コンフィグレーションガイド Vol.2


17.1.2 動作仕様

L2ループ検知機能では,コンフィグレーションで設定したポート(物理ポートまたはチャネルグループ)からL2ループ検知用のL2制御フレーム(L2ループ検知フレーム)を定期的に送信します。L2ループ検知機能が有効なポートでそのL2ループ検知フレームを受信した場合,ループ障害と判断し,受信したポートまたは送信元ポートをinactive状態にします。

inactive状態のポートは,ループ障害の原因を解決後に運用コマンドでactive状態にします。また,自動復旧機能を設定しておけば,自動的にactive状態にできます。

〈この項の構成〉

(1) L2ループ検知機能のポート種別

L2ループ検知機能で使用するポートの種別を次の表に示します。

表17‒1 ポート種別

種別

機能

検知送信閉塞ポート

  • ループを検知するためのL2ループ検知フレームを送信します。

  • ループ障害検知時は,運用ログを表示し,当該ポートをinactive状態にします。

検知送信ポート

  • ループを検知するためのL2ループ検知フレームを送信します。

  • ループ障害検知時は,運用ログを表示します。inactive状態にはしません。

検知ポート

(コンフィグレーション省略時)

  • ループを検知するためのL2ループ検知フレームは送信しません。

  • ループ障害検知時は,運用ログを表示します。inactive状態にはしません。

検知対象外ポート

  • 本機能の対象外ポートです。ループを検知するためのL2ループ検知フレームの送信やループ障害検知をしません。

アップリンクポート

  • ループを検知するためのL2ループ検知フレームは送信しません。

  • ループ障害検知時は,送信元ポートで,送信元のポート種別に従った動作をします。例えば,送信元が検知送信閉塞ポートであれば,運用ログを表示し,送信元ポートをinactive状態にします。

(2) L2ループ検知フレームの送信ポートについて

L2ループ検知フレームは,検知送信閉塞ポートと検知送信ポートに所属しているすべてのVLANから,設定した送信間隔で送信します。本機能で送信できる最大フレーム数は決まっていて,それを超えるフレームは送信しません。フレームを送信できなかったポートやVLANでは,ループ障害を検知できなくなります。そのため,送信できる最大フレーム数は,収容条件に従って設定してください。詳細は,「コンフィグレーションガイド Vol.1」 「3.9.1 L2ループ検知」を参照してください。

(3) ループ障害の検知方法とポートをinactive状態にする条件

L2ループ検知フレームを受信した場合,自装置から送信したL2ループ検知フレームで,かつ受信ポートに設定されているVLANであれば,異なるVLAN間でもループ障害と見なします。L2ループ検知フレームの受信によってループ障害と判定すると,ポートごとにフレームの受信数をカウントします。この値がコンフィグレーションで設定したL2ループ検知フレーム受信数(初期値は1)に達すると,該当ポートをinactive状態にします。

(4) スタック構成でのL2ループ検知動作

同一スタック内のメンバスイッチ間で送信されたL2ループ検知フレームを受信した場合でも,L2ループ検知が動作します。スタック構成時のL2ループ検知フレームの受信によるループ検知について次の図に示します。

図17‒2 スタック構成時のL2ループ検知フレームの受信によるループ検知

[図データ]

(5) 運用メッセージの表示について

ループ障害検知の運用メッセージをどこかのポートで表示し,その直後に同じポートでL2ループ検知フレームを受信しても,前回の表示から1分間は運用メッセージを表示しません。前回の表示から1分間経過し,その後L2ループ検知フレームを受信したとき,ループ障害検知の運用メッセージを表示します。