コンフィグレーションガイド Vol.1

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17.3.4 LACPモニター機能

LACPモニター機能は,LACPDU(リンクアグリゲーション制御フレーム)の受信を監視することで,本装置と接続装置間とのリンクの正常性を確認する機能です。この機能は,スタティックリンクアグリゲーションだけで使用できます。LACPリンクアグリゲーションとは異なり,LACPDUを送信しません。

<この項の構成>
(1) LACPモニター機能の適用例
(2) 監視時間
(3) 監視方法
(4) 通知方法
(5) 注意事項

(1) LACPモニター機能の適用例

LACPモニター機能の適用例を次の図に示します。

図17-4 LACPモニター機能の適用例

[図データ]

装置A−B間をLACPリンクアグリゲーションで接続し,スプリッタなどを使用して,装置A−B間の通信およびLACPDUを本装置へ分岐送信する構成で,本装置でLACPモニター機能を設定します。チャネルグループごとに受信を監視して,チャネルグループ内のどれかのポートでLACPDUを受信すると,到達状態を確認済と見なします。到達状態が変わると,SNMP通知を送信および運用メッセージを出力します。

(2) 監視時間

LACPDUの受信監視時間は,コンフィグレーションで設定するLACPDU送信間隔によって決定します。監視時間の決定方法を次の表に示します。なお,表中の時間は監視時間であり,SNMP通知の送信や運用メッセージの出力までには,若干の時間が掛かります。

表17-9 監視時間の決定方法

LACPDU送信間隔の設定 監視時間
long(デフォルト) 90秒
short 3秒

(3) 監視方法

LACPDU受信の監視方法を次の表に示します。

表17-10 監視方法

項目 内容
監視対象 チャネルグループ スタティックリンクアグリゲーションかつLACPモニター機能を設定したチャネルグループ
ポート 監視対象チャネルグループ内のすべてのポート
監視設定 設定方法 コンフィグレーションで,スタティックリンクアグリゲーションかつLACPモニター機能を設定
運用への反映契機 設定後すぐに運用に反映
到達状態の種類 確認済 到達確認ができている状態
未確認 初期状態および到達確認ができていない状態
到達状態の遷移契機 未確認から確認済への遷移 チャネルグループ内で一つLACPDUを受信したとき
確認済から未確認への遷移 次の場合に遷移。2.以降は,監視時間を待たないで遷移
  1. 監視時間内にチャネルグループ内で一つもLACPDUを受信していないとき
  2. コンフィグレーションでチャネルグループにshutdownを設定したとき(ただし,LACPDU受信およびLACP統計情報更新はする)
  3. チャネルグループ内のすべてのポートがリンクダウンしたとき
  4. コンフィグレーションでLACPモニター機能の設定を削除したとき
  5. チャネルグループ内のポートのduplexが,すべて半二重モードとなったとき
到達状態の確認方法 運用コマンド表示 監視を設定して運用しているときだけ,次の情報を表示
  • リンクアグリゲーション情報および詳細情報で,到達状態を表示
  • リンクアグリゲーションのLACPDU送受信統計情報で,LACPDU統計情報を表示
MIB interfacesグループのifOperStatusの状態は,到達状態に従う
  • 確認済:up
  • 未確認:down
dot3adAggPortグループでのLACP統計情報は収集できない

(4) 通知方法

到達状態が遷移すると通知します。通知方法を次の表に示します。通常,これらはチャネルグループ状態が変化した場合に通知されますが,本機能を使用しているときだけ,その契機では通知しません。

表17-11 通知方法

項目 内容
SNMP通知
  • 確認済:linkUp
  • 未確認:linkDown
運用メッセージ
  • 確認済:チャネルグループUp(メッセージ識別子20120002)
  • 未確認:チャネルグループDown(メッセージ識別子20120003)

(5) 注意事項

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