信されます)。応答がない場合にエントリからこのポートだけを削除します(このポートへのマルチキャストトラフィックの中継を抑止します)。VLAN内のすべてのポートにグループメンバーが存在しなくなった場合にエントリ自体を削除します。
- MLDv2 Report(離脱要求)メッセージを受信した場合
MLDv2 Report(離脱要求)メッセージを受信したポートに対して,本装置からGroup-Specific Queryメッセージを1秒間隔で2回送信します(Group-Specific Queryメッセージの送信は,クエリア設定時だけです。未設定時は代表クエリアから送信されます)。応答がない場合にエントリからこのポートだけを削除します(このポートへのマルチキャストトラフィックの中継を抑止します)。VLAN内のすべてのポートにグループメンバーが存在しなくなった場合にエントリ自体を削除します。ただし,マルチキャストアドレスレコードタイプがBLOCK_OLD_SOURCESのMLDv2 Reportを受信した場合は,次の条件をすべて満たした場合だけ,Group-Specific Queryメッセージの送信および,エントリ削除処理を実行します。
・自装置にクエリア設定を行っている
・該当するVLANにIPv6マルチキャストを使用していない
- MLDv1/MLDv2 Report(加入要求)メッセージを受信してから一定時間経過した場合
マルチキャストルータは直接接続するインタフェース上にグループメンバーが存在するかを確認するために,定期的にMLD Queryメッセージを送信します。本装置はルータからのMLD Queryメッセージを受信した場合,VLAN内の全ポートに中継します。MLD Queryメッセージに対する応答がない場合,エントリからこのポートだけを削除します。すべてのポートから応答がない場合は,エントリ自体を削除します。
本装置ではエントリを削除するタイムアウト時間を260秒(デフォルト値)としています。260秒間MLDv1/MLDv2 Report(加入要求)メッセージを受信しない場合に対応するエントリを削除します。
タイムアウト時間は次に示す場合に,動的に設定します。
また,次の場合,タイムアウト時間はデフォルト値での運用となります。
- 他装置が代表クエリア(MLDv2での運用)
代表クエリアからのMLDv2 Queryメッセージ(QQICフィールド)から算出します。
- 自装置が代表クエリアでIPv6マルチキャストを使用
MLDv1/MLDv2にかかわらず,自装置に設定したQuery Intervalで算出します(ただし,Query Intervalを設定していなければ,デフォルト値での運用となります。)。
- 他装置が代表クエリア(MLDv1での運用)でIPv6マルチキャストを使用
該当するVLANにIPv6マルチキャストを使用していれば,自装置に設定したQuery Intervalで算出します(ただし,Query Intervalを設定していなければデフォルト値での運用となります。)。
注 タイムアウト時間は,Query Interval(QQICフィールドの値)×2+Query Response Intervalで算出します。
- 自装置が代表クエリアでIPv6マルチキャストは未使用
MLDv1/MLDv2にかかわらず,デフォルト値での運用となります。
- 他装置が代表クエリア(MLDv1での運用)でIPv6マルチキャストは未使用
該当するVLANにIPv6マルチキャストを使用していなけれは,デフォルト値での運用となります。この場合,該当するVLANではQuery Intervalを125秒で運用してください。
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