コンフィグレーションガイド Vol.1

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3.4.5 レイヤ2スイッチ

<この項の構成>
(1) MACアドレステーブル
(2) MACアドレス学習
(3) スタティックMACアドレス登録
(4) VLAN
(5) スパニングツリー
(6) Ring Protocol
(7) ポリシーベーススイッチング
(8) IGMP snooping/MLD snooping

(1) MACアドレステーブル

L2スイッチ機能では,複数の機能でMACアドレステーブルを使用しています。例えば,MACアドレスの学習機能では,接続された端末のMACアドレスをダイナミックに学習してMACアドレステーブルへ登録します。

MACアドレステーブルの最大エントリ数については,次の表を参照してください。

MACアドレステーブルを使用する機能と,その機能によるMACアドレステーブルの使用量を次の表に示します。

表3-135 MACアドレステーブルを使用する機能

機能名 使用量
MACアドレス学習抑止機能 設定したVLANごとに1エントリ
スタティックMACアドレス登録機能 登録したMACアドレスごとに1エントリ
スタティックARP/NDP登録機能 登録したARP/NDPエントリごとに1エントリ
MACアドレス学習機能
ARP/NDP学習機能
学習したアドレスごとに1エントリ
Ring Protocol機能 [マスタノード時]
 リングIDごとに2エントリ
[共有ノード時]
 リングIDごとに1エントリ
IGMP/MLD snooping機能(学習) 学習したMACアドレスごとに1エントリ
IGMP snooping機能 設定したVLANごとに2エントリ
MLD snooping 機能 設定したVLANごとに8エントリ
IEEE802.1X 認証済み端末ごとに1エントリ
Web認証機能 認証済み端末ごとに1エントリ
MAC認証機能 認証済み端末ごとに1エントリ

注※ MACアドレスと対応するARP/NDPを学習した場合は合わせて1エントリとなります


MACアドレステーブルのエントリ数が最大エントリ数に達した場合,新たなエントリを登録できなくなるため,上記の収容条件内で運用してください。

運用中は,運用コマンドshow systemでMACアドレステーブルの使用状況を確認できます。

(2) MACアドレス学習

MACアドレス学習数の収容条件は,「表3-125 CSU-1A経路配分パターンと収容経路エントリ数(その1)」「表3-129 CSU-1B経路配分パターンと収容経路エントリ数(その1)」で示したMACアドレステーブルの最大エントリ数となります。「表3-135 MACアドレステーブルを使用する機能」に示したほかの機能を使用した場合は,ほかの機能で使用した分だけMACアドレス学習数の最大数が減少します。

(3) スタティックMACアドレス登録

スタティックMACアドレス登録機能の収容条件を次の表に示します。

表3-136 スタティックMACアドレスの登録数

モデル 装置当たり
AX6600Sシリーズ共通 1000

MACアドレステーブルに空きがない場合は,スタティックMACアドレス登録機能の最大数まで登録できないことがあります。

(4) VLAN

コンフィグレーションによって設定できるVLANの数を次の表に示します。

表3-137 VLAN数

モデル 装置当たりVLAN ポート当たりVLAN VLANポート数
AX6600Sシリーズ共通 4095 4095 100000

VLANポート数が収容条件を超えた場合,CPUの利用率が高くなり,コンフィグレーションコマンドや運用コマンドのレスポンスが遅くなったり,実行できなくなったりすることがあります。

(a) プロトコルVLAN

プロトコルVLANでは,イーサネットフレーム内のEthernet-Type,LLC SAP,およびSNAP typeフィールドの値を基にプロトコルの識別を行います。コンフィグレーションによって設定できるプロトコルVLANの収容条件を次の表に示します。

表3-138 プロトコルVLANのプロトコルの種類数

モデル 装置当たり ポート当たり
AX6600Sシリーズ共通 16 16

表3-139 プロトコルVLAN数

モデル 装置当たり
AX6600Sシリーズ共通 96

表3-140 プロトコルポート数

モデル 装置当たり
AX6600Sシリーズ共通 96

(b) MAC VLAN

MAC VLANの収容条件を次の表に示します。

表3-141 MAC VLANの登録MACアドレス数

モデル コンフィグレーションによる最大登録MACアドレス数 L2認証機能による最大登録MACアドレス数 コンフィグレーションによる登録数とL2認証機能による登録数の同時登録最大MACアドレス数
AX6600Sシリーズ共通 4096 4096 4096

(c) Tag変換

コンフィグレーションによって設定できるTag変換情報エントリ数を次の表に示します。

表3-142 Tag変換情報エントリ数

モデル 装置当たり
AX6600Sシリーズ共通 4096

注※ Tag変換情報エントリをポートチャネルインタフェースに設定する場合,Tag変換情報エントリ数は該当チャネルグループのポート数で計算します。


(d) VLANトンネリング

コンフィグレーションによって設定できるVLANトンネリングの数を次の表に示します。

表3-143 VLANトンネリングの数

モデル 装置当たり
AX6600Sシリーズ共通 4095

(e) VLAN識別テーブル

VLAN識別テーブルは,フレーム受信時にVLANを識別するためのテーブルです。プロトコルVLAN,MAC VLAN,およびTag変換では,VLAN識別テーブルを使用します。これらの機能を同時に使用する場合は,次の収容条件となります。

ポートごとのプロトコル数+登録MACアドレス数+Tag変換情報エントリ数≦4096

ポートごとのプロトコル数
装置内の各プロトコルポートに設定するプロトコル数の合計。リンクアグリゲーションを使用する場合は,ポートチャネルインタフェースに設定するプロトコル数で計算するため,チャネルグループの収容ポート数は無関係です。

登録MACアドレス数
コンフィグレーションによるMACアドレス登録数とL2認証機能によるMACアドレス登録数の合計。

Tag変換情報エントリ数
コンフィグレーションで設定するTag変換情報エントリの数。リンクアグリゲーションを使用する場合は,ポートチャネルインタフェースに設定するTag変換情報エントリ数で計算するため,チャネルグループの収容ポート数は無関係です。

(5) スパニングツリー

スパニングツリーの収容条件を種類ごとに次の表に示します。

なお,スパニングツリーのVLANポート数は,スパニングツリーが動作するVLANに所属するポート数の延べ数です。チャネルグループの場合,チャネルグループ当たりの物理ポート数を数えます。ただし,次のVLANやポートは,VLANポート数に含めません。

 

表3-144 PVST+の収容条件

モデル Ring Protocol共存有無 対象VLAN数 VLANポート数
AX6600Sシリーズ共通 共存なし 250 1000
共存あり 128 900

表3-145 シングルスパニングツリーの収容条件

モデル Ring Protocol共存有無 対象VLAN数 VLANポート数
AX6600Sシリーズ
共通
共存なし 4095 シングルだけ 10000
PVST+併用時 5000
共存あり シングルだけ 9000
PVST+併用時 4500

注※
PVST+併用時,PVST+のVLANポート数とシングルスパニングツリーのVLANポート数との合計が最大値となります。

表3-146 マルチプルスパニングツリーの収容条件

モデル Ring Protocol共存有無 MSTインスタンス数 MSTインスタンスごとの対象VLAN数 VLANポート数
AX6600Sシリーズ共通 共存なし 16 200 10000
共存あり 16 200 9000

注※
MSTインスタンス0は除きます。MSTインスタンス0の対象VLAN数は4095となります。なお,運用中は運用コマンドshow spanning-tree port-countで対象VLAN数とVLANポート数を確認できます。

(6) Ring Protocol

(a) Ring Protocol

Ring Protocolの収容条件を次の表に示します。

表3-147 Ring Protocol収容条件

項目 リング当たり 装置当たり
リング数 16※1
VLANマッピング数 128※2
VLANグループ数 2 32
VLANグループのVLAN数 4094※3 4094※3
リングポート数※4 2 32

(凡例)−:該当なし

注※1
リングネットワークの構成によっては,最大数の16個まで設定できない場合があります。

注※2
Ring ProtocolとVRF機能を併用する(コンフィグレーションコマンドvrf modeのaxrp-enableパラメータ,またはaxrp-enable-ipv4-ipv6パラメータを設定している)場合,装置当たりのVLANマッピング数は64となります。【OP-NPAR】

注※3
制御VLAN用にVLANを一つ消費するため,VLANグループに使用できるVLAN最大数は4094となります。

注※4
チャネルグループの場合は,チャネルグループ単位で1ポートと数えます。

(b) 仮想リンク

仮想リンクの収容条件を次の表に示します。

表3-148 仮想リンクの収容条件

項目 最大数
装置当たりの仮想リンクID数 1
仮想リンク当たりのVLAN数 1
拠点当たりのリングノード数 2
ネットワーク全体での仮想リンクの拠点数 250

(c) Ring ProtocolとスパニングツリーまたはGSRP併用時の物理ポート数

Ring Protocolとスパニングツリー,またはRing ProtocolとGSRPの併用時の収容条件を次の表に示します。なお,リングポートを収容しているNIFが対象となります。

表3-149 Ring ProtocolとスパニングツリーまたはGSRP併用時の収容条件

NIF略称 使用可能な物理ポート数※1※2
NK1G-24T PSPシングルアクト運転の場合,12ポートまで
PSPダブルアクト運転の場合,すべてのポート
NK1G-24S PSPシングルアクト運転の場合,12ポートまで
PSPダブルアクト運転の場合,すべてのポート
NK1GS-8M すべてのポート
NK10G-4RX PSPシングルアクト運転の場合,1ポートまで
PSPダブルアクト運転の場合,2ポートまで※3※4
NK10G-4RXA PSPシングルアクト運転の場合,1ポートまで
PSPダブルアクト運転の場合,2ポートまで※3※4
NK10G-8RX PSPシングルアクト運転の場合,1ポートまで
PSPダブルアクト運転の場合,2ポートまで※4※5
NK10G-8RXA PSPシングルアクト運転の場合,1ポートまで
PSPダブルアクト運転の場合,2ポートまで※4※5

注※1
収容条件を超える物理ポートを使用した場合,常時または一時的にリングポートに高負荷のトラフィックが流れると,仮想リンクの制御フレームが廃棄されるおそれがあります。

注※2
収容条件は,対象NIFでリングポートを収容した場合に,そのNIFで使用可能な物理ポート数の最大となります。

注※3
ポート番号が1〜2,または3〜4のどちらかの範囲で使用してください。

注※4
CSUの冗長性を確保したい場合は,使用する物理ポートを1ポートまでで運用してください。

注※5
ポート番号が1〜2,3〜4,5〜6,または7〜8のどれかの範囲で使用してください。

(7) ポリシーベーススイッチング

ポリシーベーススイッチングでは,フィルタのフロー検出を使用して,ポリシーベーススイッチングの対象にするフローを検出します。なお,ポリシーベーススイッチングは,フロー系エントリの配分パターンがqos-only以外,かつ経路系テーブル容量がextendedのときだけ使用できます。

(a) ポリシーベーススイッチングの収容条件

装置当たりのポリシーベーススイッチンググループのエントリ数を次の表に示します。

表3-150 装置当たりのポリシーベーススイッチンググループのエントリ数

項目 エントリ数
アクセスリストエントリ数 表3-154 フィルタ・QoSエントリ数」を参照※1
ポリシーベーススイッチングリスト数 1000※2
ポリシーベーススイッチングリスト情報内に設定できる経路数 8
ポリシーベーススイッチングのトラッキング機能と連携できるエントリ数 8000

注※1
エントリ数の算出方法は,「3.4.6 フィルタ・QoS」と同じです。

注※2
1ポリシーベーススイッチングリスト情報を1リストとして登録します。このため,複数のアクセスリストで同一のポリシーベーススイッチングリスト情報を設定した場合,使用するリスト数は1リストと計算します。

(b) トラッキング機能の収容条件

ポリシーベーススイッチングのトラッキング機能の収容条件を次の表に示します。

表3-151 トラッキング機能の収容条件

項目 収容条件
トラックの数 1024※2
ポーリング監視トラックの数※1 1024※2

注※1
コンフィグレーションコマンドtype icmpを設定したトラックの数です。

注※2
ポリシーベースルーティングのトラッキング機能でのトラックの数との延べ数になります。

(8) IGMP snooping/MLD snooping

IGMP snoopingの収容条件を次の表に示します。IGMP snoopingで学習したマルチキャストMACアドレスはMACアドレステーブルに登録します。登録可能なマルチキャストMACアドレス数を次の表に示します。

表3-152 IGMP snooping収容条件

モデル マルチキャスト同時使用 最大数
設定VLAN数※1 収容ポート数※2 登録エントリ数
AX6600Sシリーズ共通
(CSU-1A搭載時)
256 16 1000
32 500
64 250
× 256 16 2000
32 1000
64 500
128 250
AX6600Sシリーズ共通
(CSU-1B搭載時)
256 32 2000
64 1000
× 256 32 4000
64 2000
128 1000

(凡例)
○:IPv4マルチキャスト,またはIPv6マルチキャストを同時使用する
×:IPv4マルチキャスト,またはIPv6マルチキャストを同時使用しない

注※1
snoopingが動作するポート数(snooping設定VLANに収容されるポートの総和)は装置全体で最大4096です。例えば,おのおの10ポート収容している128個のVLANでsnoopingを動作させる場合,snooping動作ポート数は1280となります。

注※2
リンクアグリゲーションポートは1ポートと数えます。

MLD snoopingの収容条件を次の表に示します。MLD snoopingで学習したマルチキャストMACアドレスはMACアドレステーブルに登録します。登録可能なマルチキャストMACアドレス数を次の表に示します。

表3-153 MLD snooping収容条件

モデル マルチキャスト同時使用 最大数
設定VLAN数※1 収容ポート数※2 登録エントリ数
AX6600Sシリーズ共通
(CSU-1A搭載時)
256 16 1000
32 500
64 250
× 256 16 2000
32 1000
64 500
128 250
AX6600Sシリーズ共通
(CSU-1B搭載時)
256 32 2000
64 1000
× 256 32 4000
64 2000
128 1000

(凡例)
○:IPv4マルチキャスト,またはIPv6マルチキャストを同時使用する
×:IPv4マルチキャスト,またはIPv6マルチキャストを同時使用しない

注※1
snoopingが動作するポート数(snooping設定VLANに収容されるポートの総和)は装置全体で最大4096です。例えば,おのおの10ポート収容している128個のVLANでsnoopingを動作させる場合,snooping動作ポート数は1280となります。

注※2
リンクアグリゲーションポートは1ポートと数えます。

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