解説書 Vol.1
スパニングツリープロトコルは,ループ防止プロトコルです。スパニングツリープロトコルを使用することで,スイッチ間でお互いに通信し,ネットワーク上の物理ループを発見することができます。スイッチ接続のネットワーク上のループが発生した場合の問題点について次の図に示します。
端末1が端末2に対してフレームを最初に送信した場合を例とします。
- 端末1によって端末2に送信されたフレームは,本装置Aによって受信されます。これが,端末1と端末2の間でやり取りされる最初のフレームであるため,本装置A,B,CのFDBには端末1に対するエントリの登録はまだ行われていません。
- 本装置Aは端末1のMACアドレスとポートとのマッピングをFDBに登録しフレームをフラッディングします。本装置Aによりフラッディングしたフレームを本装置Bおよび本装置Cが受け取ると,それぞれが端末1から最初に受けたフレームのため,端末1のMACアドレスと本装置A側ポートとのマッピングをFDBに登録しフレームをフラッディングします。
- それにより本装置Bは本装置Cからフラッディングされた端末1からの送信フレームを受信したときに,最初のエントリを削除し端末1のMACアドレスを本装置C側ポートにマッピングするエントリをFDBに登録します。同様に本装置Cは本装置Bよりフラッディングされたフレームを受信したときに最初のエントリを削除し端末1のMACアドレスを本装置B側ポートにマッピングするエントリをFDBに登録します。
- この結果,全装置とも端末1のMACアドレスが複数のポート間で交互に切り替り登録され,FDBが不安定な状態となり,どの装置もフレームを端末1に正しく転送できなくなってしまいます。
スパニングツリープロトコルは,このようなループを防止することを目的としています。
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