コンフィグレーションガイド Vol.3
次の図のようなネットワーク構成で,IPv4マルチキャストエクストラネットを設定します。
IPv4マルチキャストエクストラネット経路フィルタリングを使用して,いくつかの制限を掛けることができます。
図17-2 IPv4マルチキャストエクストラネットの構成例
- <この項の構成>
- (1) すべてのVRFからの要求を許可する設定
- (2) 特定VRFだけ許可する設定
- (3) 特定グループアドレスだけ許可する設定
- (4) 双方向IPv4マルチキャストエクストラネットの設定
(1) すべてのVRFからの要求を許可する設定
VRF 2が,すべてのVRFおよびグローバルネットワークからのIPv4マルチキャスト中継要求を許可するように設定します。
事前に,ユニキャストのエクストラネットを設定して,中継先VRFおよびグローバルネットワークからIPv4マルチキャスト送信元への経路がVRF 2になるように設定してください。
- [設定のポイント]
- route-mapはフィルタ条件を設定しない場合,すべての条件が許可になります。
- [コマンドによる設定]
- (config)# route-map MLTEXNET permit 10
(config-route-map)# exit
すべてのフィルタ条件を許可にします。
- (config)# vrf definition 2
(config-vrf)# import multicast inter-vrf MLTEXNET
(config-vrf)# exit
1.のフィルタ設定をVRF 2のIPv4マルチキャストエクストラネットに適用して,すべてのVRFおよびグローバルネットワークからのIPv4マルチキャスト中継要求を許可するように設定します。
(2) 特定VRFだけ許可する設定
VRF 2がVRF 3およびVRF 4からのIPv4マルチキャスト中継要求を許可するように設定します。
事前に,ユニキャストのエクストラネットを設定して,VRF3およびVRF4からIPv4マルチキャスト送信元への経路がVRF2になるように設定してください。
- [設定のポイント]
- この設定をしない場合,すべてのVRFからのIPv4マルチキャスト中継要求を受け付けます。
- [コマンドによる設定]
- (config)# route-map MLTEXNET permit 10
(config-route-map)# match vrf 3 4
(config-route-map)# exit
VRF 3およびVRF 4からのIPv4マルチキャスト中継要求だけ許可にします。
- (config)# vrf definition 2
(config-vrf)# import multicast inter-vrf MLTEXNET
(config-vrf)# exit
1.のフィルタ設定をVRF 2のIPv4マルチキャストエクストラネットに適用して,VRF3およびVRF4からのIPv4マルチキャスト中継要求を許可するように設定します。
(3) 特定グループアドレスだけ許可する設定
224.10.0.0/16の範囲内のグループアドレスだけIPv4マルチキャスト中継要求を許可するように設定します。
- [設定のポイント]
- エクストラネットで使用するグループアドレスの範囲を設定すると,そのアドレス以外のグループアドレスを他VRFと独立して,VRF内通信に割り当てられます。ローカルで使用するグループアドレスは,VRFごとに異なる用途に使用できます。
- この設定をしない場合,すべてのグループアドレス(224.0.0.0/4)をエクストラネットで使用します。
- [コマンドによる設定]
- (config)# ip access-list standard MLTGROUP
(config-std-nacl)# permit 224.10.0.0 0.0.255.255
(config-std-nacl)# exit
(config)# route-map MLTEXNET permit 10
(config-route-map)# match ip address MLTGROUP
(config-route-map)# exit
エクストラネットで使用するグループアドレスを224.10.0.0/16に設定します。
- (config)# vrf definition 2
(config-vrf)# import multicast inter-vrf MLTEXNET
(config-vrf)# exit
1.のフィルタ設定をVRF 2のIPv4マルチキャストエクストラネットに適用して,VRF 2が受け付ける他VRFからの中継要求を224.10.0.0/16に限定します。
(4) 双方向IPv4マルチキャストエクストラネットの設定
グローバルネットワーク,VRF 2,VRF 3およびVRF 4で,IPv4マルチキャストエクストラネットによって相互に通信できるように設定します。
事前に,ユニキャストのエクストラネットを設定して,グローバルネットワーク,VRF 2,VRF 3およびVRF 4からIPv4マルチキャスト送信元への経路が,接続したいVRFまたはグローバルネットワークになるように設定してください。
- [設定のポイント]
- route-mapのmatch vrfコマンドで設定したVRFは,共通のフィルタを指定できます。
- [コマンドによる設定]
- (config)# ip access-list standard MLTGROUP
(config-std-nacl)# permit 224.10.10.0 0.0.0.255
(config-std-nacl)# exit
(config)# route-map MLTEXNET permit 10
(config-route-map)# match vrf global 2 3 4
(config-route-map)# match ip address MLTGROUP
(config-route-map)# exit
グローバルネットワーク,VRF 2,VRF 3およびVRF4からのグループアドレス224.10.10.0/24に対するIPv4マルチキャスト中継要求を許可にします。
- (config)# vrf definition global
(config-vrf)# import multicast inter-vrf MLTEXNET
(config-vrf)# exit
(config)# vrf definition 2
(config-vrf)# import multicast inter-vrf MLTEXNET
(config-vrf)# exit
(config)# vrf definition 3
(config-vrf)# import multicast inter-vrf MLTEXNET
(config-vrf)# exit
(config)# vrf definition 4
(config-vrf)# import multicast inter-vrf MLTEXNET
(config-vrf)# exit
1.のフィルタ設定をグローバルネットワーク,VRF 2,VRF 3およびVRF 4のIPv4マルチキャストエクストラネットに適用して,相互にIPv4マルチキャスト中継要求を許可するように設定します。
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