コンフィグレーションガイド Vol.2
- <この項の構成>
- (1) 他機能との共存について
- (2) ADVERTISEMENTパケット送信間隔について
- (3) VRRPポーリングによるマルチパス経路の監視について
- (4) IPv6 VRRPとRAの連携について
(1) 他機能との共存について
(a) レイヤ2スイッチ機能との共存
「コンフィグレーションガイド Vol.1 22.3 レイヤ2スイッチ機能と他機能の共存について」を参照してください。
(b) レイヤ2認証との共存
「5.2.1 レイヤ2認証と他機能との共存」を参照してください。
(c) 冗長化構成による高信頼化機能との共存
VRRPとの共存で制限のある,冗長化構成による高信頼化機能を次の表に示します。
表15-5 VRRPとの共存で制限のある機能
制限のある機能 制限の内容 GSRP 共存不可
(2) ADVERTISEMENTパケット送信間隔について
次に示す状態の場合,本装置が送受信するVRRP ADVERTISEMENTパケットの破棄または処理遅延が発生し,状態遷移が発生するおそれがあります。状態遷移が頻発する場合は,VRRP ADVERTISEMENTパケットの送信間隔を大きい値に設定して運用してください。
- 本装置のCPUが過負荷状態の場合
- 本装置に設定した仮想ルータ数が多い場合
- ネットワークが過負荷状態の場合
- 仮想ルータを3台以上で構成している場合
(3) VRRPポーリングによるマルチパス経路の監視について
VRRPポーリング機能はマルチパス経路に対する監視ができません。
(4) IPv6 VRRPとRAの連携について
IPv6 VRRPを設定したインタフェースでRA(Router Advertisement)が有効になっている場合,RAはVRRPと連携して次のように動作します。
- RAはIPv6 VRRPのマスタルータとなっている場合だけ情報を配布します。
- RAパケットのMACヘッダの送信元MACアドレスは,仮想ルータに設定した仮想MACアドレスになります。
- RAパケットのIPv6ヘッダの送信元IPv6アドレスは,仮想ルータに設定した仮想IPv6アドレスになります。
これによって,端末はIPv6自動構成機能で,仮想ルータをデフォルトルータとすることができます。
ただし,次のような場合,端末の動作によってはRAを使用したネットワーク運用に支障がでることがあるので注意してください。
- 一つのインタフェースに複数の仮想ルータを設定した場合,最小のVRIDを使用しているマスタルータとだけ連携します。したがって,負荷分散のためにVRRPを使用する場合,各端末でデフォルトルータを手動で設定してください。
- 仮想IPv6アドレスにリンクローカルアドレスではなくグローバルアドレスを設定した場合,RAの送信元IPv6アドレスにはリンクローカルアドレスが必要なため,RAの送信元IPv6アドレスには仮想IPv6アドレスではなくインタフェースに固有のリンクローカルアドレスを使用します。このため,VRRPとRAの連携動作はできません。VRRPとRAを連携させる運用をする場合は,仮想IPv6アドレスにグローバルアドレスを設定しないでください。
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