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8.5.2 スパニングツリー機能使用時の障害

スパニングツリー機能を使用し,レイヤ2通信の障害,またはスパニングツリーの運用状態がネットワーク構成どおりでない場合,次の表に示す解析方法に従って原因の切り分けを行ってください。マルチプルスパニングツリーの場合は,CISTまたはMSTインスタンスごとに確認をしてください。例えば,ルートブリッジに関して確認するときは,CISTのルートブリッジまたはMSTインスタンスごとのルートブリッジと読み替えて確認してください。

表8-20 スパニングツリーの障害解析方法

項番 確認内容・コマンド 対応
1 障害となっているスパニングツリーに対してshow spanning-treeコマンドを実行し,スパニングツリーのプロトコル動作状況を確認してください。 Enableの場合は項番2へ
Disableの場合はスパニングツリーが停止状態になっています。コンフィグレーションを確認してください。
2 障害となっているスパニングツリーに対してshow spanning-treeコマンドを実行し,スパニングツリーのルートブリッジのブリッジ識別子を確認してください。 ルートブリッジのブリッジ識別子がネットワーク構成どおりのルートブリッジになっている場合は項番3へ。
ルートブリッジのブリッジ識別子がネットワーク構成どおりのルートブリッジでない場合は,ネットワーク構成,コンフィグレーションを確認してください。
3 障害となっているスパニングツリーに対してshow spanning-treeコマンドを実行し,スパニングツリーのポート状態,ポート役割を確認してください。 スパニングツリーのポート状態,ポート役割がネットワーク構成どおりになっている場合は項番4へ。
PVST+で運用しているときに,当該ポートを一つのVLANにしか定義してなく,かつuntagged-port定義している場合は,「解説書 Vol.2 15.3.1 PVST+でのシングルスパニングツリーとの接続」を参照し,必要であれば一度,リンクダウンさせてください。
スパニングツリーのポート状態,ポート役割がネットワーク構成とは異なる場合は,隣接装置の状態とコンフィグレーションを確認してください。
4 障害となっているスパニングツリーに対してshow spanning-tree statisticsコマンドを実行し,障害となっているポートでBPDUの送受信を確認してください。 BPDUの送受信カウンタを確認してください。

【ルートポートの場合】
BPDU受信カウンタがカウントアップされている場合は項番5へ。カウントアップされていない場合は隣接装置の確認をしてください。

【指定ポートの場合】
BPDU送信カウンタがカウントアップされている場合は項番5へ。カウントアップされていない場合は,「8.4 ネットワークインタフェースの通信障害」を参照してください。
5 障害となっているスパニングツリーに対してshow spanning-tree detailコマンドを実行し,受信BPDUのブリッジ識別子を確認してください。 受信BPDUのルートブリッジ識別子,送信ブリッジ識別子がネットワーク構成どおりになっていることを確認してください。ネットワーク構成と異なっていた場合は隣接装置の状態を確認してください。
6 障害となっているスパニングツリーの最大数が収容条件内か確認してください。 収容条件の範囲内で定義してください。
収容条件については,「解説書 Vol.1 3.2 収容条件」を参照してください。

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