コンフィグレーションガイド Vol.3


32.1.15 VRFでのIPv6 PIM-SSMの設定【SL-L3A】

〈この項の構成〉

(1) IPv6 PIM-SSMアドレスの設定

[設定のポイント]

VRFで,本装置でIPv6 PIM-SSMを使用するには,グローバルコンフィグレーションモードで次の設定をします。本設定によってIPv6 PIM-SMが設定されたVRFのインタフェースでは,指定したSSMアドレス範囲でIPv6 PIM-SSMが動作します。本装置で使用できるSSMアドレス設定はVRFごとに一つだけです。例として,VRF 10でIPv6 PIM-SSMが動作するSSMアドレス範囲をデフォルト(ff30::/12)で使用する設定を示します。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# ipv6 pim vrf 10 ssm default

    VRF 10でIPv6 PIM-SSMを使用できるようにします(SSMアドレス範囲はff30::/12となります)。

(2) MLDv1/MLDv2(EXCLUDEモード)でIPv6 PIM-SSMを連携動作させる設定

[設定のポイント]

MLDv1/MLDv2(EXCLUDEモード)ではソースアドレスを特定できないため,IPv6 PIM-SSMへの連携ができません。本装置では,IPv6 PIM-SSMが動作するグループアドレスとソースアドレスを設定することでIPv6 PIM-SSMへの連携を行います。本機能はVRFごとに設定します。IPv6 PIM-SSMが動作するグループアドレスは,IPv6 PIM-SSMアドレスの設定で該当VRFに指定したSSMアドレス範囲内である必要があります。例として,VPN 2にVRF 10を対応させ,VPN 2で使用するグループアドレスをff35::1,同一VPN内で二つのサーバを使用する場合,サーバ1のソースアドレスを2001:db8:20::2,サーバ2のソースアドレスを2001:db8:30::2としたIPv6 PIM-SSM構成例を次の図に示します。

図32‒3 VRFでのIPv6 PIM-SSM構成例

[図データ]

[コマンドによる設定]

  1. (config)# ipv6 access-list GROUP2

    (config-ipv6-acl)# permit ipv6 any host ff35::1

    (config-ipv6-acl)# exit

    VRF 10で管理するマルチキャストグループアドレスのアクセスリストを作成します。

  2. (config)# ipv6 mld ssm-map vrf 10 static GROUP2 2001:db8:20::2

    (config)# ipv6 mld ssm-map vrf 10 static GROUP2 2001:db8:30::2

    VPN 2でIPv6 PIM-SSMが動作するグループアドレス,およびサーバ1とサーバ2のソースアドレスをVRF 10に設定します(グループアドレスは手順1で作成したアクセスリストを指定します)。

  3. (config)# ipv6 mld vrf 10 ssm-map enable

    VRF 10でMLDv1/MLDv2(EXCLUDEモード)でIPv6 PIM-SSMを使用できるようにします。