運用ガイド
VRRP構成で通信ができない場合は,次の表に示す障害解析方法に従って原因の切り分けおよび情報収集を行ってください。
表8-39 VRRPの障害解析方法
項番 確認内容・コマンド 対応 1 同一仮想ルータを構成する相手装置と本装置において仮想ルータの状態を確認し,マスタルータとなっている装置が1台でありほかの装置はバックアップになっていることを確認してください。 同一仮想ルータを構成する装置間で,マスタ状態となっている装置が1台だけであり,そのほかはバックアップとなっている場合には,本装置を含めた通信経路上の装置での経路情報を確認してください。 仮想ルータの状態が正しい場合は項番2へ。 2 同一仮想ルータを構成する相手装置と本装置の仮想ルータの状態が,お互いにマスタ状態となっていないことを確認してください。 複数の仮想ルータがマスタ状態となっている場合は項番3へ。 複数の仮想ルータがマスタ状態となっていない場合は項番5へ。 3 pingコマンドで,マスタルータ間の通信を実IPv4アドレスで確認してください。 マスタルータ間の実IPv4アドレスによる通信ができない場合,仮想ルータを構成するルータ間の物理的なネットワーク構成を確認してください。 マスタルータ間の実IPv4アドレスを用いたpingコマンドによる確認ができた場合は項番4へ。 4 show vrrpstatus detailコマンドによりVRRPの統計情報を確認してください。 VRRPの受信パケットにエラーが発生している場合は,本装置と相手装置のコンフィグレーションを再確認してください。 VRRPのパケットが正常に受信されている場合は,相手装置を確認してください。受信されていない場合には,ネットワークの物理構成を確認してください。 5 障害監視インタフェース定義がある場合,障害監視インタフェースの状態を確認してください。 障害監視インタフェースを定義したインタフェースに別の仮想ルータの定義があり,その仮想ルータの障害監視インタフェースが該当仮想ルータのインタフェースになっていないことを確認してください。なっている場合は,どちらかの障害インタフェースの定義を削除してください。 上記の障害監視インタフェースの定義がない場合は項番6へ。 6 フィルタの定義でVRRPのAdvertisementパケットを廃棄する設定がないことを確認してください。 該当するフィルタの定義がある場合,VRRPのAdvertisementを廃棄しないようにフィルタの定義を変更してください。 フィルタの定義がない場合,同一の仮想ルータを構成する相手装置の動作を確認してください。 7 仮想MACアドレス宛の中継ができない。 show tech-supportコマンド(詳細は「9.1 障害情報の取得」を参照してください)に加え,以下のVRRPの情報収集を行ってください。
- show vrrpstatus detail(画面ログ)
- show vrrpstatus statistics(画面ログ)
- cat /var/log/daemon.log (画面ログ)
- /usr/local/bin/vrrpstat -Z※
→/primaryMC/usr/var/vrrp/vrrpdumpファイルの収集
- /usr/local/bin/vrrpstat -X (画面ログ)※
- /usr/local/bin/vrrpstat -X sendcmd dump,portmap※
→/primaryMC/usr/var/vrrp/vrrpportmapファイルの収集
- /usr/local/bin/vrrpstat -X sendcmd dump,l2talk※
→/primaryMC/usr/var/vrrp/l2talkdump ファイルの収集
注※ 補完がありません。
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