コンフィグレーションガイド Vol.1

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16.4.1 機能一覧

<この項の構成>
(1) 接続インタフェース
(2) オートネゴシエーション
(3) フローコントロール
(4) 自動MDIX機能
(5) ジャンボフレーム
(6) 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T接続時の注意事項

(1) 接続インタフェース

(a) 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T自動認識(オートネゴシエーション)

10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tでは自動認識機能(オートネゴシエーション)と固定接続機能をサポートしています。

コンフィグレーションでは次のモードを指定できます。接続するネットワークに合わせて設定してください。本装置のデフォルト値は,オートネゴシエーションとなります。

(b) 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T接続仕様

本装置のコンフィグレーションでの指定値と相手装置の伝送速度および,全二重および半二重モードの接続仕様を次の表に示します。

10BASE-Tおよび100BASE-TXは,相手装置によってオートネゴシエーションでは接続できない場合がありますので,できるだけ相手装置のインタフェースに合わせた固定設定にしてください。

1000BASE-Tは,全二重のオートネゴシエーションだけの接続となります。

表16-8 伝送速度および,全二重および半二重モードごとの接続仕様

接続装置 本装置の設定
設定 インタフェース 固定 オート
ネゴシエーション
10BASE-T
半二重※1
10BASE-T
全二重
100BASE-TX
半二重※1
100BASE-TX
全二重
固定 10BASE-T
半二重
10BASE-T
半二重
× × × 10BASE-T
半二重※2
10BASE-T
全二重
× 10BASE-T
全二重
× × ×
100BASE-TX
半二重
× × 100BASE-TX
半二重
× 100BASE-TX
半二重※2
100BASE-TX
全二重
× × × 100BASE-TX
全二重
×
1000BASE-T
半二重
× × × × ×
1000BASE-T
全二重
× × × × ×
オート
ネゴシエーション
10BASE-T
半二重
10BASE-T
半二重
× × × 10BASE-T
半二重※2
10BASE-T
全二重
× × × × 10BASE-T
全二重
10BASE-T
全二重および半二重
10BASE-T
半二重
× × × 10BASE-T
全二重
100BASE-TX
半二重
× × 100BASE-TX
半二重
× 100BASE-TX
半二重※2
100BASE-TX
全二重
× × × × 100BASE-TX
全二重
100BASE-TX
全二重および半二重
× × 100BASE-TX
半二重
× 100BASE-TX
全二重
10BASE-T/
100BASE-TX
全二重および半二重
10BASE-T
半二重
× 100BASE-TX
半二重
× 100BASE-TX
全二重
1000BASE-T
半二重
× × × × ×
1000BASE-T
全二重
× × × × 1000BASE-T
全二重
1000BASE-T
全二重および半二重
× × × × 1000BASE-T
全二重
10BASE-T/
100BASE-TX/
1000BASE-T
全二重および半二重
10BASE-T
半二重
× 100BASE-TX
半二重
× 1000BASE-T
全二重

(凡例) ×:接続できない

注※1
NK1GS-8M,NH1GS-6Mの10BASE-Tおよび100BASE-TXの場合,設定できません。

注※2
NK1GS-8M,NH1GS-6Mの10BASE-Tおよび100BASE-TXの場合,接続できません。

(2) オートネゴシエーション

オートネゴシエーションは,伝送速度および,全二重および半二重モード認識およびフローコントロールについて,対向装置間でやりとりを行い,接続動作を決定する機能です。

本装置での接続仕様を,「表16-8 伝送速度および,全二重および半二重モードごとの接続仕様」に示します。また,本装置では,ネゴシエーションで解決できなかった場合,リンク接続されるまで接続動作を繰り返します。

(3) フローコントロール

フローコントロールは,装置内の受信バッファ枯渇でフレームを廃棄しないように,相手装置にフレームの送信をポーズパケットによって,一時的に停止指示する機能です。自装置がポーズパケット受信時は,送信規制を行います。この機能は全二重だけサポートします。

本装置では,受信バッファの使用状況を監視し,相手装置の送信規制を行う場合,ポーズパケットを送信します。本装置がポーズパケット受信時は,送信規制を行います。フローコントロールのコンフィグレーションは,送信と受信でそれぞれ設定でき,有効または無効および,ネゴシエーション結果により決定したモードを選択できます。本装置と相手装置の設定を送信と受信が一致するように合わせてください。例えば,本装置のポーズパケット送信をonに設定した場合,相手装置のポーズパケット受信は有効に設定してください。本装置と相手装置の設定内容と実行動作モードを「表16-9 フローコントロールの送信動作」,「表16-10 フローコントロールの受信動作」および「表16-11 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」に示します。

表16-9 フローコントロールの送信動作

本装置のポーズ
パケット送信
相手装置の
ポーズパケット受信
フローコントロール動作
on 有効 相手装置が送信規制を行う
off 無効 相手装置が送信規制を行わない
desired desired 相手装置が送信規制を行う

(凡例)
on:有効。
off:無効。desiredと組み合わせた設定の場合,ネゴシエーション結果によって動作します。フローコントロール動作は「表16-11 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」を参照してください。
desired:有効。オートネゴシエーション選択時は,ネゴシエーション結果によって動作します。フローコントロール動作は「表16-11 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」を参照してください。

表16-10 フローコントロールの受信動作

本装置のポーズ
パケット受信
相手装置の
ポーズパケット送信
フローコントロール動作
on 有効 本装置が送信規制を行う
off 無効 本装置が送信規制を行わない
desired desired 本装置が送信規制を行う

(凡例)
on:有効。
off:無効。desiredと組み合わせた設定の場合,ネゴシエーション結果によって動作します。フローコントロール動作は「表16-11 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」を参照してください。
desired:有効。オートネゴシエーション選択時は,ネゴシエーション結果によって動作します。フローコントロール動作は「表16-11 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作」を参照してください。

表16-11 オートネゴシエーション時のフローコントロール動作

本装置 相手装置 本装置のオートネゴシエーション結果 フローコントロール動作
ポーズパケット送信 ポーズパケット受信 ポーズパケット送信 ポーズパケット受信 ポーズパケット送信 ポーズパケット受信 本装置の送信規制 相手装置の送信規制
on desired 有効 有効 on on 行う 行う
無効 on off 行わない 行わない
desired on on 行う 行う
無効 有効 on on 行わない 行う
無効 on off 行わない 行わない
desired on on 行う 行う
desired 有効 on on 行う 行う
無効 on off 行わない 行わない
desired on on 行う 行う
off 有効 有効 on on 行う 行う
無効 off on 行う 行わない
desired on on 行う 行う
無効 有効 on on 行わない 行う
無効 off off 行わない 行わない
desired on on 行う 行う
desired 有効 on on 行う 行う
無効 off on 行う 行わない
desired on on 行う 行う
desired on 有効 有効 on on 行う 行う
無効 off on 行う 行わない
desired on on 行う 行う
無効 有効 on on 行わない 行う
無効 off on 行わない 行わない
desired on on 行う 行う
desired 有効 on on 行う 行う
無効 off on 行わない 行わない
desired on on 行う 行う
off 有効 有効 off off 行わない 行わない
無効 off off 行わない 行わない
desired off off 行わない 行わない
無効 有効 on off 行わない 行う
無効 off off 行わない 行わない
desired on off 行わない 行う
desired 有効 off off 行わない 行わない
無効 off off 行わない 行わない
desired off off 行わない 行わない
desired 有効 有効 on on 行う 行う
無効 off off 行わない 行わない
desired on on 行う 行う
無効 有効 on on 行わない 行う
無効 off off 行わない 行わない
desired on on 行う 行う
desired 有効 on on 行う 行う
無効 off off 行わない 行わない
desired on on 行う 行う

(4) 自動MDIX機能

自動MDIX機能は,MDIとMDI-Xを自動的に切り替える機能です。これによって,クロスケーブルまたはストレートケーブルどちらでも通信できるようになります。オートネゴシエーション時だけサポートします。半二重および全二重固定時はMDI-Xとなります。MDI/MDI-Xのピンマッピングを次の表に示します。

表16-12 MDI/MDI-Xのピンマッピング

RJ45
Pin No.
MDI MDI-X
1000BASE-T 100BASE-TX 10BASE-T 1000BASE-T 100BASE-TX 10BASE-T
1 BI_DA+ TD+ TD+ BI_DB+ RD+ RD+
2 BI_DA− TD− TD− BI_DB− RD− RD−
3 BI_DB+ RD+ RD+ BI_DA+ TD+ TD+
4 BI_DC+ Unused Unused BI_DD+ Unused Unused
5 BI_DC− Unused Unused BI_DD− Unused Unused
6 BI_DB− RD− RD− BI_DA− TD− TD−
7 BI_DD+ Unused Unused BI_DC+ Unused Unused
8 BI_DD− Unused Unused BI_DC− Unused Unused

注1
10BASE-Tと100BASE-TXでは,送信(TD)と受信(RD)信号は別々の信号線を使用しています。

注2
1000BASE-Tでは,8ピンすべてを送信と受信が同時双方向(bi-direction)通信するため,信号名表記が異なります。(BI_Dx:双方向データ信号)

(5) ジャンボフレーム

ジャンボフレームは,MACヘッダのDA〜データが1518オクテットを超えるフレームを中継するための機能です。コンフィグレーションコマンドip mtuのMTU長を合わせて変更することで,IPパケットをフラグメント化するサイズを大きくすることもできます。

本装置では,Ethernet V2形式フレームだけをサポートします。802.3形式フレームはサポートしていません。フレームについては「16.1.3 MACおよびLLC副層制御」のフレームフォーマットを参照してください。Taggedフレームについては「20.1.5 VLAN Tag」のTaggedフレームのフォーマットを参照してください。また,物理インタフェースは,100BASE-TX(全二重),1000BASE-T(全二重)だけサポートします。ジャンボフレームのサポート機能を次の表に示します。

表16-13 ジャンボフレームサポート機能

項目 フレーム形式 内容
EthernetV21 IEEE802.3
フレーム長
(オクテット)
1519〜9596 × MACヘッダのDA〜データの長さ。FCSは含みません。
受信機能 × IEEE802.3フレームは,LENGTHフィールド値が0x05DD(1501オクテット)以上の場合に廃棄します。
送信機能 × IEEE802.3フレームは送信しません。

(凡例) ○:サポート ×:未サポート

注※ 「16.1.3 MACおよびLLC副層制御」のフレームフォーマットを参照してください。


(6) 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T接続時の注意事項

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