コンフィグレーションガイド Vol.2

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12.1.5 ダイナミックARP検査

<この項の構成>
(1) 概要
(2) ポートの種別
(3) ARPパケットの基本検査
(4) ARPパケットのオプション検査

(1) 概要

ダイナミックARP検査は,本装置を通過するARPパケットを監視して,信頼されていない端末からのARPパケットのアクセスを制限する機能です。

ダイナミックARP検査の動作概要を次の図に示します。

図12-8 ダイナミックARP検査の動作概要

[図データ]

(2) ポートの種別

ダイナミックARP検査ではDHCP snoopingと同様に,ポートを次の種別に分類して,ARPパケットを監視します。

ポートの種別を次の図に示します。

図12-9 ポートの種別

[図データ]

コンフィグレーションコマンドip dhcp snoopingでDHCP snoopingを有効にすると,デフォルトですべてのポートがuntrustポートになります。DHCPサーバへ接続するポートをtrustポートとして設定してください。trustポートはコンフィグレーションコマンドip arp inspection trustで設定できます。

なお,ダイナミックARP検査では,コンフィグレーションコマンドip arp inspection vlanで指定したVLANを監視対象にします。

通常の運用では,コンフィグレーションコマンドip dhcp snooping trustおよびip arp inspection trustで指定するポートを一致させることをお勧めします。

(3) ARPパケットの基本検査

untrustポートで,ARPパケットを受信した場合,バインディングデータベースとの整合性を検査し,未登録の端末であれば,該当するARPパケットを廃棄します。

基本検査の検査対象を次の表に示します。

表12-4 基本検査の検査対象

ARP種別 受信インタフェース ARPパケット
ポート VLAN ID Ethernetヘッダ ARPヘッダ
宛先MACアドレス 送信元MACアドレス 送信元MACアドレス 送信元IPアドレス 宛先MACアドレス 宛先IPアドレス
Request
Reply

(凡例)○:検査対象 −:検査対象外


(4) ARPパケットのオプション検査

untrustポートで,受信したARPパケット内のデータの整合性を検査します。

オプション検査は,コンフィグレーションコマンドip arp inspection validateで設定します。

(a) 送信元MACアドレス検査(src-mac検査)

レイヤ2ヘッダに含まれる送信元MACアドレス(Source MAC)と,ARPヘッダに含まれる送信元MACアドレス(Sender MAC Address)が同一であることを検査します。

ARP RequestおよびARP Replyの両方に対して検査します。

送信元MACアドレス検査の検査対象を次の表に示します。

表12-5 送信元MACアドレス検査の検査対象

ARP種別 受信インタフェース ARPパケット
ポート VLAN ID Ethernetヘッダ ARPヘッダ
宛先MACアドレス 送信元MACアドレス 送信元MACアドレス 送信元IPアドレス 宛先MACアドレス 宛先IPアドレス
Request
Reply

(凡例)○:検査対象 −:検査対象外


(b) 宛先MACアドレス検査(dst-mac検査)

レイヤ2ヘッダに含まれる宛先MACアドレス(Destination MAC)と,ARPヘッダに含まれる宛先MACアドレス(Target MAC Address)が同一であることを検査します。

ARP Replyに対してだけ検査します。

宛先MACアドレス検査の検査対象を次の表に示します。

表12-6 宛先MACアドレス検査の検査対象

ARP種別 受信インタフェース ARPパケット
ポート VLAN ID Ethernetヘッダ ARPヘッダ
宛先MACアドレス 送信元MACアドレス 送信元MACアドレス 送信元IPアドレス 宛先MACアドレス 宛先IPアドレス
Request
Reply

(凡例)○:検査対象 −:検査対象外


(c) IPアドレス検査(ip検査)

ARPヘッダに含まれる宛先IPアドレス(Target IP Address)が次に示す範囲内であることを検査します。

ARP Replyに対してだけ検査します。

IPアドレス検査の検査対象を次の表に示します。

表12-7 IPアドレス検査の検査対象

ARP種別 受信インタフェース ARPパケット
ポート VLAN ID Ethernetヘッダ ARPヘッダ
宛先MACアドレス 送信元MACアドレス 送信元MACアドレス 送信元IPアドレス 宛先MACアドレス 宛先IPアドレス
Request
Reply

(凡例)○:検査対象 −:検査対象外


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