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8.13.1 GSRPの通信障害

GSRP構成で通信ができない場合は,次の表に示す障害解析方法に従って原因の切り分けを行ってください。

表8-37 GSRPの障害解析方法

項番 確認内容・コマンド 対応
1 同一GSRPグループを構成する本装置と相手装置において,通信障害となっているVLANが所属するVLANグループの状態をshow gsrpコマンドで確認してください。 一方がMaster,他方がMaster以外となっている場合は,項番2へ。
一方がBackup(No Neighbor)となっている場合は,ダイレクトリンク間の通信異常を復旧してください。また,必要に応じ,Backup(No Neighbor)となっている一方をset gsrp masterコマンドでMasterにしてください。
Backup(No Neighbor)ではない装置のVLANグループ番号が9以上の場合,「解説書 Vol.2 5.6(14) VLANグループ番号に関する注意」に示すH/Wを使用していないか確認してください。
両方がBackup,またはBackup(Waiting)となっている場合は,装置間でマスタ/バックアップ選択方法(Selection-Pattern)が同一となっているか確認してください。
両方がBackup(Lock)となっている場合は,一方または両方のロック状態を解除してください。
両方がMasterとなっている場合には,片方のGSRPプログラムをrestart gsrpコマンドで再起動してください。
その他の場合は,一時的な状態遷移の過渡状態です。しばらく通信復旧をお待ちください。
2 本装置の当該VLANポートの状態,および通信パス上の装置を確認してください。 異常となっている本装置の当該VLANポート,または通信パス上の装置を復旧してください。
以下の条件をすべて満たす場合は,freeコマンドにより当該VLANポートを運用状態にしてください。
  1. 当該VLANポートに対するFDBフラッシュ方法がResetである場合(show gsrp portコマンドで確認してください)
  2. 本装置がBCU二重化構成であり,過去にBCU切り替えが発生している(show loggingコマンドで確認してください)
本装置の当該VLANポート,または通信パス上の装置に異常がない場合は項番3へ。
3 本装置の当該VLANポートに対するFDBフラッシュ方法(GSRP/Reset/No)をshow gsrp portコマンドで確認してください。 FDBフラッシュ方法がGSRP/Resetのどちらかであり,構成と合っていない場合は,コンフィグレーションコマンドgsrpのreset-flush-port,gsrp no-flush-portサブコマンドを修正してください。
FDBフラッシュ方法がGSRP/Resetのどちらかであり,構成と合っている場合は,dump protocols gsrpコマンドでGSRPダンプ情報(格納ディレクトリ:/primaryMC/var/gsrp/,ファイル:gsrp_dump.gz)を収集し,保守員に連絡してください。
FDBフラッシュ方法がNoの場合は,通信パス上の隣接装置のFDBがエージングされるまでお待ちください。

GSRP構成でマスタ/バックアップが意図したとおりに切り替らない場合は,次の表に示す障害解析方法に従って原因の切り分けを行ってください。

表8-38 GSRPの障害解析方法

項番 確認内容・コマンド 対応
1 マスタ/バックアップが意図したとおりに切り替らないVLANグループの状態をshow gsrpコマンドで確認してください。 一方がMaster,他方がMaster以外となっている場合は,項番2へ。
一方がBackup(No Neighbor)となっている場合は,ダイレクトリンク間の通信異常を復旧してください。また,必要に応じ,Backup(No Neighbor)となっている一方をset gsrp masterコマンドでMasterにしてください。
両方がBackup,またはBackup(Waiting)となっている場合は,装置間でマスタ/バックアップ選択方法(Selection-Pattern)が同一となっているか確認してください。
両方がBackup(Lock)となっている場合は,一方または両方のロック状態を解除してください。
両方がMasterとなっている場合には,片方のGSRPプログラムをrestart gsrpコマンドで再起動してください。
その他の場合は,一時的な状態遷移の過渡状態です。しばらくお待ちください。
2 マスタ/バックアップ選択方法(Selection-Pattern)と本装置,および相手装置のアクティブポート数(Active-Ports),優先度情報(Priority),MACアドレスに基づくマスタ/バックアップ選択が正しいかをshow gsrp,show gsrp <GSRP-ID> vlan-group <VLAN group ID list>コマンドで確認してください。 正しいが,アクティブポート数(Active Ports)とアップポート数(Up Ports)が一致していない場合は,項番3へ。
正しくない場合は,dump protocols gsrpコマンドでGSRPダンプ情報(格納ディレクトリ:/primaryMC/var/gsrp/,ファイル:gsrp_dump.gz)を収集し,保守員に連絡してください。
3 アクティブポートに反映するまでの遅延時間(port-up-delay)と遅延残時間(delay)をshow gsrp detail,show gsrp <GSRP-ID> port <Port list>コマンドで確認してください。 遅延時間(port-up-delay)が無限(infinity)であり,アップポート数(UP Ports)をアクティブポート数(Active Ports)に反映したい場合は,clear gsrp port-up-delayコマンドを実行してください。
遅延時間(port-up-delay)が無限(infinity)でなく,遅延残時間(delay)が残っている場合は,遅延残時間後に反映されるので,お待ちください。また,即時に反映したい場合は,clear gsrp port-up-delayコマンドを実行してください。

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