コンフィグレーションガイド Vol.2


1.1.5 フロー検出条件

フロー検出するためには,コンフィグレーションでフローを識別するための条件を指定します。受信側および送信側インタフェースでのフロー検出条件を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) 受信側インタフェースのフロー検出条件

受信側インタフェースで指定できるフロー検出条件を次の表に示します。

表1‒4 受信側インタフェースで指定できるフロー検出条件

種別

設定項目

MAC条件

コンフィグレーション

VLAN ID※1

MACヘッダ

送信元MACアドレス

宛先MACアドレス

イーサネットタイプ

ユーザ優先度※2

IPv4条件

コンフィグレーション

VLAN ID※1

MACヘッダ

ユーザ優先度※2

IPv4ヘッダ※3

上位プロトコル

送信元IPアドレス

宛先IPアドレス

ToS

DSCP

Precedence

IPv4-TCPヘッダ

送信元ポート番号

単一指定(eq)

範囲指定(range)※4

宛先ポート番号

単一指定(eq)

範囲指定(range)※4

TCP制御フラグ※5

IPv4-UDPヘッダ

送信元ポート番号

単一指定(eq)

範囲指定(range)※4

宛先ポート番号

単一指定(eq)

範囲指定(range)※4

IPv4-ICMPヘッダ

ICMPタイプ値

ICMPコード値

IPv6条件

コンフィグレーション

VLAN ID※1

MACヘッダ

ユーザ優先度※2

IPv6ヘッダ※6

上位プロトコル

送信元IPアドレス

宛先IPアドレス

トラフィッククラス

DSCP

IPv6-TCPヘッダ

送信元ポート番号

単一指定(eq)

範囲指定(range)※4

宛先ポート番号

単一指定(eq)

範囲指定(range)※4

TCP制御フラグ※5

IPv6-UDPヘッダ

送信元ポート番号

単一指定(eq)

範囲指定(range)※4

宛先ポート番号

単一指定(eq)

範囲指定(range)※4

IPv6-ICMPヘッダ

ICMPタイプ値

ICMPコード値

注※1

本装置のフロー検出で検出できるVLAN IDは,VLANコンフィグレーションで入力したVLANに対して付与する値です。受信フレームの属するVLAN IDを検出します。

注※2

次に示すフレームについてはユーザ優先度を検出できません。常に,ユーザ優先度3として検出します。

・VLAN Tagなしのフレーム

・VLANトンネリングを設定したポートで受信したフレーム

VLAN Tagが複数あるフレームに対してユーザ優先度を検出する場合,MACアドレス側から1段目のVLAN Tagにあるユーザ優先度が対象となります。次の図にVLAN Tagが複数あるフレームの例を示します。

[図データ]

注※3

ToSフィールドの指定についての補足

ToS   :ToSフィールドの3ビット〜6ビットの値です。

Precedence:ToSフィールドの上位3ビットの値です。

[図データ]

DSCP  :ToSフィールドの上位6ビットの値です。

[図データ]

注※4

TCP/UDPポート番号検出パターンの収容条件については,「コンフィグレーションガイド Vol.1」 「3.5 フィルタ・QoS・ポリシーベースミラーリング」を参照してください。

注※5

ack/fin/psh/rst/syn/urgフラグが1のパケットを検出します。

注※6

トラフィッククラスフィールドの指定についての補足

トラフィッククラス:トラフィッククラスフィールドの値です。

[図データ]

DSCP      :トラフィッククラスフィールドの上位6ビットの値です。

[図データ]

(2) 送信側インタフェースのフロー検出条件

送信側インタフェースで指定できるフロー検出条件を次の表に示します。ただし,該当VLANに属するすべてのイーサネットインタフェースに対してどれか一つでもTag変換を設定しているVLANインタフェースでは,フィルタエントリを適用できません。

表1‒5 送信側インタフェースで指定できるフロー検出条件

種別

設定項目

MAC条件

コンフィグレーション

VLAN ID※1

MACヘッダ

送信元MACアドレス

宛先MACアドレス

イーサネットタイプ

ユーザ優先度※2

IPv4条件

コンフィグレーション

VLAN ID※1

MACヘッダ

ユーザ優先度※2

IPv4ヘッダ※3

上位プロトコル

送信元IPアドレス

宛先IPアドレス

ToS

DSCP

Precedence

IPv4-TCPヘッダ

送信元ポート番号

単一指定(eq)

宛先ポート番号

単一指定(eq)

TCP制御フラグ※4

IPv4-UDPヘッダ

送信元ポート番号

単一指定(eq)

宛先ポート番号

単一指定(eq)

IPv4-ICMPヘッダ

ICMPタイプ値

ICMPコード値

IPv6条件

コンフィグレーション

VLAN ID※1

MACヘッダ

ユーザ優先度※2

IPv6ヘッダ

上位プロトコル

送信元IPアドレス

宛先IPアドレス

トラフィッククラス

DSCP

IPv6-TCPヘッダ

送信元ポート番号

単一指定(eq)

宛先ポート番号

単一指定(eq)

TCP制御フラグ※4

IPv6-UDPヘッダ

送信元ポート番号

単一指定(eq)

宛先ポート番号

単一指定(eq)

IPv6-ICMPヘッダ

ICMPタイプ値

ICMPコード値

注※1

本装置のフロー検出で検出できるVLAN IDは,VLANコンフィグレーションで入力したVLANに対して付与する値です。送信フレームの属するVLAN IDを検出します。

次に示す場合,VLAN IDを指定できません。

・Tag変換を設定したイーサネットインタフェースに指定する場合

・VLANトンネリングを設定したイーサネットインタフェースに指定する場合

注※2

送信フレームのVLAN Tagにあるユーザ優先度を検出します。VLAN Tagが複数あるフレームに対してユーザ優先度を検出する場合,MACアドレス側から1段目のVLAN Tagにあるユーザ優先度が対象となります。次の図にVLAN Tagが複数あるフレームの例を示します。

[図データ]

送信側インタフェースでは,VLAN Tagなしのフレームについてもユーザ優先度を検出します。ユーザ優先度検出の詳細を次の表に示します。

表1‒6 送信側インタフェースでのユーザ優先度検出

フレーム送信ポート

送信

フレーム

ユーザ優先度のフロー検出動作

VLANトンネリング設定なし

受信側でマーカー機能を使用した場合は,マーカー後のユーザ優先度を検出します。

受信側でマーカー機能を使用していない場合で,かつ受信フレームがVLAN Tagなしのときは,ユーザ優先度3として検出します。

受信側でマーカー機能を使用していない場合で,かつ受信フレームがVLAN Tagありのときは,受信時のユーザ優先度を検出します。ただし,次に示すフレームは優先度3として検出します。

  • VLANトンネリングを設定したポートで受信したフレーム

VLANトンネリング設定あり

VLAN Tagなし

同上

VLAN Tagあり

受信側のマーカー機能の使用有無に関係なく,送信フレームのユーザ優先度を検出します。送信フレームのユーザ優先度は次のようになります。

  • VLANトンネリングを設定したポートで受信したフレームは,受信時のユーザ優先度

  • VLANトンネリングを設定していないポートで受信したフレームは,受信フレームからVLAN Tagを外したあとのユーザ優先度

(凡例)−:VLAN Tagの有無に影響しない

注※3

ToSフィールドの指定についての補足

ToS   :ToSフィールドの3ビット〜6ビットの値です。

Precedence:ToSフィールドの上位3ビットの値です。

[図データ]

DSCP  :ToSフィールドの上位6ビットの値です。

[図データ]

受信側インタフェースでマーカー機能のDSCP書き換えを使用した場合,送信側インタフェースでのToS,DSCPおよびPrecedenceの検出は,DSCP書き換え後のフレームに対して実施します。

注※4

ack/fin/psh/rst/syn/urgフラグが1のパケットを検出します。