コンフィグレーションガイド

[目次][用語][索引][前へ][次へ]

7.3.6　PVST+（ポート優先度によるロードバランス）

＜この項の構成＞
(1)　設定内容の概要
(2)　構成図と設定条件
(3)　コンフィグレーション例

(1)　設定内容の概要

二つのVLAN毎にスパニングツリーを構築し，ポート優先度によるロードバランスを行う設定例を示します。

(2)　構成図と設定条件

［構成図］

図7-17　構成図

[図データ]

［設定条件］
  1. 本装置A，本装置BにポートVLANを設定します。
  2. 各装置にPVST+スパニングツリーをVLAN単位に設定します。
  3. 各ツリーはIEEE802.1wで動作するように設定します。
  4. サーバとPCの間のデータ転送を次のようにロードバランスします。
    ・VLAN100：ポート1/0同士を接続する回線で通信する。
    ・VLAN200：ポート1/1同士を接続する回線で通信する
  5. 本装置A，本装置Bを接続する回線はすべて同じ速度とします。

(3)　コンフィグレーション例

［コマンドによる設定］

＜本装置A＞
 1    (config)# spanning-tree-system
      [spanning-tree-system]
 2    (config)# link-type point-to-point 1/0-1
      [spanning-tree-system]
 3    (config)# exit
 4    (config)# spanning-tree pvst+ 100
      [spanning-tree pvst+ 100]
 5    (config)# protocol rstp
      [spanning-tree pvst+ 100]
 6    (config)# port-priority 112 1/0
      [spanning-tree pvst+ 100]
 7    (config)# port-priority 144 1/1
      [spanning-tree pvst+ 100]
 8    (config)# exit
 9    (config)# spanning-tree pvst+ 200
      [spanning-tree pvst+ 200]
10    (config)# protocol rstp
      [spanning-tree pvst+ 200]
11    (config)# port-priority 144 1/0
      [spanning-tree pvst+ 200]
12    (config)# port-priority 112 1/1
      [spanning-tree pvst+ 200]
13    (config)# exit

表7-30　本装置Aのコンフィグレーション解説

解説番号 解説
1，2 IEEE802.1wベースで運用するために，スパニングツリーシステム情報として，回線（ポート1/0と1/1）のリンクタイプをPoint-to-pointに設定します。
3 spanning-tree-systemモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
4 VLAN100に関するPVST+スパニングツリーを定義します。
5 当該ツリーはIEEE802.1wプロトコルで動作するように設定します。
6 ポート1/0に関するポート優先度（値が小さいほど高優先度）を128（デフォルト）から112に変更します。
7 ポート1/1に関するポート優先度を128から144に変更します。
8 spanning-treeモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
9 VLAN200に関するPVST+スパニングツリーを定義します。
10 当該ツリーはIEEE802.1wプロトコルで動作するように設定します。
11 ポート1/0に関するポート優先度を128から144に変更します。
12 ポート1/1に関するポート優先度を128から112に変更します。
13 spanning-treeモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。

＜本装置B＞
 1    (config)# spanning-tree-system
      [spanning-tree-system]
 2    (config)# link-type point-to-point 1/0-1
      [spanning-tree-system]
 3    (config)# exit
 4    (config)# spanning-tree pvst+ 100
      [spanning-tree pvst+ 100]
 5    (config)# protocol rstp
      [spanning-tree pvst+ 100]
 6    (config)# port-priority 112 1/0
      [spanning-tree pvst+ 100]
 7    (config)# port-priority 144 1/1
      [spanning-tree pvst+ 100]
 8    (config)# exit
 9    (config)# spanning-tree pvst+ 200
      [spanning-tree pvst+ 200]
10    (config)# protocol rstp
      [spanning-tree pvst+ 200]
11    (config)# port-priority 144 1/0
      [spanning-tree pvst+ 200]
12    (config)# port-priority 112 1/1
      [spanning-tree pvst+ 200]
13    (config)# exit

表7-31　本装置Bのコンフィグレーション解説

解説番号 解説
1，2 IEEE802.1wベースで運用するために，スパニングツリーシステム情報として，回線（ポート1/0と1/1）のリンクタイプをPoint-to-pointに設定します。
3 spanning-tree-systemモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
4 VLAN100に関するPVST+スパニングツリーを定義します。
5 当該ツリーはIEEE802.1wプロトコルで動作するように設定します。
6 ポート1/0に関するポート優先度を128から112に変更します。
7 ポート1/1に関するポート優先度を128から144に変更します。
8 spanning-treeモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
9 VLAN200に関するPVST+スパニングツリーを定義します。
10 当該ツリーはIEEE802.1wプロトコルで動作するように設定します。
11 ポート1/0に関するポート優先度を128から144に変更します。
12 ポート1/1に関するポート優先度を128から112に変更します。
13 spanning-treeモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。

［コンフィグレーションの表示］

＜本装置A＞
spanning-tree-system
  link-type point-to-point 1/0-1
!
spanning-tree pvst+ 100
  protocol rstp
  port-priority 112 1/0
  port-priority 144 1/1
!
spanning-tree pvst+ 200
  protocol rstp
  port-priority 144 1/0
  port-priority 112 1/1

＜本装置B＞
spanning-tree-system
  link-type point-to-point 1/0-1
!
spanning-tree pvst+ 100
  protocol rstp
  port-priority 112 1/0
  port-priority 144 1/1
!
spanning-tree pvst+ 200
  protocol rstp
  port-priority 144 1/0
  port-priority 112 1/1

[目次][前へ][次へ]

[他社商品名称に関する表示]

Copyright (c)2005, 2011, ALAXALA Networks Corporation. All rights reserved.