コンフィグレーションガイド Vol.1


20.1.2 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T/10GBASE-T

10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T/10GBASE-Tのツイストペアケーブル(UTP)を使用したインタフェースについて説明します。

〈この項の構成〉

(1) 接続インタフェース

10BASE-T,100BASE-TX,1000BASE-T,および10GBASE-Tでは,オートネゴシエーションをサポートしています。オートネゴシエーションは,伝送速度,全二重,およびフローコントロールについて,相手装置とやりとりをして装置間で最適な接続動作を決定する機能です。本装置では,オートネゴシエーションで解決できなかった場合,リンク接続されるまで接続動作を繰り返します。

1000BASE-Tおよび10GBASE-Tでは,オートネゴシエーションによる全二重接続だけをサポートしています。

10BASE-Tおよび100BASE-TXでは,オートネゴシエーションと全二重固定接続をサポートしています。

コンフィグレーションでは次のモードを指定できます。接続するネットワークに合わせて設定してください。本装置のデフォルト値は,オートネゴシエーションとなります。

(2) 接続仕様

本装置のコンフィグレーションでの指定値と相手装置の伝送速度および,全二重および半二重モードの接続仕様を次に示します。

10BASE-Tおよび100BASE-TXは,相手装置によってオートネゴシエーションでは接続できない場合があるため,できるだけ相手装置のインタフェースに合わせた固定設定にしてください。

10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tポート,およびSFP+/SFP共用ポートでSFP-Tを使用した場合の接続仕様を次の表に示します。

表20‒3 接続仕様(10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T)

相手装置

本装置の設定

設定

インタフェース

固定

オート

ネゴシエーション

10BASE-T

全二重

100BASE-TX

全二重

固定

10BASE-T全二重

10BASE-T

全二重

×

×

100BASE-TX全二重

×

100BASE-TX

全二重

×

1000BASE-T全二重

×

×

×

オート

ネゴシエーション

10BASE-T全二重

×

×

10BASE-T

全二重

10BASE-T全二重および半二重

×

×

10BASE-T

全二重

100BASE-TX全二重

×

×

100BASE-TX

全二重

100BASE-TX全二重および半二重

×

×

100BASE-TX

全二重

10BASE-T/100BASE-TX

全二重および半二重

×

×

100BASE-TX

全二重

1000BASE-T全二重

×

×

1000BASE-T

全二重

1000BASE-T全二重および半二重

×

×

1000BASE-T

全二重

10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T

全二重および半二重

×

×

1000BASE-T

全二重

(凡例) ×:接続できない

100BASE-TX/1000BASE-T/10GBASE-Tポートを使用した場合の接続仕様を次の表に示します。

表20‒4 接続仕様(100BASE-TX/1000BASE-T/10GBASE-T)

相手装置

本装置の設定

設定

インタフェース

固定

オート

ネゴシエーション

100BASE-TX

全二重

固定

100BASE-TX全二重

100BASE-TX

全二重

×

1000BASE-T全二重

×

×

10GBASE-T全二重

×

×

オート

ネゴシエーション

10BASE-T全二重および半二重

×

×

100BASE-TX全二重

×

100BASE-TX

全二重

100BASE-TX全二重および半二重

×

100BASE-TX

全二重

1000BASE-T全二重

×

1000BASE-T

全二重

1000BASE-T全二重および半二重

×

1000BASE-T

全二重

10GBASE-T全二重

×

10GBASE-T

全二重

10GBASE-T全二重および半二重

×

10GBASE-T

全二重

10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T

全二重および半二重

×

1000BASE-T

全二重

100BASE-TX/1000BASE-T/10GBASE-T

全二重および半二重

×

10GBASE-T

全二重

(凡例) ×:接続できない

(3) 自動MDI/MDIX機能

自動MDI/MDIX機能は,MDIとMDI-Xを自動的に切り替える機能です。これによって,クロスケーブルまたはストレートケーブルどちらでも通信できるようになります。オートネゴシエーション時だけサポートします。全二重固定時はMDI-Xとなります。MDI/MDI-Xのピンマッピングを次の表に示します。

表20‒5 MDI/MDI-Xのピンマッピング

RJ45

Pin No.

MDI

MDI-X

1000BASE-T

10GBASE-T※1

100BASE-TX※2

10BASE-T※2

1000BASE-T

10GBASE-T※1

100BASE-TX※2

10BASE-T※2

1

BI_DA+

TD+

TD+

BI_DB+

RD+

RD+

2

BI_DA−

TD−

TD−

BI_DB−

RD−

RD−

3

BI_DB+

RD+

RD+

BI_DA+

TD+

TD+

4

BI_DC+

Unused

Unused

BI_DD+

Unused

Unused

5

BI_DC−

Unused

Unused

BI_DD−

Unused

Unused

6

BI_DB−

RD−

RD−

BI_DA−

TD−

TD−

7

BI_DD+

Unused

Unused

BI_DC+

Unused

Unused

8

BI_DD−

Unused

Unused

BI_DC−

Unused

Unused

注※1

1000BASE-Tおよび10GBASE-Tでは,8ピンすべてを送信と受信が同時双方向(bi-direction)通信するため,信号名表記が異なります(BI_Dx:双方向データ信号)。

注※2

10BASE-Tと100BASE-TXでは,送信(TD)と受信(RD)信号は別々の信号線を使用しています。

(4) ダウンシフト機能

ダウンシフト機能は,オートネゴシエーション設定時に機能し,オートネゴシエーションで決定された最適な接続動作(最も速い回線速度)でリンク接続ができなかった場合(例えば,オートネゴシエーションでは1000BASE-Tが最適な接続動作と決定したが,伝送品質の劣化などによって1000Mbit/sでリンク接続できないなど)に,オートネゴシエーションで広告する最も速い速度を無効に設定し,次に速い速度でリンク接続を試みる機能です。

(a) 回線速度の変更順序

オートネゴシエーション完了後にリンク接続できない場合,オートネゴシエーションで広告する回線速度を,フェーズ1,フェーズ2,…の順に下げていきます。回線速度が最低になってもリンク接続できない場合は,フェーズ1に戻ってダウンシフトを繰り返します。回線速度の変更順序を,ポートの種類ごとに次の表に示します。

表20‒6 回線速度の変更順序(10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tポート)

フェーズ

コンフィグレーションコマンドspeedのパラメータ設定内容※1

auto

auto 10 100 1000

auto 10 100

auto 1000※2

or

auto 100※2

or

auto 10※2

1

10 100 1000

10 100 1000

10 100

2

10 100

10 100

10

3

10

10

(凡例) −:ダウンシフト動作をしない

注※1 数値は回線速度を示します。単位はMbit/sです。

注※2 ダウンシフト動作をさせたくない場合は,この設定をしてください。

表20‒7 回線速度の変更順序(100BASE-TX/1000BASE-T/10GBASE-Tポート)

フェーズ

コンフィグレーションコマンドspeedのパラメータ設定内容※1

auto

or

auto 100 1000 10000

auto 100 1000

auto 10000※2

or

auto 1000※2

or

auto 100※2

1

100 1000 10000

100 1000

2

100 1000

100

3

100

(凡例) −:ダウンシフト動作をしない

注※1 数値は回線速度を示します。単位はMbit/sです。

注※2 ダウンシフト動作をさせたくない場合は,この設定をしてください。

(5) 接続時の注意事項