コンフィグレーションガイド Vol.2
- <この項の構成>
- (1) 送信動作
- (2) 受信動作
(1) 送信動作
通信を行っているリンクの障害や運用コマンドによって,アクティブポートを変更した場合,通信を速やかに復旧させるために,上位スイッチに端末のMACアドレスを再学習させるMACアドレスアップデートフレームを送信できます。MACアドレスアップデートフレームの特徴は次のとおりです。
- マルチキャストフレームである
- 送信元MACアドレスに,上位スイッチに再学習させるMACアドレスを設定する
- 専用の受信機能を必要としない
MACアドレスアップデート機能は,アップリンクポートごとに設定できます。また,送信対象外とするVLANを指定できます。
本機能を使用する場合,MACアドレステーブルに登録するエントリ数の推奨値は16384エントリ以下です。推奨値を超える場合,通信の復旧に時間が掛かったり,アップリンク・リダンダントの運用コマンドの反応が遅くなったりするおそれがあります。
MACアドレスアップデートフレームの使用による切り替え動作の違いを次の図に示します。
図16-5 MACアドレスアップデートフレームの使用による切り替え動作の違い
- 通常時
- 本装置のプライマリポートで通信を行っている状態では,上位スイッチはユーザ端末のMACアドレスを,現在の通信経路で学習しています。
- 障害時(MACアドレスアップデートフレームの送信なし)
- MACアドレスアップデートフレームを送信する設定がない場合,アクティブポートをセカンダリポートに切り替えても,上位スイッチBがユーザ端末のMACアドレスを以前のポートで学習しているため,上位スイッチBが学習したMACアドレスが消えるか,ユーザ端末からの通信がなければ,通信は復旧しません。
- 障害時(MACアドレスアップデートフレームの送信あり)
- MACアドレスアップデートフレームを送信する設定の場合は,アクティブポートをセカンダリポートに切り替えると同時に,MACアドレスアップデートフレームによって上位スイッチBがユーザ端末のMACアドレス学習ポートを更新するため,通信を速やかに復旧できます。
MACアドレスアップデート機能の仕様を次の表に示します。
表16-2 MACアドレスアップデート機能の仕様
項目 内容 送信対象ポートの設定単位 アップリンクポート単位 送信ポート 通信可能となったアクティブポート 送信回数※ 1〜3回 送信対象となるMACアドレスエントリ 次の二つの条件を同時に満たすエントリ
- 該当のアップリンクポートが所属するVLANで学習しているエントリ。ただし,コンフィグレーションで送信対象外に設定したVLANで学習しているエントリは除きます。
- 該当のアップリンクポート以外で学習しているエントリ
送信対象となるMACアドレスエントリ種別
- ダイナミックエントリ
- スタティックエントリ
- IEEE802.1Xによるエントリ
- Web認証機能によるエントリ
- MAC認証機能によるエントリ
- 装置MACアドレス
- VLANインタフェースのMACアドレス
- 仮想MACアドレス
最大送信MACアドレスエントリ 3000エントリ。
送信対象のエントリが3000エントリを超えていた場合は,3000エントリ分を送信するとともに,収容条件を超えていたことを示す運用ログを出力します。送信レート 最大300pps
- 注※
- コンフィグレーションで設定できます。
(2) 受信動作
MACアドレスアップデートフレームの中継時に,ほかの受信フレームと同様に送信元MACアドレスを学習してMACアドレステーブルに登録します。詳細は,「コンフィグレーションガイド Vol.1 23. MACアドレス学習」を参照してください。
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