解説書 Vol.1

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11.7.4 ロードバランス使用時の注意事項

  1. Hash値によって,一意に16パスの内1パスを選択するため,宛先ネットワークに対するそれぞれのパスのパケット分配比率は必ずしも均等になりません。
  2. 各パスに対して重み付けをしないため,回線速度が異なる場合は速度に比例して分配しません。ただし,回線速度の速い回線に重み付けをするには,イーサネット回線の場合はマルチホーム接続によってできますが,障害の発生などを考慮し,冗長構成とする必要があります。
  3. Hash値によって選択した該当パスの出力帯域を超えて継続的にパケットを送出しようとした場合,パケット廃棄が発生します。別のパスには振り分けません。
  4. マルチパスにNullインタフェースを含められません。
  5. 2台のルータ間をポイント−ポイント型回線でマルチパス接続をする場合,次の図に示す注意が必要です。

    図11-30 ポイント−ポイント型回線接続での制限

    [図データ]

  6. 本装置から自発送信する場合は,送信元IPアドレスを0.0.0.0としてHash値を算出します。
  7. tracerouteコマンドによって,ロードバランスで使用する選択パスを確認する場合は次の注意が必要です。
    • tracerouteコマンドを受信した回線のIPアドレスを送信元IPアドレスとして,応答を返しますが,その回線を使用して応答を返すとは限りません。
    • tracerouteコマンドを受信した回線がマルチホーム定義の場合,隣接装置がどのサブネットで送信したのか判断できないので,マルチホーム内の1アドレスを送信元IPアドレスとして応答します。

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