解説書 Vol.2

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6.4.1 VRRPポーリングの概要

VRRPポーリングは,コンフィグレーションによって指定されたIPアドレス宛てにICMP Echoパケットによるポーリングを行い,疎通状態を監視します。ICMP EchoパケットはRFC標準であるため,宛先IPアドレスに指定する相手装置が本装置である必要はありません。ただし,ICMP Echoパケットに対して応答を返す必要があります。応答確認はpingコマンドを使用して行えます。応答がないため障害と判定した場合は,障害監視インタフェースと同様に仮想ルータの優先度を下げて運用します。VRRPポーリングを次の図に示します。

図6-5 VRRPポーリング

[図データ]

図6-5 VRRPポーリング」を例にして説明します。本装置AにはDepartment1というイーサネットインタフェースとPoint2というイーサネットインタフェースの二つが定義されています。仮想ルータはDepartment1に設定されています。通常の障害監視インタフェースでは,ネットワーク上で発生した障害は検出できません。しかし,本装置では宛先IPアドレス(target address)を指定してVRRPポーリングを有効にすることによって,ネットワーク上で発生した障害をすぐ検出できます。また,ホスト側の本装置Cはstaticポーリングを使用し,経路切り替えを行います。staticポーリングについては,「解説書 Vol.1 12.3.1(3) スタティック経路のゲートウェイ監視」を参照してください。

図6-5 VRRPポーリング」の,本装置Aの仮想ルータの障害監視インタフェースをPoint2,障害監視インタフェースダウン時の優先度を0,ポーリングの宛先IPアドレスをルータ1のPoint1のIPアドレス(192.168.80.1)に設定した場合,ネットワーク上で障害が発生し応答が返らなくなると,自動的にマスタが本装置Aから本装置Bへ切り替わります。なお,障害検出時間または障害回復検出時間はコンフィグレーションによって変更できます。

障害監視インタフェースがダウンした場合,VRRPポーリングは疎通不可能状態と判断し,インタフェースがアップするまで待機します。障害監視インタフェースがアップした時,再度ポーリングを始め,障害復旧検証によって疎通可能状態と判定した場合,切り戻しを行います。

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