25.1.2 OSPFv3の機能
OSPFv3は,OSPFと似たプロトコルですが,OSPFとOSPFv3はそれぞれ独立して動作します。
- 〈この項の構成〉
(1) OSPFとの機能差分
OSPFv3(IPv6)とOSPF(IPv4)との機能差分を次の表に示します。
機能 |
OSPFv3(IPv6) |
OSPF(IPv4) |
---|---|---|
AS外経路のフォワーディングアドレス |
× |
○ |
NSSA |
× |
○ |
認証 |
× |
○ |
非ブロードキャスト(NBMA)ネットワーク |
× |
○ |
イコールコストマルチパス |
○※ |
○ |
仮想リンク |
○ |
○ |
マルチバックボーン |
○ |
○ |
グレースフル・リスタートのヘルパー機能 |
○ |
○ |
グレースフル・リスタートのリスタート機能 |
× |
× |
スタブルータ |
○ |
○ |
(凡例) ○:取り扱う ×:取り扱わない
- 注※
-
経路選択方法は,OSPF(IPv4)とOSPFv3(IPv6)で異なります。イコールコスト時,OSPF(IPv4)では最小のネクストホップアドレスを選択しますが,OSPFv3(IPv6)ではルータIDが最小であるネクストホップアドレスを選択します。同一ルータIDのネクストホップアドレスが複数ある場合,Helloパケットで最小のインタフェースIDを広告しているネクストホップアドレスを選択します。
(2) ドメイン
本装置では,1台のルータ上でASを最大四つのOSPFv3ネットワークに分割し,OSPFv3ネットワークごとに個別に経路の交換,計算,生成を行えます。この機能をOSPFv3マルチバックボーンと呼びます。この独立した各OSPFv3ネットワークのことを,OSPFv3ドメインと呼びます。
OSPFv3のコンフィグレーションは,OSPFv3ドメインごとに設定します。